「今聴いてもかっこいい」レッド・ツェッペリン ビカミング Yokoさんの映画レビュー(感想・評価)
今聴いてもかっこいい
こまっしゃくれた子どもだったので、
親友のお姉ちゃんが聴いていたブリティッシュロックに中学生からはまっておりました。
中でも大好きだったレッド・ツェッペリンは
それこそレコードが擦り切れるほど聴きまくっていたのです。
今のように動画が見れるわけじゃなく、テレビで放送されることもないので、
星加ルミ子さんの「ミュージック・ライフ」に載っている彼らのスナップ写真を見ては、演奏しているところを想像するしかなかったのでした。
(調べると1971年と1972年の2回来日して演奏しているようですが、当時、大阪の中学生だった私が東京まで外タレのコンサートに行くなんて不可能でしたね)
なので、演奏している彼らを見るのは、この映画が初めてなのです。ジミー・ペイジのあの超絶技巧早弾きパッセージをこんな大写しでみせてもらえる日が来るなんて!!!ロバート・プラントのセクシーな姿は、中学生には刺激が強すぎたでしょうね。ジョン・ポール・ジョーンズとジョン・ボーナムが叩き出すリズムのドライブ感に血が沸き立った記憶が蘇ってきました、
なにしろ、当時は想像するしかなかった彼らの姿が、50年を経て目の前に映し出されるのです。これに感動しないでいられますか。
映画としては、メンバーそれぞれの生い立ちから丁寧に紹介してくれます。と同時にその時々の世相を映像付きでモンタージュで差し込まれる手法が用いられています。イギリスとアメリカの近現代史を垣間見るような楽しみもありました。
ジミー・ペイジとジョンジーがスタジオミュージシャンとして「007ゴールドフィンガー」主題歌で演奏していたことも、嬉しいサプライズ。
音楽業界の中の人だったジミー・ペイジに、シングルヒットで切り売りされるようなバンドじゃないものを作るというコンセプトがあったために
アルバムを自分たちで先に作ってからレーベルに持ち込むというマーケティング手法を取った経緯が本人の口から明かされます。
破竹の勢いでスターダムを駆け上がる間も、終始クールに戦略を練っていたようなジミー・ペイジ。伝説のバンド誕生の様子を知ることができる貴重なルポルタージュ作品と言えます。
成長とともにブリティッシュロックと距離を置いていたため、その後レッド・ツェッペリンがどうなったのか知らなかったのですが、
ドラマのジョン・ボーナムが32歳の若さで亡くなってたんですね。ボンゾの死によってバンド解散となったのだと映画を見終わってから調べてわかりました。終盤で残る3人がそれぞれに回想するシーンが繋がれるのですが、本当に愛おしそうにボンゾの声を聴く3人の表情が、このバンドの空気を伝えてくれたような気がします。
素晴らしい映画でした。見たかったものを見せてくれてありがとう。
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