劇場公開日 2025年8月8日

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「手堅く作られたジュラシックシリーズ第七作」ジュラシック・ワールド 復活の大地 木神さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 手堅く作られたジュラシックシリーズ第七作

2025年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

驚く

冒頭から研究施設が崩壊するシーンから始まるのだが、原因はまさかのチョコバーの袋のポイ捨て。出だしから「細けぇこたぁいいんだよ!」スタイルの示唆と受け取ったがホントは「危険な仕事で手を抜くな」と真面目な説教なのかも---にしたって間抜け過ぎるが。ちなみにこの事故の発生は作品世界における2008年。それなのにワールド一作目であの悪魔恐竜インドミナス・レックスを製造(大体2012年あたり)していた事になるのだが…まぁ“学ぶ” “懲りる”の概念があったら映画は成立しないか。

物語の目的は新しい心臓病治療薬の開発。それに必要なのが陸・海・空、それぞれを制する巨大種(ワールドでは馴染みのモササウルスも該当)のDNAらしい、心筋がデカいほど新薬開発の糸口が期待できるとか---医学的根拠があるのかはさておき、わかりやすいのは良い。

本作は終盤手前までスカーレット・ヨハンソン側の傭兵達と一般家族の2チームの行動模様を描いている。傭兵サイドの展開はいつものといった感じで『3』以来の家族チームは当初ヨットで恐竜のいる海域を悠々と進んでる所から始まるんで「話の都合たってアホ過ぎるだろ」と思ったら実際は安全ルートに偶然モササウルスが現れたようで、それなら不幸としか言いようがない。危機に陥るとキーキーうるさい場面は多いが総じて腹の立つ行動は少なく、基本頑張ってるので不快感は少なめに感じた。

少し脅かされたのは【ジュラシックパーク3】でメインを張ったスピノサウルスが久々に登場した所。見た目も生態もかなり変更され、四足歩行となってラプトルみたいにチームを組んで獲物を襲うように、恐竜学の最新研究を反映した結果か?吹き替えでしか気づかないが高山みなみ(江戸川コナンの人)が声を当ててるキャラなのにあっさり退場してしまう。
他には思想だったりビジュアルだったりで死にそうなやつも早々に退場、品行方正は大事。

CMでちょくちょく出てたエイリアンのようなミュータント恐竜は終盤で登場。ゼノモーフのようにもランコアにも見える風貌だったが調べると両方とも監督はモチーフにしてるとか。
正直好きなデザインじゃないが、生命を軽んじ冒涜する科学への批判をテーマにした従来の作品イメージとしては正しいかも、厳密に言えば真っ当な見た目の恐竜も一作目からカエルの遺伝子入ってるとか言われてたし。

それとシリーズ恒例【人造生物も人命も軽視する守銭奴が惨い最後を迎える】展開はやっぱりあったが今回はややあっさり。危険な現場に出向いてでも金儲けに執心するその根性に免じてさっくり逝かされた感、間違いなく悪党だが。

気になるのは登場人物の多くが注意力散漫だった件、恐竜が跳梁跋扈する島で周囲を見回さず集中作業していればそりゃ食われるでしょうと。しかも銃を持参しなかったのも謎、船にありそうだが沈まずに岸に座礁したのに取りに行く様子はなく、意図して持ってきてないのか?それにしても今作で新たにインジェン社が保有する島が増えたわけだが、パークだ研究だとシリーズが続く毎これからもドンドン増えてきそう。

ところでこれまで登場した恐竜は環境変化とやらで赤道付近の島にいた以外は全滅したとか。看板恐竜だったティラノのレクシィも退場という事か・・・前作で冬の森で子供もいたラプトルのブルーは幻だったのか。

そのラプトルを基にしたミュータント恐竜も出て来るのだが、これまでの難敵描写もどこへやら拳銃で撃たれて死ぬその紙装甲にビックリ。第一作でショットガンが効かなかったと記憶してるが、当たってなかっただけか?もしくは使用した拳銃が恐竜用に改造された代物だったか。ちゃっかり家族チームの次女がトリケラトプスの幼体のような生物を連れ帰ったのは今後のマスコットキャラへの伏線か?

最後は件のミュータント恐竜は倒されることもなくフワッと終了。どう見ても続編ありきの終わり方だが、次回も結局は映画館に足を運ぶんだろうなと述懐。やっぱ巨大スクリーンで暴れ回るデカい恐竜ってのは、それだけで男の子の魂を揺さぶるんだもの。
何番煎じで良いから次回はティラノが異形恐竜との対決は観たい。

木神
YOUさんのコメント
2025年8月14日

次作、監督がアレなんでゴジラもどきでも出すかもしれませんよ(笑)

YOU
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