「面構え!」ナタ 魔童の大暴れ Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
面構え!
クリックして本文を読む
原作は読んでいません。
◉裏切りが物語を作る
無量仙翁の名前の通り、測り知れない度量と優しさの持ち主だとばかり思っていた仙人。物語の最後に何事もなかったかのように現れて、ナタと敖丙たちの未来を祝福してくれるはず。
しかし物語の後半は、古木の変身であるこの爺さんが話の芯となる。鹿の化身の美男も鶴の変化の美女も、見た目が凛々しかっただけに、裏切り感タップリ。弓技と羽を刃にした技が美しい。それだけキャラの吸引力が強くて正義っぽいキャラは正しく戦うと信じてしまった。
◉大人は喋らない
ナタの試練に現れた獣や溶岩の化身たちは、荒くれだが生身で本気で闘った。だが海の支配者である龍族は思惑、企み、妬みでナタや人を操るべく策動した。大人たちは本当のことは言わない。
秘薬が出来るのが待ちきれない無量仙翁のほくそ笑みも、物語を盛り上げてくれた。
◉阿修羅よ、吼えろ、そして歌え!
しかしナタは身を焼き焦がしつつ、母の死を乗り越えて、命と引き換えに世界を変えようとする。我を通すことから、昇華して天界人界に関わっていく。仙人でも魔王でも、どちらでもない「未来を見つめる餓鬼」に圧倒された時間が気持ちよかったです。
ナタが六臂の阿修羅に変わった時、これは良い結果に結びつく姿と分かっていたのに、もう落とし所さえない崖っぷちに来た気持ちがした。と言うか、私自身も血の気が上がり過ぎて怖かった。アニメとキャラの迫力が筋書きを引っ張る感さえあって、否応ナシの凄さだった。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。