「後半わかりづらかったのが勿体ない」無名の人生 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
後半わかりづらかったのが勿体ない
iPadを使って1人で作り上げたと聞いて驚く。それはどんな作業だったのだろう。ワクワクしながらなのか、魂を削るような作業だったのか、もしくは目的に向かって淡々と進めたのか。いずれにせよとても孤独だったことは間違いない。
滑らかに動くアニメではないので、ある程度動きが制限されていることは序盤から感じ取ることができた。なるほどと。だから、踊りのシーンはなかなかにひどい。仕方ないことだけど。
でも、せいちゃんから死神と呼ばれる男の人生はなかなかに興味深い。あまり喋らなくても人を惹きつける奴はいて、それがカリスマってことなんだろうなと思いながら観ていた。いじめられていたのも見た目がいいのに、周りに寄り添うことができないが故の嫉妬みたいな感情が含まれている気がした。中学を卒業してアイドル事務所に所属する流れも普通ではない。でも、どの場面を見ても主人公の彼からは孤独しか感じない。監督が伝えようとしたことが「人生は孤独だ」ってメッセージなんじゃないかと思うくらい。
なかなか興味深く鑑賞していたが、年代が未来に進むに従ってついていけなくなった。戦争?宗教?この映画でそんなものが絡むとは思わなかった。最後は、なかなかに難解な終わり方。これは観る人を選ぶな。あのあたりの描写がもう少しわかりやすければ評価はかなり変わるのに。ここらへんは1人で作っているマイナスポイントだったかもしれない(作っていない側が言える発言ではないが)。でも、印象に残る映画であったことは確か。いつかプロデューサーとか脚本の人が入って、いろいろやりとりする中で作り上げた映画を観てみたい。
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