「無垢と闇とノスタルジー」ルノワール cueさんの映画レビュー(感想・評価)
無垢と闇とノスタルジー
カンヌもの、ということで期待半分で見たものの、なかなか評価が難しい作品だった。
時代設定が80年代後半の地方都市ということで、自分と同年代かやや上。キャンプファイアーでライディーンを踊っちゃうあたり異質さよりも懐かしさが上回ってしまった。終始それが発生してしまい痛々しさや恥ずかしさが漂う。
これがまったく違う国の違う時代の世相を表現しているものならば、より人々の無意識に滲み出る闇の部分や、子どもの無垢さが際立ったのではないかなと思われる。
つまり、ごく少数の人々を除けば、1980年後半の小学生から見た世界は異質で奇妙だったわけだ。
光の捉え方や映像美・空気感の表現は独特なものがあって良かったと思う。整音も良かったと思う。生活音とセリフのバランスが良く、メリハリがあった。
役者陣はさすがなもので、主人公の女の子の存在感はすばらしかった。
強いて言えばもう少し詩的な演出や構成があっても良かったのでは、とも思う。
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