「ふつうの子どものリアルが表現された傑作」ふつうの子ども minavoさんの映画レビュー(感想・評価)
ふつうの子どものリアルが表現された傑作
知らない子役の小学生の映画なのにエンタメとしてクオリティ高すぎました。実際、観客から笑いが起こるなど反応もよかった。
基本、ちょっとアホだけど一所懸命な小学生がコミカルに可愛く撮れてるので安心して観られる良作。
ウチの息子くんが小五の時に参加した、地元の子どもによる創作演劇を観に行ったことがある。10人くらいにグループ分けされた4グループによる公演。親なら経験あると思うけど、子どもの発表会って、我が子をみるのに精一杯で、よその子にはあまり関心がいかないものだ。
ところが子どもによる創作演劇は、子どもの妄想が爆発したような台本をベースにお話が進み、セリフがいちいち子どもらしいリアリティがあり、息子くんが絡んでないグループの演目もとても面白く観劇できた。ボク以外の親たちも同様な様子だった。
ちなみにウチの息子くんは、相方の子どもが海釣りがうまくいかず、怒って海に釣竿を投げすてるところ、肩を叩き「SDGsだぞ」と妙に落ち着いた口調で諌める芝居で親たちの爆笑をさらっていた。子どもにとって「SDGs」は、いじりたくなるネタらしい。
本作の主役は小学生。手持ちカメラで話が進み、演技みてるのかドキュメンタリー観てるのかわからなくなる。
子どものリアルが表現されており、前述の創作演劇の面白みに近いものを感じた。それほど、本作内の子どもたちのやりとりに本物感があった。
ただし、リアリティ優先のため、子役たちが何喋ってるか聞き取り辛いところ多数。いいんです、どうせ小学生の戯言よ、と広い心で観るのが正しい見方か。
主役の子役が、困り顔の人生何周目?みたいなおじさんみたいなキャラでこんな子、どこから連れてきたのかと思わされる。もちろんいい意味で。
暴れん坊の男の子も、実はああいう子は他の子より精神的な成長が早いため、周りが幼稚に見えて攻撃的になる、というのは小学生あるあるでリアリティがあった。
細かい設定がしっかりしているため、子どもがいる親なら自分の子どもが小学生だった頃を思い出してめちゃくちゃ楽しめると思う。
まだ子どもがいらっしゃらない方も、瀧内公美さんが大爆笑とってましたのでお楽しみに。急に「入国審査」ばりの尋問サイコサスペンスにする怪演かましてくれます。
👉実をいうと3人の親の対応で、一番共感できた。子どもの自立を尊重する子育てなんで。あの女の子はしっかり育つ。
ラストは聞こえ辛い小学生のセリフを逆手にとった演出でそうくるか!と心の中で拍手👏
minavoさま
コメントありがとうございます🙂
(※コメント欄を占拠してごめんなさい)
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は、『侍タイムスリッパー』と同じように、配信が始まって円盤が発売されても、ロングラン上映が続いていました。
東京周辺では今年のGWに、ミニシアター+カフェ+シェアハウスの複合施設で、オープニング上映と呉美保監督のアフタートークがありました。
公開してから「バリアフリー字幕」のスクリーンが少しずつ増えていったので、是非劇場の字幕で「ふたつの世界」を体験してください🫡
ひなさん
コメントありがとうございます😊
「ぼくが生きてる、」は劇場で見逃しており、どこかでかかれば観てみたいと思っておりました!配信で観れるのは知ってますが、がまんしております😆
minavoさま
『国宝』に共感とコメント、ありがとうございます😙
『ふつうの子ども』主演の嶋田鉄太くん。呉美保監督の『ぼくが生きてる、ふたつの世界』にも出演していました。主人公・吉沢亮さんの小学校時代の友達役です。
「お前の母ちゃん話し方ヘンだよな」という、“ふつうの子ども”らしい正直で残酷な言葉が、主人公の母への反抗期のきっかけになりました。
ちなみに鉄太くんは、『ぼくが生きてる〜』の吉沢亮さんの子ども時代のオーディションを受けた結果、友達役になってしまったそうです。
『ふつうの子ども』の舞台挨拶で、「吉沢亮さんの『国宝』みたいに興行収入100億円が目標です!」と宣言して、呉美保監督を赤面させていました🤭
※『ふつうの子ども』はレビューアップしてませんが、『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が2024年ベスト3、というポンコツレビューを上げてあります。

