劇場公開日 2025年6月27日

「ハリウッド王道エンタメ映画」映画「F1(R) エフワン」 たまさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ハリウッド王道エンタメ映画

2025年7月8日
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鑑賞方法:映画館

イキのよい元気溢れる映画。
ストレートど真ん中のエンタメに振り切った、気持ちがよい映画だ。

カリスマドライバーと呼ばれたものの、傷を背負う、今は車中生活を続けるソニー・ヘイズ。盟友であったルーベンはF1最弱チームを率いる。彼からもう1度F1で走って欲しいと請われ、ヘイズ率いるチームにドライバーとして参加。若手ドライバーでまだ未熟なJPことジョシュア・ピアスと、弱小チームのピットクルー達と共に勝利を目指す、というストーリー。

弱い者達が、流れ者のガンマンと共にだんだん強くなり強者を倒す、という西部劇的、またはスポーツ物にもよく見られる真っ直ぐ定型的な骨格の映画。見終わったあとの清々しさが、現実を忘れさせてくれる。近年、珍しいほどのハリウッド作品。

世界最高峰のカーレース、F1。現実には様々なルール、政治的なドライバー選定や、資金力のあるチームとないチームの差…などスタート地点から公正平等というわけではない。
また、アメリカではまだまだF1の認知度は低いだろう。インディ、ル・マン、NASCARレースなどがメジャーだろうか。
日本でも、80年代、90年代などのような人気ではない。
かつてはTV地上波で中継があったほど。
だからこそのF1映画でもあるだろうか。

F1を知らない観客にも楽しめる。細かすぎるルールなどはどうでもよいだろう。
ヘイズのチームへの投入によるJP、スタッフとの化学変化。チーム一体となって勝利を目指す、というメンタルの変化の描写もうまい。
サーキットをF1マシンで、ただ走る、懸命に走る。ピットでのタイヤ交換などのシーンも丁寧に描かれている。カーレースはドライバーが走るが、そのチームが一体とならなければ勝つことはできない。ピットストップやマシンデザイン、天候によるタイヤの選択、車体、エンジンの相性など全てが噛み合ったチームが頂点に立つ。

なんといっても現実時速300キロ超で、順位を争うレースシーンの迫真性が素晴らしい。ドライバー目線からのシーン、サーキットレースを俯瞰して見せる画…何台ものカメラを使い、パン、チルトを組み合わせ視覚的、体感的にも面白い。エンジンの振動、クラッシュの迫力が体を震わす。
まさに自らがサーキットにいる感覚。レースシーンの迫力は圧倒的。

製作プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー。エンタメ映画といえば彼だろう。中には首を傾げるものもあったが…。長らく、ハリウッドを支え続けているといって過言ではないだろう。
いまや貴重な存在ではないだろうか。監督はジョセフ・コシンスキー。トップガン・マーヴェリック製作陣という触れ込みだった。

キャスト、破天荒なカリスマドライバーにブラッド・ピット。還暦を過ぎても渋い。顔のしわが増えてもそれが絵になる。深みになっている。若い頃はただただ美しい俳優だったし、それも絵になる。アカデミー助演賞をとり、演技にも奥深さが増した。
ピットと丁々発止のやりとりをする若手ドライバーにはダムソン・イドリス。イキの良さ若さ溢れる演技。
ハビエル・バルデム。スペイン人俳優、「ノーカントリー」の冷酷な役とは真逆の演技。

人物描写が特に深いわけではない。巷間いわれているようにF1宣伝映画でもあるだろう。

チームと自分の勝利を叶え、ドライバー残留を懇願される
ソニー。しかし、彼はまた走る場所を求めて流れていく。
走るために生きる。報酬のためでもなく、ただ走るために。
粋な楽しい映画だ。

たま
たまさんのコメント
2025年7月8日

いつもありがとうございます。
talismanさん。

ソニー役、ブラピハマってましたね〜。
おっしゃるよう、経験、出会いがソニーの人格を形作ってましたね。
ハリウッドらしい映画を観たなぁって思います。

たま
talismanさんのコメント
2025年7月8日

ソニーをあんなに素敵にしたのは、ソニーの今までの経験と人との出会い全てですね!

talisman
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