「非常に複雑に絡んだ人間関係と感情がもたらす余韻」秋が来るとき ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
非常に複雑に絡んだ人間関係と感情がもたらす余韻
フランソワ・オゾン監督、すごい。よくこんな作品がつくれるなと思う。
主人公ミシェルと親友マリー=クロード、娘ヴァレリーとその息子ルカ。
そしてマリー=クロードの息子ヴァンサンが主要な登場人物だ。
ミシェルと娘の仲は悪く、それはミシェルの過去の仕事(娼婦)を娘が軽蔑しているかららしいが、
冒頭、ミシェルのつくったきのこ料理を食べて食中毒になり、死にそうな思いをしたことから不仲が決定的になる。
そんなミシェルに親切にされたヴァレリーは、ミシェル母娘が不仲だと聞き、
ヴァレリーのいるパリへ行き、ヴァレリーを説得しようとするのだが、、、。
この直後にヴァレリーが亡くなってしまう。詳しいことは一切描かれないし真相もわからない。
ヴァンサンが殺したかもしれないし事故かもしれない。
この謎の残し方が実に巧妙だ。
次にマリー=クロードが亡くなる。末期ガンらしい。
マリー=クロードは、ミシェルがヴァンサンのBARの開業資金を援助したことにショックを受け
倒れてしまい、その後急速に体調が悪化して亡くなってしまうのだが、
ここにもミシェルとヴァンサンの影が・・・。。なんて、不純なことを想像してしまうくらい
家族が亡くなっていく。
ルカが成長して(たぶん大学生)戻ってきたときに、ミシェル・ヴァンサン・ルカの3人で食事を囲むのだが
その時にルカが嫌いで食べれなかったきのこを、大好きだと言って食べるシーンに違和感あり。
あれ!?と思った。最初のヴァレリーが食べたきのこをルカが食べなかったのは、ルカが嫌いだと知っていて
敢えて出したのかなとか、図鑑できのこを調べていたけど、敢えて毒きのこを入れたのかな?など
ミシェルを疑う自分がいた。
そう捉えられてもおかしくない描き方が、やはり実に巧妙だと思う。
全然事件性はないかもしれない。でも、そう言いきれないかもしれない。全ては謎のまま。
ミシェルの最期も、たびたび現れるヴァレリーの霊が引導を渡したのか。それとも偶然か。
これまた謎のままである。
人生を描いた作品であると同時にミステリーでもある。
フランソワ・オゾン監督の巧妙な手練手管に感服した。
次回作も楽しみだ。
警察のお姉さんとのやりとり面白かったですね。
有料パンフ🈶は 最近の私にしては珍しく 完読いたしました。
ただ単純に 文字配列が読みやすかった ということで読み切りました。
返信お気遣いありがとうございます😭
いいねありがとうございました😊 本作は こじんまり 映画ファンの方【毎週1本は見てる方】向けで
謎のまま 手練手管 で良かったです。ルカ大学生のきのこ🍄🟫気づかず。ありがとうございます😊