「良い意味で期待を裏切った出来作」バレリーナ The World of John Wick HGPomeraさんの映画レビュー(感想・評価)
良い意味で期待を裏切った出来作
本作、面白かったです!
「ジョン・ウィック」ワールドの、スタイリッシュで痛快なアクションとストーリー構成が期待以上に良い出来でした!
時期的に不利であったためか(夏休みなどの夏季休暇期間中のため、各映画館は多分ファミリー層や流行をターゲットとした作品の上映を優先したと思える。)、または前作から離れた「スピン・オフ」のような作品のためか、私の知る大きな映画館では上映しておらず、鑑賞前から余り期待感を持たず鑑賞に臨みましたが……面白い!
話の流れとしてはわかりやすい導入。
前作のジョン・ウィックの導入が、スタイリッシュで激しいアクションであったため、正直本作の導入のアクションに、少々物足りなさを感じてしまいました。
ですがその後、イヴの初任務。
ジョン・ウィック・ワールド全開!
「青」を主としたファッショナブルかつノリノリのミュージック、そして狂った舞台。
最強ではない、何回も反撃受けながらのお約束の「ジョン・ウィック撃ち」炸裂!※このシーンで笑みが漏れました。
初任務舞台の去り際、車突っ込まれてからの反撃!
ジョン・ウィック・ワールドらしい、無茶苦茶なアクション(笑)
しかも物語の構成も、しっかりと構築している姿勢が見えたと個人的に感じました。
ジョン・ウィックの、ちょい出現シーンとルスカ・ロマの存在には、時系列的な「本筋」との交わりがスマートに描かれており、また逆に、「本筋」上では不明確(謎)であった、ルスカ・ロマの組織の全貌がしっかりと観れて良かった。
バレリーナは、ただ育成されてた訳では無かった事が明確に感じることも出来た事が、本作における導入の成功と思えます。※同時にジョン・ウィックがこの後も出現することへのワクワク感も改めて持てた。
その後も時系列的にちゃんと意味のある、コンチネンタルの名脇役シャロンが出演していたことも、素直に喜べました。
実は鑑賞前、キャスティングにシャロン役だったランス・レディックさんが居たことに、「もしかして、パラレルワールド的な、いま流行りのマルチバース的なお話?」……と、不安が有りましたので。
その後の流れも分かりやすい展開で良かったのですが、唯一物足りなかったのは、ノーマン・リーダス父さんと、カタリーナ・サンディノ・モレノ姉さんの、「引き際」があっけなかった事。
リーダス父さんは、戦闘のシーンで明確な「死」が描かれていなかったから、まぁ生きているだろうとは予想していましたが、「教団」と「娘」との繋がりがあまり深く描かれていない印象だったので、ラストに感動が無かった。
また、モレノ姉さんは、亡くなるのが早すぎた。
イヴが主宰の娘であることや、モレノ姉さんと姉妹であることの「映像」が少なく、これまた数分で亡くなられたので、いまいち「運命」や「血族」に感情移入できなかった。
ですが、アクションは間違いなく最高!
後半に入っても、無茶苦茶(いい意味です)なジョン・ウィック・ワールドアクション。
そして、ジョン・ウィックとは敵対するのは分かっていましたが、あの展開は上手い!と思いました。
ジョン・ウィックが圧倒的に強く、イヴは歯が立たない。
でも、流石ジョン・ウィック、「復讐」に理解があり、時間制限を設けながらも、密かに援護する期待通りのナイス・ガイ。
さらに、少しですがジョン・ウィックと敵のアクションを映像化してくれたことにも、歓喜。
それに、ジョン・ウィックがイヴと表立って共闘しなかったのは良かった。
あれで共闘なんかしたら、「ご都合」的な流れになってしまうから。
そしてイヴと「教団」の、火炎放射器vs火炎放射器。
からの、火炎放射器vs放水器!
最高にクールな展開に興奮。
ラストのラスト、イヴと主宰の対峙。
よくある権力者の「うんちく」が始まり、私の気持ちが「めんどくさいな」と思った矢先、イヴも一撃!
最高なタイミングでイヴが撃ってくれたと、個人的に一番感情移入ができた一コマでした。
さらにさらにジョン・ウィックのルスカ・ロマ・ディレクターへの報告。
ジョン・ウィックの正直な報告と、ルスカ・ロマ・ディレクターの、すんなり聞き入れた一幕に、ジョン・ウィック最強最悪の「存在感」がクールに感じました。
以上、本作期待以上の面白さでした。
……でも、個人的には「ジョン・ウィック」がまた主人公での続編が良い(笑)。
イヴも良いのですが、まだジョン・ウィック(キアヌ・リーヴスさん)の引退は早い気が。
次回作を創るなら、今度は二人の「共闘」で良いかなと(でも、そうすると時系列的に複雑になるかな)。
ともあれ面白かったです!
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