チキン・リトル : インタビュー
数々の名作アニメを生み出してきたディズニーが送る最新作「チキン・リトル」が、まもなく公開される。チキン・リトルが巷で人気の曲「恋のマイアヒ」にあわせて踊る“ダンシング・チキン”も話題になっている本作だが、公開を前に来日したプロデューサーに、製作秘話を聞いた。(聞き手:編集部)
ランディ・フルマー プロデューサー インタビュー
「今の子供たちはとても賢いんだ」
――ピクサー作品以外では、ディズニーとして初のフルCG作品ですが、ピクサーとの差別化などは考えましたか?
「私たちはピクサーがこうしてるから自分たちはこうしようということは考えず、自分たちの考えでやったよ。今回は特に羽根などの質感にこだわったかな。ディズニーとしては以前『ダイナソー』で恐竜の皮膚の質感なども手掛けたし、『マイティ・ジョー』でゴリラの毛を表現した経験もあるからね」
――今回は70~80年代のソウルミュージックが多用されていたり、「宇宙戦争」や「インディ・ジョーンズ」といった映画のパロディも見受けられました。これは子供だけでなく、大人も楽しめるために?
「我々が目指したものは、誰にでも楽しんでもらえる作品なんだ。70年代の音楽はメロディも歌詞も素晴らしいものがたくさんあるからということもあるけど、実は70年代の音楽が好きという8歳の子供もいるんだよ。「生まれてもいないのに、なぜ好きなのかと驚くばかりだけど、今の子供たちは賢いから、デジタルラジオで70~90年代の音楽を耳にしてよく知っているんだ。そういう背景があったから、音楽に関しては大人から子供まで、幅広く反応をもらったよ。それに古い曲でも、スパイスガールズ、ジョス・ストーンといった最近のアーティストにカバーしてもらったものもあるしね」
――それではパロディについては?
「ディズニーの人間はとても映画好きだし、映画から娯楽や楽しみを教わっている。だから自然とああしたパロディも生まれてくるんだ。ただ、それが実際に観客に理解してもらえるかどうか、8~10歳くらいの子供たちにプレビューとして試写を観てもらったら、やっぱり今の子供たちはとても賢いから、すぐに理解して受けてくれるんだ。自分が8歳の頃は、絶対にこんなことはわからなかっただろうと思うんだけどね(笑)」
――ところで、チキン・リトルがオゾンの「恋のマイヤヒ」にあわせて踊るプロモーション映像が話題ですが、どのような経緯でこの両者が結びついたのでしょう?
「実は編集をやってるスタッフの13歳の息子が、ある日『パパ、この曲聴いて。今この曲がどこでもかかってる、すごい人気なんだ』といって勧めてくれたのが、オゾンの曲だったんだ。ちょうどその当時、チキン・リトルをダンスさせてみたり、いろいろ遊びの要素を考えていたところで、オゾンの曲がとてもアップビートで楽しい曲だったから、若い感性から入ってきたものも取り入れてみようと思ってやったところ、これが大成功だったんだ」