「スピルバーグの系譜を継ぐ演出が冴える」ジュラシック・ワールド 復活の大地 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
スピルバーグの系譜を継ぐ演出が冴える
ジュラシック・シリーズ第7作。
通常スクリーンで鑑賞(字幕)。
新章開幕に相応しい力作にして、原点回帰のサバイバルアクション大作だ。ジョン・ウィリアムズ氏によるお馴染みのテーマ音楽が、絶妙なタイミングで流れるのもニクい。
スクリーンところ狭しと暴れ回り、人間に襲い掛かる陸海空の恐竜たち(厳密に言えば、モササウルスは海生爬虫類、ケツァルコアトルスは翼竜である)の猛威が大迫力だった。
今までに増して水上のシーンが多く、「ゴジラ・マイナスワン」への対抗意識があったのではないかとも想像する。
モササウルスの執拗な猛攻や、泳いでゴムボートに迫るティラノサウルス・レックスなど、ハラハラ・ドキドキの畳み掛けに、知らず知らずの内に何回も息を止めてしまっていた。
スティーブン・スピルバーグ監督を敬愛しているギャレス・エドワーズ監督なだけあって、本作のスリル演出は、スピルバーグ監督のそれの系譜の延長線上にあるなと感じた。
はじめは姿を見せずに、ジワジワと恐怖を高めていく演出が巧みである。そして、スピノサウルスが背びれを海面に出して泳ぐ様は、間違い無く「ジョーズ」のオマージュだろう。
煙る視界の中に放った照明弾の光に薄っすらと顕になるD・レックスに感じた畏怖は、まんまと監督の演出の術中に嵌っているが故であり、思わず拍手したくなったほどだ。
遺伝子操作と異種交配実験で誕生したD・レックスの姿はなんとも悍ましい。インドミナス・レックスはまだ外観が恐竜然としていたのに対し、D・レックスはもはや怪獣のそれ。人間の欲と傲慢、科学の暴走の果てに生まれた被害者である。恐竜界の「フランケンシュタインの怪物」と言えそうだ。
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