「まばたきする度に目を漱げ」IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
まばたきする度に目を漱げ
『ホーリー・モーターズ』のレオス・カラックス監督が自作のフッテージを散りばめつつ、家族や映画、自身の子などに向けた思いを綴っていく自叙伝的作品。元々は美術館向けに制作していた作品というだけあって、全編とにかくアーティスティック。
まず言えるのは、カラックスの作品を未見だったり、彼のパーソナルな面を知らない人は理解するのが難しいという事。かといって本作だけで彼の全てが分かるわけではないし、やはり彼のフィルモグラフィも併せて観る方がベターだろう。かく言う自分もそんなにカラックスを知っているわけではない。ただ、彼がいかにデヴィッド・ボウイを敬愛していたかが分かる。もっとも音楽使用許諾は一番大変だったとか。
ラストの「まばたき」のメッセージは小津安二郎の言葉を引用したものだが、目まぐるしく動く今を、我々はしっかりと見る事が出来ているのか?というカラックスの提言と受け取った。
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