「未知の自然や体験を通して何を感じるか」ジュラシック・ワールド 復活の大地 tarさんの映画レビュー(感想・評価)
未知の自然や体験を通して何を感じるか
純粋に夏休みに冒険した気持ちになる。
人間の愚かさとか説教臭い話なんて本来はいらない。
未体験な恐竜(自然)に触れて何を感じるか。
それで良いんだ。と言っているかのような映画だった。
過去のワールドで作れなかったものを作ろうとしてる気概を感じた。
ただのパニック映画と片付けるのは簡単だが、ジュラシックシリーズは未知のものに触れて何を感じるかが最大のテーマであると思う。そこは見事に描いていた。
それは恐竜だけではなく、娘の彼氏にしてもそうで、一緒に行動を共にして初めて意外な一面を見て理解しあえる。
自然にはいろんな知らないことや魅力や脅威があって、知った気になって狭い視野で考えていると痛い目に遭う。未知なことは外に出て体験しないと分からないことが世界には沢山あることをよく描いていた。
これが冒険である。
過去作の様に説教くさいことを分かりやすく語ってないが、人間が作り出した恐竜が、人々に飽きられても厳しい自然の中で力強く生き抜き生存しようとしている生命力の力強さや、醜い容姿にされた可哀想なDレックスなど人間のエゴなどをちゃんと描いていたし、冒険を通して見た人が感じ取れば良い作りになっている。
その辺りの自然な演出が凄く良かった。
人間によって作り出されたモンスターという点でDレックスもゴジラに通じるところがありギャレス監督らしい。
恐竜映画じゃなくて、怪獣映画だと意見を耳にしますが、それがこの映画のテーマ。
怪獣にしてしまったのは人間のもっともっと凄いのが見たいという強欲です。
それを最後は採取した恐竜の血液を世界に公開することで新たに血液を求める者から恐竜が危機にさらされるのを防ぎ、恐竜の未来を考えたラストはワールドとして明るい未来に向かっていて良かった。
また次回作が楽しみになりました。
スカーレット・ヨハンソンの演技も自然で素晴らしかった。
そしてお父さんがとにかく良かった。
