「過去の偽りの代償、償いとは何だったのか」逆火 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
過去の偽りの代償、償いとは何だったのか
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映画のクランクイン直前に、原作実話小説に疑惑が浮上。
助監督は、その小説の内容が真実であるかどうか調査を始めるが…。
それが嘘だった場合、映画に携わる大勢の人々の生活を犠牲にしてでも、告発し製作を中止するべきか。
倫理的な問題と、スタッフたちの生活の保障が無いという日本の映画製作に関わる問題点も描く。
好きな俳優、北村有起哉の主演作。
仕事として若い女性の美談の真偽を追求しながらも、生活が荒れている自分の娘からは逃げている。
家族を犠牲にして、自分の夢を追っている姿が実に痛々しい。
監督役の岩崎う大の静かで冷静な佇まいが実にリアル。
絶望的なラストは、同じ監督作の「ミッドナイトスワン」を思わせるが、「ミッド…」で若者に託された未来を切り開く力が、本作では親のエゴに力無く潰されてしまう違う方向の未来に着地してしまうのは、今の世の中に対する監督のどの程度の思いの込められた回答だろうか。
ただただ救いが無く重い。
描かれなかったARISAの思わせぶりな「償い」が知りたい。
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