渇愛のレビュー・感想・評価
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映画初心者です
この映画は摂食障害に陥った主人公、早紀の身に起こるさまざまな凄まじい体験の描写に大きく時間を割いている。その中で摂食障害とその問題点、また親子、夫婦の関係や家族の在り方というものを、いろいろ考えさせられました。でも映画をエンタメという観点から見れば、最大の見所は、早紀の身に次々と起こる「凄まじい体験」の描写の部分だろう。早紀の変貌やあられもない姿、表立っては見せられないタブーとされる部分の描写もあからさまにしていているし、露骨な卑猥ワードまで飛び出す始末。私は度々絶句してしまった。そして壮絶かつ衝撃的なクライマックスシーンは強烈の一言でした。このような描写をする岩松監督の意図が2回の観賞を終えてみて、少しわかったつもりだが、敢えてここでは書かない。観る人によって解釈は違うし、自分がそれで納得すればいいと思うので。とにかく最後は物語終盤での早紀の「気付き」から立ち直るきっかけを見いだし、自らの手で日常を取り戻す形となり、ホッとしました。それにしても超久しぶりに観た映画がこんな凄い作品で笑
凄まじい映画でした。
自分の場合は、最初の予告編(現在の予告編よりも後半の内容に触れていないもの)をみてからの観賞でした。
予告編と実話がベースという情報から、摂食障害の主人公が家族や仲間の手を借りて克服していくハートウォーミングな話なのかな?と思っていました。
いざ映画を見始め、予告編に出てた部分が出尽くし、これからどうなるか、という時に映し出された山奥の施設と剃髪する主人公。あれ、なんか思ってたんと少し違うぞ、と思っているうちに次々と映し出される施設の怪しい生活とそこからの脱出劇そして衝撃のラスト(エログロあり)。ハートウォーミングどころか肝っ玉が冷えてしまい、その日の夕食が食べれないくらいの凄まじい映画でした。
家族の心のすれ違いやそれで生じる歪みが非常によくかけておりました。そのおかげでラストのあれも、この家族には必要な禊なのかな、と受け取れました。
施設の内容が凄まじく、すごい描写だなと思っていたのですが、監督の話からすると、かなり体験談に即したものらしく、事実は小説より奇なりという言葉を痛感せざるをえませんでした。
主演の石川野乃花さんは、アイドル時代にこの映画を撮影されており、この映画に対する心意気は称賛の一言です。また別の作品に出ているところも見てみたいです。
摂食障害にかかわらず、何かつらい体験をされた方には是非みて欲しい作品です。
肚を括った演技の説得力
先ず、剃髪した石川野乃花の頭蓋骨が美しい。
撮影が終わっても一定期間は髪が短いまま暮らさなければならず、そうしてまでも演じて見たい役だったのだと思う。
題材とジャンルは嫌いな映画だが、ストーリーとしてはそう悪くない。
設定とストーリーには、見終えてから引いて見ると「?」を感じないでも無いが、役者陣の熱演・怪演で見ている間は然程気にならない。
主演の石川野乃花の芝居の確かさが芯としてあり、脇を固める芸達者の怪演が多少の矛盾や無理は煙に巻いてしまう。
芥川龍之介の文学に対する理解が表層的であるようには感じたが、象徴的なアフォリズムに悲劇の背景を担わせるための物であったのだと思う。
心が空のお城に住んでいる役を演じる加藤睦望の、鳥の囀りのようなリフレイン。 科白に歌がある。
「親としてできる限りの事はしてあげたい」、観る者とししてそう思わせしめる加藤睦望の演技が、この映画のシナリオの無理の有る部分を無理と感じさせない肝になっている。
「芝居」と言う物の素晴らしさは味わえる映画。
カメラの位置や構図、照明などについては、臨場感を出すための手持ち撮影に若干の拙さを感じた以外は違和感なく。
但し、扱う題材の性格上大量に出るゴミの扱いには、芸術の為には多少の(多大な)迷惑は省みない同人映画人の傲慢さが垣間見られて、ストーリーや出来上がった映像とは別に脳裏に浮かぶ「おそらくこうであったであろう撮影現場」が私を醒めさせた。
体当たりの演技は求めつつ、役者の尊厳は守る演出で描き出した後、唐突に尊厳を無視した撮り方に変わる
宮刑に処す場面は仄めかすだけで十二分に伝わるのに、敢えてやって見せる
etc...
権力の勾配と遣り甲斐搾取が透けて見えるが、それが意識的なものなのか無意識的なものなのかは分からない。
石川野乃花は救いようの無い役者バカなので、作劇上必要だと割り切ったら何でもやると思うが、それは「何でもやらせて良い」事を意味しない。
12年の年月
公開までに12年の年月をかけた自主制作映画だということに惹かれ鑑賞しました。
本来、作品そのものについて純粋に評価しなけらばならないと思いますが、この映画の場合作品そのものからも、なにか目に見えない作り手たちの思いがにじみ出てくるような感じを受け圧倒されました。
ある意味、やはり様々なエピソードが語られこの作品にも縁のある「侍タイムスリッパー」以上の衝撃です。
鑑賞後、強烈な印象を残した「先生」役の火田詮子さんが、2019年に亡くなられていたことを知りました。
また、「さゆり」役の俳優さんの名前がリリースに公表されていない(エンドクレジットには表記されていたと思います)事の疑問が、心に引っかかっています。
こうした事からも時間が経つにつれ、もう一度観てみたいという思いが強くなっています。
渇愛
摂食症の主人公早紀が摂食症を克服するドラマかと思わせて、実は治療の為に入所した施設がカルトまがいのとんでもない施設で、そこで早紀がホラー映画顔負けのおぞましたい体験をする映画なのでした! 更に特筆すべきはその施設での出来事は、ほぼ事実に基づいている事です。
主人公・早紀を演じた石川野乃花さんは当時20歳そこそこの現役アイドルで、そのアイドルがここまで鬼気迫る体当たりの演技に終始圧倒されました。
まだ上半期ですが、本年これともう1本有りますが、共に超える映画には出会えないと確信しており、本年のマイベスト映画にしました。
血の味と臭い
痩せたいという思いから、摂食障害に陥ったJDが、治療施設で再生を図る話…?
大学で知り合った美人さんに憧れて、高校からのイケてない友人と不仲になって行く…のかと思ったら、えっスポーツジム!?からの早っ!っていうか速っ!w
そして摂食障害が加速してはいくけれど、えっ?なんか怪しいし何の話???
至ってマジメに摂食障害の女性の機微や変化をみせる作品かと思いきや、なんとまさかのサスペンススリラーですか!?
想像していたものとは違ったし、もうちょいフリを活かして上手く使える人いたよね?なんて思ったりしたし、ちょっと長かったけれど、閉塞感とか陰鬱さとか不気味さとか、なかなか良かった。
あっ、それからラストのその後の字幕補完も長過ぎ。なんか堅いですねー。
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