無名の人生のレビュー・感想・評価
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新しい感性の世紀末感
ぐいぐいと魅せられてしまう
長編アニメを1人で全部やる新しい感覚、新しい時代の監督だな!と思いました。よくあるアート系すぎて退屈みたいなことは全くなく、むしろキャッチーだしポップだし、音楽のセンスも凄くて全く飽きずに走り抜ける感じでした。
パンフに、どのシーンがどの映画のオマージュかまで書いてあるところからしても、誰にでもわかる言語レベルに落として伝えよう(というか記録しよう?)という気持ちが強い感じがしました。おお、バレても構わないのか、、と思ったのですが、古い考えすぎますかね?
内面の厚み、、とは逆な感じがします。
少しクールすぎるというか、北野武的な訳の分からない主人公の映画ですが、もっと主人公が薄いので、人間を遠くから定点観測、人間の観察日記、みたいな感じです。
後半わかりづらかったのが勿体ない
iPadを使って1人で作り上げたと聞いて驚く。それはどんな作業だったのだろう。ワクワクしながらなのか、魂を削るような作業だったのか、もしくは目的に向かって淡々と進めたのか。いずれにせよとても孤独だったことは間違いない。
滑らかに動くアニメではないので、ある程度動きが制限されていることは序盤から感じ取ることができた。なるほどと。だから、踊りのシーンはなかなかにひどい。仕方ないことだけど。
でも、せいちゃんから死神と呼ばれる男の人生はなかなかに興味深い。あまり喋らなくても人を惹きつける奴はいて、それがカリスマってことなんだろうなと思いながら観ていた。いじめられていたのも見た目がいいのに、周りに寄り添うことができないが故の嫉妬みたいな感情が含まれている気がした。中学を卒業してアイドル事務所に所属する流れも普通ではない。でも、どの場面を見ても主人公の彼からは孤独しか感じない。監督が伝えようとしたことが「人生は孤独だ」ってメッセージなんじゃないかと思うくらい。
なかなか興味深く鑑賞していたが、年代が未来に進むに従ってついていけなくなった。戦争?宗教?この映画でそんなものが絡むとは思わなかった。最後は、なかなかに難解な終わり方。これは観る人を選ぶな。あのあたりの描写がもう少しわかりやすければ評価はかなり変わるのに。ここらへんは1人で作っているマイナスポイントだったかもしれない(作っていない側が言える発言ではないが)。でも、印象に残る映画であったことは確か。いつかプロデューサーとか脚本の人が入って、いろいろやりとりする中で作り上げた映画を観てみたい。
なんにせよ作ったものが強い
映画サービスデー2本目は有楽町のヒューマントラストシネマから丸ノ内線で30分の新宿武蔵野館。ガンダしてなんとか会場5分遅れで開始には間に合うなど。真っ暗の中席に着くまで前通ってすいませんでした。バッグは始まるまで膝の上が良いと思うよ。
作品はいろいろ言われてますけど作ってないやつが何言っても雑音なんでモブに権利などないです(俺もです)。
なにせ音に対するこだわりがめちゃくちゃあるので絵が稚拙だろうがなんだろうがスッと見れちゃう感じでしたね。音本当に大事です。
内容的には人類史上最悪と言われているジャニーズ系性被害のトレンドを織り込んだ感じで進んで行くですけど、何しろ主人公の出自の部分が情報多過ぎて分かりにくくて物語に入り込む間もなくあっという間にパイプ椅子投げてましたね。ストーリーテリングで導入とキャラクターのバックボーンの説明は本当に大事と痛感した次第。監督さんめちゃくちゃ好きだったんだろうなSMAPと嵐。だべ?
それではハバナイスムービー!
