「こんな時代に戻りたくない」ブルーボーイ事件 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
こんな時代に戻りたくない
106分の短さの中に詰まった人権&LGBTQ問題。
戦前に成立した「国民保護法」を下敷きした、悪名高い障害者や病人を差別する「優生保護法」の呪いが、まだ存在していた1960年代。
そもそも「優生保護法」は、1996年(平成8年)に母体を保護する法律に取って代わられ廃止された。
日本初の公式ないわゆる性転換手術が実施されたのはその2年後の1998年(平成10年)10月にやっとで、それまで性転換手術は日本ではタブー化していたのは歴史的事実。
後の世の2024年7月に、最高裁判所が、「各優生条項が憲法13条、14条に違反していた」と判決が出ていることからも明らかなように、1996年以前…この映画の描いた1960年代当時の「常識」が間違っていたことは歴史が証明しながらも。
今から見れば、憲法違反と、差別主義者や国体維持のバカがのさばっていた時期であり、証言者のプライバシーを保護する意識もなく、マスコミも堂々と人権無視した時代だったんだなと、怖く感じました。
私はLGBTQとは無縁な人生ながら、「人権」という観点では、LGBTQな方々を見下す社会は、多数派から少数派が虐げられる世の中に繋がり、生きにくくなるのは間違いないので、「こんな時代には戻りたくないな」と強く思いました。
見ごたえあり!
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