「本家劣化コピーにエイリアンぽい何かが出てくる駄作映画」ジュラシック・ワールド 復活の大地 alphaさんの映画レビュー(感想・評価)
本家劣化コピーにエイリアンぽい何かが出てくる駄作映画
スカヨハは個人的に好きだが、端的に言って退屈な駄作。
これを観るなら第一作目を観ることをお勧めする。
今作も昨今の流行りの例に漏れず、リブートすることを免罪符に、オマージュなのか発想力が乏しいのか分からないくらい既視感のある映像の羅列とストーリー展開が続く。その割に第一作などと比べワクワク感は無い。
ストーリーの大筋は想像通りで読みやすい一方で、登場人物たちの背景は外連味のある会話だけで説明されており分かりにくく、それに伴い感情や動機が分かりにくくキャラも立っていない。
スカーレットヨハンソン演じる主人公も、初登場シーンでは唐突に他人の車の中に現れるし、何者かも分からないし、目的も分からないし、かと思えば途中PTSDだといい泣いて黄昏てるし。
悪いやつも立ち位置で分かってはいるけれど、そこまで悪い奴でもないし、途中までまぁ普通の奴だし、せいぜい小悪党くらいで、最後は車奪って1人逃げて結局食べられるだけだし。
全体的に描き方、演出や編集が雑なのでは?と思ってしまう。世間的には有名なギャレス・エドワーズの映画でもこれまで面白いと思ったことがなかったが、今作も同様だった。
パンフレットには力を入れた風に書かれている遺伝子操作の失敗作恐竜たちは、はっきり言ってダサいの一言。デザイン期間が6週間しか無かった的なことが書いてあったが、はっきり言って観る人には関係ない。
今作のメインの恐竜であるDレックスは、エイリアンかUS失敗ゴジラのパクリか、その辺の融合させて腕を2本付け加えただけ。ともかく造形が酷い。子供のお絵描きか?ストーリー的にもヴィジュアル的にも、これをジュラシックパークの世界観に持ち込む必然性も必要性もない。観客は誰一人観たいと思っていなかっただろう。
ギャレス・エドワーズは、ゴジラの時も思ったが怪獣造形に関しての審美眼は持ち合わせていないようだ。そして、そのことを自覚すべきだ。
今作で唯一褒められるとすれば、Tレックスがゴロンと寝返りをうつ可愛らしい姿と水中を泳いで襲って来るシーンだろう。こういう、もしかしたら本当にあったかもしれない恐竜たちの仕草や行動を映像にして恐竜のいる世界を具現化することこそがジュラシックシリーズの映画としての本質だと思うし、存在意義だと思う。完全新規の怪物がでるパニック映画なら、恐竜である必要もジャングルである必要も無いのだ。
その意味では、第一作目は恐竜達の住む世界を映像化する、第二作目は人間社会に恐竜を持ち込む、という根源的なテーマを持ってスピルバーグは描き切った。それ以降彼自身がメガホンを取らないことからも、もうジュラシックシリーズが描くべきテーマが存在しないことは明白だ。
こういう過去の栄光に縋る類のリブート作ですべきことは、本来のテーマや存在意義を再確認させ高度に発展させることであり、今回のような劣化コピーと不要な脚色によるテーマの不明瞭化は興行的なタイトルの延命措置であって、業界に不要のものである。何より、観客に感動を与えることはできない。
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