「HANDLE SLIP」キャンドルスティック uzさんの映画レビュー(感想・評価)
HANDLE SLIP
阿部寛が主演なのに話題にもならず評価も低いため、ある程度覚悟の上で鑑賞。
導入の雰囲気こそ悪くないのだが、そこからバラバラの人間関係をダラダラと見せられて退屈。
中盤でそれらが繋がってきてもワクワクしない。
圧倒的に人物の描き込みが足りておらず、誰一人として好きにもならないし感情移入もできなかった。
後半は作戦決行までの1週間をカウントダウン形式で進めるのだが、緊迫感はゼロ。
相手がAIなので敵との攻防があるわけもなく、着々と準備を進めるだけ。
イスラム圏のAI対策も、アバンが功の理論からヒントを得てなんとなく解決しました、という雑さ。
ロビンとファラーの振り込みを巡るやり取りとか、どーでもいいわ。
致命的なのは、全体的に何をやってるのかがまったく伝わってこないこと。
そりゃ素人に詳細まで理解させる必要はないけど、大まかな概要くらいは教えてくれないと楽しめないよ。
共感覚が決め手となったような描写だが、取引のタイミングとどう関連があったんだろう。
実は報復してました、なんてオチを見せられても、5年前のことも野原の心情もよく知らんし。
右手の怪我の経緯も適当だし、そもそもアレ必要かな。
FX関連の本も出版してセミナーまで開くキラーさんが、金もなく鬱まで患ってる背景も不明。
リンネ側の親子•親戚関係も表面的。
ロビンの母親とか何のために出したんだろ。
作戦の日と施設の支払期限が一致してたことに理由があったかは、興味を失ってたので拾えてない。
最後に杏子が寄付した先は夜行ハウス?なんか関わりあったっけ??
結局“フルーツ理論”ってなんなんだ。
掴みどころなく手元から滑っていく作品の中で、珍しく控えめな菜々緒だけは新鮮で素敵だった。
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