「主演の無垢さと神秘さに惹き込まれる」ルノワール ひでぼーさんの映画レビュー(感想・評価)
主演の無垢さと神秘さに惹き込まれる
前作のPLAN75がとても好きだったので楽しみにしていた。
前作が終活の話で年配の主人公なのに対し、今作は小学生が主役と、正反対ではある。死を扱っており、テーマや全体的に漂う暗い雰囲気は似ている。
ただ、空気感としては今作はかなり異様であった。
ほぼすべてのシーンが逆光や暗いシーンで、かなり滅入りそうになるが、そのなかでも鈴木唯の純粋で、なかば何を考えているかわからない表情に救われた。ずっと見ていて飽きなかった。
それが今作の肝ではあり、わかりにくい部分ではある。
無垢で、自由奔放な行動の裏にどんな心情を隠し持っているのか、それを考えながらみる映画でもある。
周りの登場人物も一癖ある人物が並び、それがフキを通じて周りの人間関係をうごかしながら、フキ自身も変わっていく。
その過程を見るのも面白い。
一見するとよくわからない行動も、思い返してみると繋がっていると感じる。なかなか噛み応えのある作品である。
万人受けする映画ではないが、語りがいのある映画だった。
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