「コレぞ恐竜ファンが求めてた世界」ジュラシック・ワールド 復活の大地 赤足さんの映画レビュー(感想・評価)
コレぞ恐竜ファンが求めてた世界
3匹の恐竜の検体採取を目的とした今回のミッションは、「これだよこれ!」と思わせる王道の冒険映画に仕上がっていた。
1作目からサブキャラクター的な立ち位置ながら、シリーズを重ねるごとに人気を集めてきたモササウルスが、ついに本格的に日の目を見て登場。その圧倒的な迫力はスクリーンを揺らすような存在感で、そのビジュアルも大きさも共に100点。この恐竜だけでも十分に満足できるほどだった。
一方で、かつてはシリーズの顔ともいえるメインだったT-レックスが、回を重ねるごとにすっかり雑魚モブキャラクターに降格していたのは、少し笑ってしまった。
今回は陸・海・空それぞれにスポットを当てた恐竜たちの姿は、色々な恐竜がみたいという元来ファンが望んでいたスタイルを上手く取込み、シリーズのブラッシュアップになりより魅力的な映像体験となっている。特に、空を裂く翼竜たちの描写は、まるで生きた古代世界を覗き見ているかのような臨場感と迫力があった。
さらに、遺伝子組み換えによって生まれた交雑種の新恐竜も見どころのひとつ。米国版『GODZILLA』を手がけた監督ならではの、怪獣的でありながら恐竜らしさも兼ね備えた奇形的デザインは、想像以上に迫力と存在感があり、意外にも悪くなかった。
物語が1と同じ脚本家もあり王道ではあるが、夏の大作らしくスケール感たっぷりで、子供からお年寄りまで幅広く楽しめる一本。恐竜たちの魅力と冒険の高揚感でたのしめた。
