秋が来るときのレビュー・感想・評価
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こういう映画の作り方もあるんだねぇ・・・
猛暑の中、映画館へ涼みに行きました。
きれいな映像と音楽と速い展開で、意外におもしろかったです。
たぶん、
・ミシェルは、ヴァレリーを毒キノコで殺そうとしたが、失敗した。
・ヴァンサンは、ヴァレリーを説得に行っただけだが、事故で死んだ。
・ヴァンサンとルカは、ミシェルを殺そうとしたが、急病で死んだ。
と言う風に観客に思わせるつくりかな?
確かなことは、
・ミシェルとルカは、ヴァンサンが疑われないようにウソをついたことだけ。
80歳になっても逃れられない
フランス映画らしいフランス映画
全体としてはエピソード集。
そうして語るうちに、少しずつ登場する人たちの側面が描かれていく。ミシェルを中心とした人間たち模様。
全員がある意味素直じゃない。みんなこころに何かを隠している。そして、必要とあらば、嘘をつく。まさに、それが人間ってことである。人生はよく作られた『映画』のように、勧善懲悪でもなければ、始まりも終わりもない。
この映画を観て主人公やその他の人に「それってどうなの?」と突っ込むことは可能であるが、自分の人生も側からすれば突っ込まれるということである。
意外なのはヴァンサンが割といい奴となっていくことで、その辺は監督の計算かもしれない。そして、罪は「無垢な」人がむしろ犯す。誰も他人を責めれやしない。誰もが可能性として人を傷つけて、他人を「殺している」。それは刑事事件的な問題ではなく、精神的な因果関係とでも呼ぶべきものである。
たまにいいセリフと美しい風景。手作りのスープにキッシュ。裏も表もある人間模様。これぞフランス映画の喜びではないか。
余談。それにしてもフランスの自然は素晴らしい。
なにもかもスルーでいいのだろうか?
円熟の監督フランソワ・オゾン
良かれと思うことが裏目に出るときがある。
良かれと思うことを大切にしたい。
ああフランソワ・オゾン大人になったなぁ。
いゃあ奇をてらった作品ばかり撮るゲイだと面白がって見ていたが、しなやかに円熟している。
(いやらしく、大御所ぶらないところも好感。
変な大作を撮るよりウディ・アレンのように、
人の哀愁に寄り添える優しさ。)
フランソワ・オゾン監督は日本でもデビュー当時から
(その頃はよく、渋谷ユーロスペースまで観に行きましたよ電車に乗って)
オシャレ系と注目されてチヤホヤされていたけど、
本作のように冬の気配を描くとは、
時の速さを、改めて思う。
きっと、
きっと僕の母も、善かれ善かれと思い家族や親戚の為に日夜奮闘していたのではないだろうか。
そう泪したわけである。
(オゾン監督の新作なのでもっと早く観たかったが時間が合わずファーストランのキノシネマでは間に合わず。
やっとシネマ・ジャック&ベティで鑑賞できました。
横浜シネマ・ジャック&ベティ感謝です。)
どこまで掘り下げて観ればいいのだろう
ある意味、理想の老後生活では〜美少年好きは必見!
フランソワ・オゾン氏の作品は最近の作品で「私がやりました」と
数年前の「彼は秘密の女友達」の2作を鑑賞済みなので
一筋縄では行かない監督との認識はあったけど
いや〜〜〜!!なんちゅう作品なんだよ!!(絶賛してます)
サラっと観ることもできるけど、よく観れば本当に
なんと言うことでしょう〜〜的な中々に深い映画です。
美しいブルゴーニュの景色とちょっとしたサスペンス的な
ハラハラ感をぜひぜひ、劇場で堪能してくださいませ。
で、月に8回ほど映画館で映画を観る中途半端な映画好きとしては
主演女優さんが多分撮影時に80歳だったのかもしれないけど
80歳の老婦人が、今、10歳くらいの孫が生まれる少し前まで
とある、訳ありの職業婦人だったという設定はちょっとキツく無いか?
