劇場公開日 2025年4月26日

IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミーのレビュー・感想・評価

全18件を表示

4.0カラックスらしい夢と記憶の万華鏡のような中編作

2025年4月28日
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鑑賞方法:試写会

42分間をカラックスらしい夢と記憶が縦横無尽に駆け抜けていく。「今どこにいる?」という問いから全てが始動したという本作。大多数にとってほんの一言で事足りる答えを、カラックスは根源まで突き詰め、内面を泳ぐように探究し、彼が生きてきた時代、世界、さらには映画のまばたきにまで思いを馳せる。その語り口は全く高飛車ではなく、遠くを望んでいるかと思えばごく身近な何かを見つめる、もしくは両者を同時に行っているかのような不可思議なリズムとタッチで貫かれている。溢れるほどの情報量のモンタージュも、決して意味不明だったり、難解だったり、哲学的すぎることはない。独白録でありながら独善的にならず、42分間きちんと娯楽作として観る者を刺激し、楽しませる。それでいて心に煌めきを遺す。おなじみの”あの人”もやっぱり登場する。全ては起きながら見る夢のよう。カラックスの紡ぐ夢をこれからも見続けたい。そう強く感じる中編作だ。

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牛津厚信

3.55月のファーストデーラスト作品

2025年5月1日
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鑑賞方法:映画館

流石に疲れてしまったようで
巨匠の走馬灯見ながら夢と現実の狭間を彷徨うなど。

ドラッグムービー的な要素もあるから
ある意味眠くなっても狙い通りだったりするかも。

モダンラブに合わせて踊るパペットちゃん可愛いので是非。

それでは5月も映画観てくぞ!ハバナイスムービー!

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きーろ

3.5ぼんやり

2025年5月1日
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鑑賞方法:映画館

何かに(歪みとか音とか光とか色とか言葉とか)にまみれた映像と接続の連続でクラクラとしてやがてぼんやりと眺めて見てました。
終盤に明確にメッセージ的な言葉を言われていて「あ、ここまでハッキリと言うもんなんだなー」と、驚いた。

人形が動く場面のキュートさが好きだ

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まるのすけ

5.0映画監督の究極の幸福

2025年5月1日
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鑑賞方法:映画館

ゴダールが晩年は、観客の精神を試すが如くな、メンタルインタレーション的作品を提示し続けた。映像作家として、『自分は何者か?』を観客に問いかけ、宣言する行為を、自由気儘にイメージの洪水によって追求してきた。そして、それを支えるパトロンがい続けた、幸せな生涯だったろう。そんな理想的な作品発表は、近年ではアルノー・デプレシャン監督の「映画を愛する君へ」が記憶に新しい。そこで本作のレオス・カラックス監督作品である。これまたイメージが、大噴火の溶岩のように迸り出る(観客置いてけ堀=独りよがり)の、映像と音楽のコラージュによる自慰的快楽の追求。それも良いだろう。映画監督として、理想的な境地に達しているのだから。この42分間に、きちんと向き合って、付き合ってやろうじゃないか。という心の豊かさを大いに発揮した覚悟を強いられる作品である。

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t2law

3.5脳内をビジュアル化した実験作

2025年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

カラックス監督の夢か、走馬灯か……
監督の脳内をビジュアル化する実験っぽい。
各映画サイトのあらすじ&解説の文にあるように、展覧会の代わりに製作された「記憶と思考をコラージュしたセルフポートレート」がしっくりくる説明ではある。

新鮮かつ斬新な作りで、万華鏡のように展開する映像美に驚きはあるが、既視感もあって手放しでほめられず。
後期ゴダール作品の影響に加え、思い出したのはデニス・ホッパー監督の『イージー・ライダー』LSDによる幻視表現。
自分は1度もやったことがないから確信的には言えないけど、麻薬・シンナー・大麻などドラッグで生じる幻ってこんな感じなのかもしれないと想像させる。

『アネット』『TOKYO!』『ホーリー・モーターズ』などカラックス監督過去作を観続けていて、細かい部分を覚えている人にはいいと思うのですが、初心者にはハードル高すぎてお勧めできないかなと。