分かりにくかった
ずいぶんとモテモテな『無名の人生』なことで
『無名の人生』というタイトルから、人知れずひっそりとした人生を描く作品だと想像したが、全く違った。
誰からも本名で呼ばれないことがタイトルに繋がっているのだろうが、それがそこまで悲観すべきことなのかと個人的には疑問に感じる。
映像表現は非常に独特。
アニメーションは動きが少なく、『ファミコン探偵倶楽部』のようなアドベンチャーゲームの画面が延々と続くような印象を受けた。
しかし、画面構成はかなり緻密に計算されており、監督のアートセンスが際立っていることは強く伝わってきた。
一方で、ストーリーはかなりシュール。
驚きの展開が連続し、衝撃は受けるものの、ただそれだけ。
あらすじには「高齢ドライバーや芸能界の闇、若年層の不詳の死、戦争といった社会問題を背景に」とあるが、これらのテーマは表面的な描写に留まり、深く掘り下げられることはない。
奇をてらうことだけを目的とした脚本のように感じられ、心に響くことはなかった。
エンドロールの作り込みは今年観た映画の中で群を抜いていた。
鑑賞後もあの曲が頭から離れなかった。
良い映画の時間を歩めたかなって
レビューに騙された
待ってました💜
これは…美術作品といったところか
様々な名前で呼ばれる男の人生物語であり社会風刺でもあるけど、観ていくうちに「あぁ、これは美術作品だな」と感じた。
それもダリなどのシュールレアリスムのような、作者の主義主張や内面にある衝動を抽象的に描くタイプの…と、その分野には明るくないのでこれ以上言うとボロが出るからこの辺にしておこう(笑)
内容については、正直観る人を選ぶと思う。
自分のように何にでも理由や必然性を考えてしまう人間には向かないかも…
そんな自分でも一つだけ、主人公のように虚無的かつ自傷的な人生のほうが神は現世での修行を続けさせるのかもしれないな、とだけ解読しました(考えすぎかなw)
ちなみに星を一つとしたのはあくまで自分が理解できなかったためです。
ふだんアニメもほとんど観ないので比較はできないけど、こういうタイプの作品はハマる人には深く刺さるかもしれません。
アニメの未来は…
家族という単語
映画通向けなのかな💦アートな世界観について行けず😔
静かながら圧倒的エネルギーを感じさせる傑作※追記有り
観る人を惹きつける演出がレベチ。目と耳が圧倒されるアート作品。普段あまりアニメ作品を観ないので比較できるものが少ないのですが、これほどまで惹きつけられたアニメはちょっと思いつきません。それ程の衝撃作。上映後はしばらく立ち上がれない程の衝撃。
「MAHOROBA」の時も思ったのですが、音楽の使い方が本当に上手い。映像とリンクさせ、独自の世界観を築き上げています。どこか現実離れしているような、ある種の浮遊感をも漂わせる不思議な感覚。怒涛のクライマックスはただただ圧倒され、目の前の映像に没入していました。
ほとんど一人で製作したというのはもちろん凄い事ですが、それを抜きにしてもこれは素晴らしい傑作だと思います。いろいろ考察するのも楽しいですが、作品に身を委ねて、あまり考えずに「感じる」べき作品なのかなと思いました。
※追記
どう考えても傑作。映像作品における一つの到達点と言って良いのではなかろうか。この作品を体感することで観客の「人生」にどんな影響を及ぼすのか。生きることの本質を見出すかもかもしれない、勇気をもらえるかもしれない、もしかしたら虚無感を覚えるかもしれない。時に残酷な程暴力的な作品だが、そんな様々な感情を生み出す懐の広さも感じられる。是非ともまた観たい作品だ。
唯一共感できたところ
キャラクターが適度にディフォルメされてますし、特に呼ばれ方がコロコロ代わる主人公はほぼ喋らず、基本何考えてるかも不明・・・ですから全体的に何となく感覚と雰囲気で押し切る様な作品と勘違いしてました。
しかし実際はそんな単純さは皆無で・・・主人公はじめそれぞれのキャラを取り巻く周辺の情報量自体はかなり多くその移り変わりも速いので、脚本上で後追いで説明されつつもストーリーや人物の背景情報を把握するのに戸惑うことも多かったです。
その戸惑いは主人公が経験する数奇な運命を追体験する様な感覚とも言えるのですがいかんせん、その彼は無反応または極度に暴力的になるの二択・・・私は共感というより傍観者になってしまったと思います。
ただ唯一共感できたのは、名前はその対象を良くも悪くも一方的に規定し、ひとつの呪縛としてその運命さえ変えてしまう・・・っていう所でしょうかね。
なお物語終盤は展開が早送りで、しかもとても深い内容で真意が掴めませんでした。悪しからず。
では。
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