まあ〜そこを突っ込む映画じゃ無いけど〜〜
最初、大きなアクシデントが起こる。それは私は偶然と捉えたが
キノコのアップとそれを図鑑の写真と見比べると言う
意味ありげなワンシーンをここぞとばかりにブチ込んで来る
オゾン監督の意地の悪さと言うか、曲者感が冒頭から炸裂していると思う。
話が進むうちに娘さんがなぜあんなに実母を毛嫌いするのかがわかってくる。
そのくせ、毛嫌いしているその母のお金はちゃっかり当てにしているし
住んでいるアパートも母から譲り受けた物だと分かる。
正直、厄介な存在の娘。
でも孫は可愛いし、孫の方もおばあちゃんには結構懐いている。
この孫を演じるガーラン・エルロス君!!
二十一世紀の「ビョルン・アンドレセン」決定!!
美少年好きは絶対観て!
やがて親友の息子が刑務所から出所してくる。
なんの罪で服役していたのかは描かれないがその後の彼の行動から
単に性悪なのではなく、彼の大事な人を誰かに侮辱されたことに
激昂した結果に見える。
可愛い孫と、何かと力になってくれる頼もしい男手と
ある意味、理想の老後では〜〜。
言葉で語らない分、様々な情報を映し出す映像から
想像が次々に湧き上がって来る、観た後に観たもの同士で
語りがいのある良質な映画でした。
マグダラのマリア
こういう切り口の映画(フランス映画に多いイメージ)は、キリスト教絡みが多く、冒頭の場面でほぼあらすじを解説してくれている事に後で気付いた。
ルカの福音書のマグダラのマリアのくだりと考え合わせると、主人公のおばあさんは多くを愛し(感謝し)多く赦された気がする。
このおばあさんだけでなく他の登場人物(娘、友人、友人の息子、孫など)がこの観点(赦しと愛)で見たらどうなのか気になったけど、よくよく考えて見れば、他の登場人物の行動や発言を通して『あなた自身はどうですか?』と言う監督からの問いかけも若干あったのかもなと言う気持ちに今はなってる。
後、娘を評価はしてないんだけど、事件後の演出は、娘の姿をしたキリストという演出なのかもしれないとも改めて思った。
キリスト教徒じゃないから分からん事が多いけど、考えさせられた。
最後に、あの孫がミステリーだなって下世話な感情を書いてお茶を濁しておく
人は自身の過去しか背負えない
A299 みーんな訳ありなの。そうして老いていく。それが人間
2025年公開
フランソワオゾン新作
今回は親子間の断絶に得意のミステリーを絡める。
ワタシも田舎暮らしに憧れる一人だが
だいたいその憧れは土地の人にとって
ほんだら過酷な季節でも逃げ出すなよ、と迫っているようにいつも思う。
それとわたしなんぞ人間ってそんなに綺麗なもんでない、というのが
昨今の他人の批判に命を燃やす方々を見るに
この人たちはなぜわからんのか不思議で仕方がない。
あんたら今までそんなに清廉潔白な人生を歩んできたの?
人を批判できるほどきれいな心を持っているの?って思う。
そんな人生終盤にさしかかるまさしく秋の季節を迎えるオバンのお話。
オカンはオバンを過去の出来事から存在自体を責めたてる。
そこに絡むのが長年の友人と孫と友人のムショ帰りの息子。
みんな首を縦に振りながら心の中では横を向く。
キノコがキーになるが家族の繋がりも破滅も導く。
音楽もこの監督いつもいいんだけど今回も話にしみ込んでいました。
なかなか心打たれるお話でした。
劇中の殺人事件をどう料理するか、もし追及したらちょっと流れが違うな
と思っていたがさすがにオゾン監督。うまくあしらっています。
「スイミングプール」で見たリュディビーヌ・サニエ。
オカン役なんや。そらあれから20年経つもんな
70点
鑑賞 2025年6月18日 MOVIX京都
パンフ購入 ¥990
配給 ロングライドマーチ
見せない、語らない、わからない、理解出来ない
真相は秋の森の中
秋深い森に静かな感情が揺れるAftertone.
