「オダギリジョーの存在感が圧倒的!」夏の砂の上 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
オダギリジョーの存在感が圧倒的!
雨が降らない長崎の夏における雨、
雨を「うまかー」といって治(オダギリジョー)と優子(髙石あかり)が二人で飲むシーンが圧巻だ。
ここが最大の見せ場であるといって過言ではないだろう。
乾いた心の登場人物たち。
オタギリジョー演じる治は、その動作や佇まいで気だるさや無気力さを体現していて
演技の凄まじさを感じたし、髙石あかり演じる優子も然りである。
彼女の目の演技、表情の演技がカメレオンの如く変化していき、
この年代でこの環境にいるキャラクターの心情をよく表現していて、
もはやベイビーわるきゅーれでの彼女の演技を超えたと思った。
登場人物たちの造船所がなくなってからの生きづらさ&乾きは
説明的に語られずとも、きちんと脚本で紡ぎあげられていて、観ていればわかるようになっている。
タクシードライバー持田(光石研)は自殺?だろうと会話の中で感じた。
実にせつない。
優子が治の心の潤いになったといって良いのではないか。
優子が来るまでは停滞していた治の生活が転がり出したし、息子の死を乗り越えようとする姿がそこにある。
優子とやりたいだけの立山(高橋文哉)、
嵐のようにやってきて去る優子の母(満島ひかり)、
登場人物たち、それぞれが存在感があった。
映像の質感が好き、色あいも好きだ。
淡々とした作品だが、最初から最後まで集中力を切らさず鑑賞できた。
🈶パンフレットも購入。これからじっくり読みたいと思う。
共感ありがとうございます。
高石さんは朝ドラ主演が控えてるので、元気、のほほん、強気だけじゃ駄目ですよね。今作でもちょいちょい元気さが洩れてましたが。滑舌は凄く良い人ですね。
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