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コージィ日本犬

4.5一人称視点と三人称視点の間でさまよう「自分」の定義

2025年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

驚く

この作品は一種のセルフ・ポートレートだが、題材になっているのは「自分」ではなく「夢の中の自分」である。
夢の中の自分は、部分的には自分と全く同じであり、部分的には自分の理想や願望が投影された結果本来の自分より美化されていたり、部分的には自分が持つ要素が大げさに誇張されていたりする。
自分ではないが、ある意味で自分以上に「自分」というものを説明し得る存在とも言える。

そんな「夢の中のセルフ・ポートレート」の世界を非常にテンポ良く駆け巡ることが出来るので、観ていて非常に心地よかった。

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タランティン・クエンティーノ

5.02024年。レオス・カラックス監督。監督の映画を見続けてきてよかっ...

2025年4月29日
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鑑賞方法:映画館

2024年。レオス・カラックス監督。監督の映画を見続けてきてよかった。ゴダール監督の映画を見ていてよかった。世界と映画の歴史、自作と現代社会(無意識)、エランヴィタルと家族(夢)。

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文字読み

4.5何度も観たい走馬灯

2025年4月29日
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一瞬、カラックスが死ぬ前に観る走馬灯はこんな感じか?と思って、ふと我に返る。いやいやまだ死んでもらっては困る。老人になる前に走馬灯の予行演習をしておくのも悪くない。

カラックスも歳をとり娘という守るべき存在もできたし、ここらで今までの作品を思い出しながら頭の中の映像を振り返るのもいいだろう。
走る娘がサメに襲われてパパが助けてくれないという妄想、想像に対して、娘の頭ののイマジネーションに対しては娘が監督だという。
そうか!誰もが監督になり得るんだと気付かされる。
世界を見つめる目がカメラだ。撮影監督も、映画監督も自分だ。

ありとあらゆる情報が入ってくる時代、瞬きする暇もない映像がたれ流されている。
失明しないためにはまばたきの回数が大事だ。
この映画はまばたきだったのか!なるほど!
まばたきして見えるサブリミナルの中の1秒のリンゴをみんなで共有しよう。

わたしも10代の多感な時期にカラックスの映像と出会い、とんがったり悩んだり。ドニ・ラヴァンやジュリエット・ビノシュと一緒に疾走してきたよな。
ここらでまばたきが必要なんだ。
一瞬、過去と今をコラージュさせながら振り返ろう。
デヴィッド・ボウイのこともちゃんと忘れないぞ!いつまでもその音楽とともに、まだまだ走らないと。

これからも時々まばたきは必要だ。
映画館で観て、みんなでリンゴを共有するのも素敵だが、所有したくなる映画だ。
リビングで酒飲みながらぼーっと観るのが最高。リビングで垂れ流して友達と眺めるにも素敵な額縁となる。

この映画のような走馬灯を観ながら私もいつか死んでいくのかもしれない。
できるだけ素敵な走馬灯が現れるようにこの先の人生と世界を充実させていかねばならない。
いやー。とにかくいいものを観た。
みんな!いい夢みろよ。あばよ!

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momo

0.5半ば予想通りの─

2025年4月28日
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鑑賞方法:映画館

超難解、意味不明、自分には理解不能
ふと数年前に見た仏のみ巨匠のか「イメージの本」というものを思い浮かべてしまいました。フランスの偉大なる映画監督というのはどうも・・・この作品は、まだ知った面々が結構登場してくるのでちょっとは気持ちが向くのですけど、だからといって何か響いてくるわけでもなく、油断すると、いっちゃいます。ずっーとの天才が究めると自分の表現だけが真実なのでしょう。だから理解ができないこちらが悪いんでしょう。だから評価なんてできません!もしくはゼロで!