ブルゴーニュの森の近くに、ミシェルというおばあさんがひとりで住んでいました。
ある日、おばあさんが世界で一番可愛い孫のルカがやって来るというので、昼食をもてなそうと、ミシェルはお友達のマリーと森にキノコ狩りに出かけます。娘ヴァレリーとルカがやって来ますが、ヴァレリーはつっけんどん。彼女は母ミシェルが嫌いでした。ミシェルには、人に知られたくない暗い過去があったから… と物語は展開します。
ヴァレリーの突然の死に、ミシェルが余り悲しみを見せない事や、彼女の生活ぶりにそのお金はどこから来たのか、などと不自然に感じます。それでも、庭で採れた人参スープのトッピングとテーブルの上のバタールに、列車の中でミシェルが噛じるバゲットが、すごく香ばしそうで美味しそうだなと見入ります。
端正で知的な美しい青年に成長したルカと、側で不器用に優しく、ずっとミシェルを守ってきてくれた、マリーの息子ヴァンサンと足を踏み入れたブルゴーニュの秋色の森で、お迎えに来たヴァレリーに手を引かれミシェルは大往生。これで良し、これで良し、というお話でした。
しかし、フランスワーズ·オゾンは、そんなお伽話では終わらせません。人は、己を守る為に嘘をつき、良心の呵責に苛まれつつも罪を重ねて生きるのです。誰が例外でいられましょう? 私自身の今この時までを振り返っても…
教会で神父が語るマグダラのマリアの説話で始まるこのストーリーは、ミシェルならずとも、全ての女性に“罪と赦し”というthemeを深く考えさせます。
多くを語らず実態は見せず観客の感性に訴える、オゾン監督の手腕は素晴らしい。
穏やかな日常の崩壊
フランスの田舎暮らしと聞くだけでテンションが上がってしまうくらいにはフランスかぶれです。
キノコ狩をして、家でそれを料理していただいて食後はお散歩とか、豊かな生活〜と垂涎の眼差しで鑑賞していたら、その後は不穏な空気に。
フランソワ・オゾン監督は日常生活に不協和音が生じるのを描くのが上手いなあと思います。
17歳、スイミングプール、危険なプロットとか。
何かが起こりそうで起こらない、と焦らされるのが心地よい。
ミシェルの決断、私は支持しますが、娘にしてみればたまったもんじゃないですね。
母娘の関係って難しいなと思わされました。
ルカ役を演じた二人(子供時代と青年期)が美しくて、目の保養でした。
オゾン監督、いつも美少女や美青年を連れてきますよね。審美眼が素晴らしい。
満足感しかない
[一回目] 2025年6月2日 新宿ピカデリー
オゾンの作品って、いつも全てがパーフェクトに思う。
演出も装飾もロケ地も音楽も、作品を構成するパーツの何もかもが、パズルのようにピッタリハマっていて、「映画を観た」という満足感を与えてくれる。
今回は、特に配役が素晴らしかったー。
ミシェルは、本当に可愛らしさと少しの色気を残したまま、素敵に歳を重ねていて、その魅力が半端ない。
ヴァンサンの危うい感じも目が離せないし、
また、ミシェルとヴァンサンがダンスしている様子を見守るマリー・=クロードの何とも言えない表情がステキで、とても印象に残っています。
そして、そんな私が思ったことに、パンフレットのインタビューで、オゾン監督が全部わかり易く答えてくれていて⋯
あー、オゾンって、自分の頭の中を的確に映像にできる才能がすごいんだなーと、改めて思いました。
与えたい欲求って、ある意味自己満足でもあるけども、
相手が喜んでくれるなら、それで良いし、
そのときに、大切なものが大切で、それで良いんだよね。
それと、これ日本人でリメイク見てみたいなーと思いました。
日本にも、風景の美しいところたくさんありますしね。
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[二回目] 2025年6月24日 日TOHOシネマズシャンテ
良かれと思ってやったこと
良い側と
裏目側と
相容れない家族よりも
自分のために良かれと気にかけてくれる方を選ぶよね
まして家を出て親の過去を理解できないまま大人なった娘
親子というより女同士だね
息子とは少し違う関係性になってしまうかも⋯
本当
偶然が必然のように起こっていく
逆??
どっち???
ソワソワ
ワクワク
ドキドキ
シミジミ
いろんな感情を楽しめるから面白い!
スパーク娘とかいいかも
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