「【今作は1960年代に実際に行われた性別適合手術の合法性裁判を、全ての国民は個人として尊重されるべきと定めた憲法13条と、稀代の悪法であった旧優生保護法27条を対比させて描いた作品である。】」ブルーボーイ事件 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【今作は1960年代に実際に行われた性別適合手術の合法性裁判を、全ての国民は個人として尊重されるべきと定めた憲法13条と、稀代の悪法であった旧優生保護法27条を対比させて描いた作品である。】
ー 今作は、主役を演じた中川未悠さんを筆頭に、演技経験の少ない方が多数出演されている。故に、演技の面では少し気になる方が居るのは、事実である。(中川未悠さんの演技は別である。)
だが、今作で扱ったテーマである、『生まれた時の自らの性に馴染めずに悩んでいる方々』に焦点を当てて、”自分らしく生きたい!”と言う想いを持つ、多くのトランスジェンダー女性達の生き方を描いている点が、大変に心に響くのである。
法廷で、自分の性別適合手術をした医師(山中崇)を弁護する先進的な考えを持つ弁護士(錦戸亮)の毅然とした姿も良いし、医師の為に証言台に立つ中川未悠さん演じる、主人公サチの”身体は女性になったけれど、社会が女として認めてくれない・・。”という台詞にも考えさせられる映画である。
だが、ラストの裁判後数年経ったシーンは気持ちが良い。サチは同棲していた男((前原滉)と、彼女の得意であった裁縫の腕を活かしたのであろう、美容室サチを開き、男を出迎えるシーンには、救われるのである。
<今作は1960年代に実際に行われた性別適合手術の合法性裁判を、全ての国民は個人として尊重されるべきと定めた憲法13条と、稀代の悪法であった旧優生保護法27条を対比させて描いた作品である。>
共感ありがとうございす。
おっしゃるとおり「性別適合手術」ですよね。
映画では「性転換手術」となってました。
これは当時の呼び方にならったものですが、時代の空気の表現として適切だったと思います。
ゲイという言い方も当時世界では使われていたようですが、日本でも一般的用語だったかは疑問です。
弁護士は善意の人ですが、トランスジェンダーを精神病として扱い、その治療のため性転換手術を正当なものとして論を展開します。
精神病の強調に彼女等は苦しむのですが、しかし性同一性「障害」の治療として医学的措置の正当性を獲得していったのも事実です。
トランスジェンダーの内部でも統一的な見解はなかったと聞きました。
私たちは障害者じゃない!です。
それは、障害者への差別かもしれません。
無限に複雑です。
ため息。
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