「タイトルなし（ネタバレ）」黒い瞳 4K修復ロングバージョン　りゃんひささんの映画レビュー（感想・評価）

アテネからイタリアへ向かう船中、
開店前の船内レストランで知り合ったロマーノ（マルチェロ・マストロヤンニ）という中年男性から恋の遍歴を聴かされるロシア人パヴェル（フセヴォロド・ラリオーノフ）。
ロマーノの語るところによると、自身はイタリアの金持ち女性と結婚したが、療養先の温泉地で子犬を連れた婦人と知り合い、熱烈な恋をした。
彼女を追ってロシアまで出かけたのだ、と・・・

といった物語。

チェーホフの「子犬を連れた貴婦人」ほかの短編を基にした映画で、ロシア的であり、かつイタリア的なコッテリしたコメディ。
イタリア的なところは、主役をマストロヤンニに当てたことによるでしょう。

マストロヤンニ演じるロマーノのチャランポランだが憎めない男を楽しめるかどうかが肝。
ここまでいい加減だと清々しいくらい。同情も共感も出来ないけど、さもありなん、といったところか。

初公開当時も観ているが、ピンと来なかったか、ロマンス映画だと思って観ていて肩透かしを食ったかいずれかで、ほとんど憶えていなかったです。