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SH

4.0「どこの国かな」

2025年4月28日
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鑑賞方法:映画館

知的

今年108本目。

どこの国の映画か分からず鑑賞。レビュー書くまで調べないのでそう言う作品もいい。昔と今の文化、芸術を組み合わせた作風。エンドロールにこの曲とある劇☆0.5UPしました。

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ヨッシー

2.0詩的で私的なインスタレーション

2025年4月28日
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鑑賞方法:映画館

レオス・カラックスが自分自身を赤裸々に、オブラートに包んで表現した、極私的なインスタレーション。
自身の作品の断片や、自己を確立したであろう作品の断片、夢とも現実ともつかない断片を散りばめ、映画への愛と情熱を詰め込んだ、私的な作品。
初めてレオス・カラックスに触れる人は、残念ながらここから彼を理解する事はできないだろう。
でも、彼の作品を観てきた人なら彼の心の深淵に触れたような、そんな気になるのではないだろうか。
この作品が、これまでとこれからの分岐点となるのだとしたら、次作が楽しみだ。

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hanako

1.0監督のコアなフォロワーだけが理解できる映画。映像美だけでも楽しめるかと思った私が悪かったです。

2025年4月27日
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鑑賞方法:映画館

本作の経緯や監督の作品・思想をある程度理解した人向けの映画。
その前提がわかったうえでも、ビジュアル面などで楽しめるかと思って鑑賞しましたが、私が甘かったです。
すみません。
この作品だけでも何らかの理解ができるかと思ってましたが、全く無理でした。
エンディングの人形浄瑠璃を真似したようなパペットが少し面白かったのですが、表面的なシステムの引用に過ぎないと感じました。

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ITOYA

1.5芸術?

2025年4月26日
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鑑賞方法:映画館

爆発する芸術性の高さに
ついて行けませんでした🤣

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みき

2.5エッセイ的コラージュ

2025年4月26日
iPhoneアプリから投稿

レオス・カラックス監督が最初、展覧会用に制作していた42分の短編
後期のJLゴダールのような文字と自作や他作の作品の引用やポートレートや過去写真、デビッドボウイの曲などで構成された監督についてのエッセイのようなコラージュ作品、物語はない
です。
でも印象に残るようなイメージは(ピアノの演奏とラストのテネット人形とか)残った。

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サート

4.5タイトルなし

2025年4月26日
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鑑賞方法:映画館

中にも出てくるけど、ゴダールへのオマージュも。なかなか面白かったけど、散発。ゴダールにはもっと思想がある。政治をなぞってるだけの感。

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えみり

4.0これはレオス・カラックスの自画像であり、

2025年3月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

記憶や夢の映画
幼い娘に、あなたが見る夢を監督するのはあなた自身だよという

まだまだ走り続けてほしい

先行上映にて鑑賞
一般公開したらまた見に行きます

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m m

5.0私達に必要なのは暗闇だ

2025年3月22日
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鑑賞方法:映画館

まばたき、断片、
時間の継ぎ接ぎ
神々の視点
明らかな恐怖
耳からの恐怖
ホームムービーではなくて
私映画
ゴダールよりふざけていたのに
ゴダールよりわかりやすかった
あくまでエンタメ映画の監督なんだな

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悠

3.0まばたきする度に目を漱げ

2025年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

難しい

『ホーリー・モーターズ』のレオス・カラックス監督が自作のフッテージを散りばめつつ、家族や映画、自身の子などに向けた思いを綴っていく自叙伝的作品。元々は美術館向けに制作していた作品というだけあって、全編とにかくアーティスティック。
まず言えるのは、カラックスの作品を未見だったり、彼のパーソナルな面を知らない人は理解するのが難しいという事。かといって本作だけで彼の全てが分かるわけではないし、やはり彼のフィルモグラフィも併せて観る方がベターだろう。かく言う自分もそんなにカラックスを知っているわけではない。ただ、彼がいかにデヴィッド・ボウイを敬愛していたかが分かる。もっとも音楽使用許諾は一番大変だったとか。
ラストの「まばたき」のメッセージは小津安二郎の言葉を引用したものだが、目まぐるしく動く今を、我々はしっかりと見る事が出来ているのか?というカラックスの提言と受け取った。

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共感した! 3件)
regency
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