劇場公開日 2025年7月4日

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「愛されなくても“別に”」愛されなくても別に かじゅさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 愛されなくても“別に”

2025年7月5日
iPhoneアプリから投稿

愛についての作品でありながら、別に。で締めてるのがリアルでいいなと思った。
共依存からの独立と受け取りました。

宮田、江永、木村。
3人それぞれの経験をコンプリートしてしまっている自分は映画作品に対しての純粋な感想としてこれを投稿できない。
それは申し訳なくも思う。

そして、この3人の苦悩が理解しづらい人たちの評価はある意味正しいのだと思う。
わからない人たちにそれを十分に伝えることが出来ていないということだから。

宮田の芳香剤のくだりはリアルに表現したらリスカ、アムカになっただろうなとか、映像作品にするために表現を変えているであろう部分も見受けられた。
(本当に芳香剤で安心する人もいるだろうけど)

木村の苦しさは分かりづらい人が多いかもしれない。
外の世界での飛び方を教われずに、それどころか挑戦を何度も邪魔されては鳥籠の中に戻され、大切に(笑)育てられたペットのようなもん、なんだと思う。
遊んでる最中に親が出張ってくる子に友達なんかできるわけないし、友達もできなくて親に囲われてたら社会性なんてなんも育たないんだよな。この手の親はそもそも親本人に友達がいないからずれているし。
社会動物として致命的な欠陥だからこそ、コスモ様に縋ってしまったのだろう。
過干渉の猛毒はこういうところにある。いわゆる無敵の人の親に多い。

題材的にはこの作品が評価されてしまうことが悲しくもある。一定の共感を生んでしまっている社会であるということだと思うから。
しかしながら各俳優の演技もよかったと思うし、題材だけで評価されているとも思わない。
最初は堀口って必要か?モブでよくないか?と思っていたけど、舞台装置として機能していたようにも思う。

自分はこの作品が好きです。
見てよかった。

かじゅ