「迷ったら字幕が吉」ジュラシック・ワールド 復活の大地 うにまるさんの映画レビュー(感想・評価)
迷ったら字幕が吉
シリーズを重ねたことによるマンネリ感はありつつも、なんだかんだギリギリのところで恐竜たちから喰われるか逃げ切れるかのサバイバルを繰り広げるシーンはさすがの迫力。
最後に女の子を守ろうとしたダンカンが発煙筒で囮になる場面は不覚にも涙腺が緩む。自分が同じような状況になったとしたら(ならないけど)他人の子供のために死を覚悟で体を張れるだろうか?って。
他の方が言うような「もはや恐竜でもないクリーチャー出しといてジュラシック・ワールドのシリーズ作品名乗るのはいかがなものか」という点は、自分は気にならなかった。幸か不幸かシリーズにそれほど強い思い入れがなかったからだ。
【以下、残念な点】
①設定が安っぽい
まず父と娘二人とその彼氏の4人でちっこい船で航海してる意味が分からない。設定のための設定に見えてしまうというか、もう少し「その世界の中の説得力」が欲しかった。
そして陸・海・空の恐竜から血(?)を採取する設定はいかにもRPGゲームさながらのおつかいイベントな安っぽさ。
色々な場面で恐竜から逃げ切れるか喰われるかのサバイバルを繰り広げる絵面のために作られた設定という感じが滲んでしまっている。
②吹き替えがやばい。
個人的に一番キツかったのがこれだった。エンドロール見終わって明るくなった場内で、隣にいた妻に私が最初に言った一言は「主役の女優さんの吹き替え、めちゃくちゃ下手じゃなかった?」だった。
主人公ゾーラの吹き替えが聞いてられないほど酷いことが気になりすぎて、作品の世界観に入るのにかなり時間がかかってしまったほどだ。
「セリフを読んでいる」のがハッキリ出てしまっていて、どうにも物語の中のゾーラが喋っている言葉に聞こえてこなかった。
映画を観ながらも、物語そっちのけで「なぜこんなに『セリフを読んでる感』が出てしまうんだろう」と考え込んでしまった。
そして、その理由が分かった。一言一句あまりにも滑舌が良すぎるのだ。
車の中で普通にしゃべっているシーンでさえ気になるほどの不自然さなのに、サバイバルパニックの場面でも走ったり逃げたりしている最中でさえ、疲れや消耗、恐怖や動揺といった心身の状態が存在しない世界にいるかのように、ひたすら1音1音をはっきりと発音しながら喋る。
いかにも「一生懸命に台本を読んでいる」感がヒシヒシと伝わってくるのだ。
吹き替えの多少の演技力のなさなんて普段はまったく気にしないが、そのことで作品の世界観に入り込むのに時間がかかってしまうようでは否定的なコメントをせざるを得ない。
たぶん字幕で見ていたら、もう少し作品を楽しめたのではないかなと思う。
今から観ようと思っている方には、即答で字幕をお勧めします。
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