「命の意味を問いかける、心に響くヒーロー物語」それいけ!アンパンマン チャポンのヒーロー! まろさんの映画レビュー(感想・評価)
命の意味を問いかける、心に響くヒーロー物語
2025年6月に公開された『それいけ!アンパンマン チャポンのヒーロー!』は、単なる子ども向けアニメ映画にとどまらず、「命」「自己決定」「他者との関係性」といった深いテーマを優しく、力強く描いた作品です。
■ 自分の存在意義を自分で決める勇気
本作の主人公チャポンは、「アンパンマンを倒すために生まれた存在」としてバイキンマンに作られたキャラクター。しかし、チャポンはその運命に抗い、「ヒーローになりたい」という自分の意志を貫きます。この姿は、やなせたかし氏の「何のために生まれて、何をして生きるのか」という哲学を体現しており、観る者に「自分の人生は自分で選ぶものだ」というメッセージを強く伝えます。
■ 感情と記憶が形になる演出の美しさ
雨のシーンで、アンパンマンがチャポンを葉っぱの傘で守った記憶が、チャポンの防御の形として再現される演出は、感情と記憶が力になるという象徴的な描写。これは、誰かに守られた経験が、今度は誰かを守る力になるという、優しさの連鎖を表しています。
■ バイキンマンとの関係性の変化
バイキンマンが最後に「チャポン」と名前を呼ぶシーンは、敵対関係を超えた尊重の瞬間。「アンパンマンを倒す1号」としか呼ばなかったバイキンマンが、チャポンの意志に感銘を受け、個として認める場面は、敵味方を超えた人間(キャラクター)関係の深さを感じさせます。
■ やなせたかしの魂が息づく作品
「いのちがけでつくろう 命のパンを」というやなせたかし氏の言葉が、本作の根底に流れています。アンパンマンが命を分け与える存在であること、そしてその命が誰かの希望になることが、チャポンの成長と重なり、観る者の心を打ちます
2歳の子も、楽しかったと言ってました。
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