グッドニュースのレビュー・感想・評価
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明日はどっちだ?
僕的にはコメディじゃなくシリアスにやってくれた方が
良かった気がします。
最初は楽しく観れたけど、
それこそシラケて来たというかノリに飽きてしまった。
ゴミョンと赤軍の女はキャラクター的に
この空気に合ってなかったように思い、
必死になればなるほど観ててしんどかった。
20年前くらいに日本赤軍を題材にした映画が同時期に
公開されてたと思うが、
記憶の中の赤軍は思想こそ理解は出来ないけど
国を変えようと必死に戦ってた気がします。
それに比べるとこのハイジャック犯たちは
少しチンケに見えて悲しかった。
コメディなので仕方ないのかもしれないけど、
必死さが伝わって来なくて、どうなっても別にいいやと
思えてしまったのが残念でした。
マカロニほうれん荘になりきれてない
「われわれはあしたのジョーである。
ならば、わたしたちはトイレット博士」
「われわれがドカベンなら、わたしたちはマカロニほうれん荘」
1970年代から80年代にかけて、
日本の漫画や文化、
あるいは世界のカルチャーは〈正統と異端〉、
あるいは〈熱血とシラケ〉の二極を行き来しながら、
時代の空気を醸成し、
トレンドを牽引し続けていた。
それは〈推す者〉と〈ドン引きする者〉、
真面目さと脱力のせめぎ合いでもあった。
映画の歴史にも、常にその対立軸は存在している。
黒澤明が人間の尊厳を正面から描く一方で、
植木等は〈とかくこの世は無責任〉と唄って踊って、
既存の価値観を揺さぶった。
その風潮は日本だけはなく、
メル・ブルックスやジョン・ランディスといった監督たちも、
権力やイデオロギーを笑い飛ばすカウンターの旗を掲げ続けてきた。
また音楽シーンでも、
【We haven't had that spirit here since 1969】
ホテルカリフォルニアの歌詞に代表されるように、
いわば異音同義の空気が世界中を席巻していた。
本作も、ひと作品で両方を内包させた、
その流れの延長線上にある作品という見方もできなくもない。
熱血ドラマ(実話)に賛同するでもなく、
正面から論破もしない、
むしろ〈情熱の論理〉そのものを笑いで【脱臼】させようとする、
北斗神拳のように、
おまえはすでに、、、
と言わんばかりの、
醒めた視点で物語を突き放す。
北朝鮮、アメリカ、日本、まとめて茶化してみせる姿勢には、
一定量の痛快さは残る。
しかしその一方で、
皮肉や風刺の射程はやや散漫で、
狙いが絞り切れていない印象は否めない。
ソル・ギョングを、
キューブリックのDr.ストレンジラブのような存在に据えようとした意図は感じられる。
(橋爪功とミックスしたかった?)
しかし、その人物像の構築は中途半端に終わっており、
キャラクターと演出の狙いが噛み合っていないようにも感じた。
明確な敵や正義の物語というよりも、
むしろそれらの構図、思想に翻弄される、
国、役人対する懐疑の作品だろう。
その挑戦的な姿勢は評価すべきだが、
最終的に観客に届くメッセージがややぼやけてしまっているのは惜しい。
とはいえ、〈熱血の物語を冷笑でくるむ〉という手法において、
一本の中で両手ぶらりで挑んだ姿勢は、
確かにあしたのジョーのようで、
忘れ去られようとしていた空気に放たれた一発のクロスカウンター映画ではある、と言えるだろう。
主役(nobody)の誰でもなさこそが見処
日韓のキャストがガチ対決する本格サスペンス。「よど号事件」の裏側を脚色し、社会風刺を行わんとする意気込みは買える。ただ、面白がれるか否か観客を選びそう。終わってみると、大筋が史実通りな為、観客がオチを知っている事を見越して、急ぎ足で省かれる部分があるが、生まれる前に起きた事件に疎い自分としては、よりドラマティックに描ける展開もあった気がしてしまう。
国際的なキャストでは仕方がないのかもしれないが、2人ほど台詞が聞き取り役者さんがいるのに、字幕が付かなかったのはモヤモヤした。
MVPを挙げるなら、主役のソル・ギョング(설경구)さん。「ハイパー・ナイフ」の教授役に強烈な印象があったが、本作では飄々として多弁だが、一言も信じてはいけなさそうな、得体の知れない役を見事になりきっていて、序盤は「教授」と同一人物とは思えなかった。彼の出演作をもっと観たくなった。
革命は月からは見えない
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