「ツェッペリンのベストアルバムは?」レッド・ツェッペリン ビカミング 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)
ツェッペリンのベストアルバムは?
「ツェッペリンで一番好きなアルバムは?」と聞けば、
多くの人が即答をためらう。
「全部」とか、「一枚には絞れない」と口を揃えつつ、
次のように語り始める事が多いのではないだろうか。
「やっぱり『Ⅲ』かな、あのアコースティックの世界観」
「いや、『Ⅳ』でしょ。あの完成度は別格」
「『フィジカル・グラフィティ』の多様性がすごい」
「意外と『プレゼンス』がツボ」
「なんだかんだで、やっぱり1stのシンプルさ」
これほどまでにアルバムの評価が偏り無く均等に分かれるバンドは、
そう多くない。
聴く者の人生のフェーズや心境によって〈ベスト〉が移り変わる。
その中で、「Ⅱ」を挙げる人、
初めて聴いた時の衝撃を思い出すだろう。
レコード会社が勝手にシングルカットを、
できないように、
ジミーが仕込んださまざまな仕掛けも堪能できる。
テルミンの音が映画館の中を、
縦横無尽に飛んでいるようだった。
本作の製作チームの4人への敬意、
熱意も凄いが、
あらゆる技術も高い。
例えばフッテージのチョイス、
マスターが損失したジミーのゆがんだ映像を使う大胆さは、まさに〈へたうま〉
例えば編集、
4人のコメントのオーバーラップ技術。
特にボンゾの生々しい声を、
3人が聞くシークエンスは、
涙が止まらない。
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