「戦争と、父と息子のストーリー」ヒックとドラゴン zuzuさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争と、父と息子のストーリー
オリジナルもみず、予習なしで参戦しました。素晴らしい、後世に残る名作ファンタジーでした☺️
ドラゴンと、互いの存亡をかけた戦いをする、バイキング一族の物語です。裏には父と息子の物語が流れています。
ドラゴンを素手で打ち負かす、マッチョで酋長の父に対し、息子は線の細い意気地なし。何をしても裏目に出て、戦の足を引っ張り、父の期待を裏切りる村のお荷物。
そんなヒックですが、あるドラゴンを仕留めようとした時、どうしても殺せず、逃してしまった。そこから彼らの友情が始まります。
自分の妻をドラゴンに殺されたヒックの父は、ドラゴンを憎み、絶滅させようとする。それが村の存続に必須だとして。
それに対し、ドラゴンの目が「怯えていた。まるで自分を見ているみたいで殺せなかった」というヒック。
今の世界で起きている戦争が彷彿とされます。もし、ヒックのように考えられたら、戦争になんておきないのに、、
父は、ヒックの「裏切り」を知り激昂、ドラゴンの巣を攻撃しますが、巨大なラスボス的ドラゴンにやり込められます。
そこに、ヒック率いる若手軍団が、ドラゴンの背に跨り、ラスボスの弱みを巧みについて反撃します。
ドラゴンとタッグを組む息子たちを目の当たりにして、父は呆然自失。信念崩壊の瞬間です。
ドラゴンを敵とみなして力でねじ伏せる自身とは別のアプローチで、弱虫な息子達がラスボスをねじ伏せようとしている。
敵だと思っていたドラゴンが息子を助け、そんな彼らに自分は助けられている。
父は自分の過ちを認めるしかない。
父は息子に言います「私はお前を守りたかっただけなんだ。どんな時も、私はお前を誇りに思う」と。
自分の個性を父に否定され苦悩していたヒックと、父との和解です😭父もヒックを愛していたからこその厳しい態度だったんですね。
男らしさって何?
マッチョの意義って何?
闘いを助長するだけなんじゃないの?
自分らしさと相手への尊重、それがこの物語のもう一つのテーマです。
お互いの弱さと立場を認め、尊重と理解をする。それ無くして平和はない。
弱虫でお荷物だと思っていた息子が、村に一番必要なものをもっていた。
ドラゴンとヒックが空を飛ぶスペクタクルは、心の解放を象徴するようで爽快です。
素晴らしい名作ファンタジーです。大人も子供も楽しんで、そして何かじんわりメッセージを受け取れると思います。
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