啓示のレビュー・感想・評価
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観終わってゾッとした映画
「啓示(けいじ)」とは、神や超越的な存在が人間に真理や神秘を明らかに示すことを意味します。
怖いけど見応えのある映画でした。字幕版、吹替版で2回続けて一気に観てしまいました。2回観終わっても、ラストに留置所で神に見える壁の絵を擦ったら悪魔になった時のソン牧師(リュ・ジュンヨル)の感情が分からない。だって笑ってたもん…🙄きっと反省はしてないよね。それ一番怖いよね。悪いことしたのに悪いことしたって自覚ないんだもん。それとは対照的に、警察官のイ刑事(シン・ヒョンビン)は最後の最後に悪魔の囁きに打ち勝ちました。諦めずにシン・アヨンを助けて、きっと妹の悪夢からは解放されたんだろうな。終始両手で顔を覆った指の間からうっすらと観ていたい、そんな気持ちにさせる映画でございました。
人は判断に迷った時、最後に神任せにすることが往々にしてあります。しかし神任せといいながらも聞く前から答えが決まっている事が大半。なぜなら人は自分が見たいように目の前の世界を作り上げるからです。
神の啓示=自分のエゴ
だとしたら、
一体どうしたら本当に正しい選択ができるのだろう?
神と悪の啓示
『新感染』で知られるヨン・サンホ監督だが、『我は神なり』など信仰と恐怖を絡めた作品も印象的。
そんな監督が常々描くのは、人の善悪。
信仰、恐怖、人の善悪…その3つを題材に、またまた放つKOサスペンス。
小さな教会で牧師を務めるミンチャンは悩みの種が尽きない。
信徒数は減り、近くに大きな教会が新設されるが、自分がそこの主任牧師を任される訳ではないようだ。さらに、妻の浮気。
主よ。私はこんなにもあなたに尽くしているのに、私は報われないのですか…? 主よ。どうか啓示を…!
教会に一人の男が。半ば強引に信徒にするが、ある事件を起こしたレイプ犯だった。
折しも二人の少女が行方不明に。一人は教会の信徒、もう一人はミンチャンの娘。
その男クォンを疑い、後を追う。気付かれ、山中で揉み合いとなり、クォンは崖から落下。
動揺するミンチャンだが、その時稲光に照らされた岩肌が神のように見え…。
これは啓示。罪悪人を罰せよ、と…。
娘は友達の家に遊びに行き無事が分かったが、もう一人の少女の行方は…。
警察が捜査。
この町の署に配属されたばかりのヨニ。ある事件で悲しい過去を抱えていた。
ミンチャンの通報もあり、捜査線上にクォンが浮上。ヨニは動揺する。
クォンが起こした事件。一人の女性を拉致し、暴行。その女性の姉がヨニだった。
やがてクォンは逮捕。裁判が開かれるが、親から虐待を受けていたクォンの凄惨な過去が判明。精神科医の有利な証言もあって、一転クォンに同情的に。
罪には問われたが、望んだほどの重い罪にはならず。ショックを受けたヨニの妹は自殺…。
今尚妹を助けられなかった事、力になれなかった事を後悔するヨニ。幻影で妹の姿を見るほど。
憎きクォンが出所。配属された町で、再び奴が容疑者として浮上した事件と巡り合う。
今度こそ…!
山中で乗り捨てられたクォンの車を発見するが、クォンは見つからない。何処に…?
クォンの車の発見の報せを受け、行方不明の少女の母親と付き添いのミンチャンも現場に。
この時のミンチャンの言動をヨニは不審がる…。
貧乏くじばかり引いていたミンチャンだが、事態が好転。
新しい教会の主任牧師に選ばれる。妻からも告解。
クォンの件でも疑われていないようだ。(ヨニが怪しんでいる事は知らない)
主は私をお見捨てにはならなかったようだ。
例の山中近くの老人ホームに招かれる。
そこに山中から這いずり出てきたような重傷の男が保護されているという。
あの男だ…! 生きていたのだ…!
こっそり病室に忍び込む。
やはりあの男。もし、証言でもされたら…。
再び稲光。窓の外の雲が、彼には“神”に見えた。
我々から見ればそれは神と対極の存在にしか見えない。
もはや自分が信ずる者や善悪の境すら分からなくなってきている。
そしてミンチャンには再びそれが啓示に聞こえたのだ。罪悪人を罰せよ、と…。
クォンを施設から連れ出す。偶然見つけた廃屋に監禁、拷問。
神が望んでおられるのだ。罪深きあなたの死を。
罪深いのはどっちだ…?
捜査を続けるヨニ。ミンチャンへの不審を強め、ミンチャンの車のタイヤに付着していた泥や物質から、廃屋の場所を特定する。
監禁されていたクォンを発見。
ヨニにも決断の時。刑事としてクォンを助け、捕まえ、罰すか。今この場で、この手で罰すか。
妹の幻影も叫ぶ。殺して!
激しく揺れ、葛藤するユニ。彼女が選んだのは…
それが早いか遅いか、ミンチャンが現れる。不意打ちでユニを拘束。
二人は拘束され、一人は優位な位置。極限状況下に置かれ…。
罪悪人クォンを殺す事は神の啓示。御心。私がその役目を主から頂き給った。
それに反するヨニ。まだ少女が一人行方不明。クォンを殺せば少女の行方が分からなくなる。
少女はもう死んでいる、とミンチャン。
この状況に発狂したように笑うクォン。
事件への関与をうやむやにしてきたが、ここに来てはっきりと罪を認める。少女の行方を知るのは自分だけ、と威圧する。
さらにヨニの事も思い出し、妹の事件についても挑発。
怒り絶叫するヨニ、悪魔のような本性を表したクォン、迷える子羊たちを導かんとするミンチャン。
もつれた状況は一瞬の隙を付き…。
この窮地を脱したヨニ。刑事として人として、クォンを助けようとしたが、クォンは死亡。ミンチャンは逮捕。
少女の行方は分からぬまま…。
何か手掛かりは無いのか。クォンの言動などに。
出所してから大人しかったクォン。彼がまた罪を犯したきっかけは…?
クォンの部屋に書かれた謎の絵。拘束されていた時言っていた“一つ目”とは…?
クォンの幼少時の写真の中に、“一つ目”と思われる正体が…。
この町に来て、それを見かけた。それが彼をまた犯罪に突き動かすきっかけに…。
“一つ目”に異常に執着するクォン。きっとそこに、少女が…。
この町に、“一つ目”と同じ“建物”は…?
Googleを駆使して見つけ出すが、最大のヒントになったのは父親から送られてきた写真。序盤の他愛ない会話がまさかここで…!
巧みな伏線と言うより、作品的に言えば、神の思し召し。
少女は無事保護。事件は解決。
ヨニはその事を獄中のミンチャンに伝えるが、心ここに在らず。未だ啓示を信じきっている。
精神科医によると、極度の精神病。何気ないものが信仰の対象に見え、あたかも啓示を受けたかのように思い込む。
彼は神に毒されたのか、悪魔に弄ばれたのか。
獄中で、壁の汚れを消そうとするミンチャン。
それがまた見えてくる。
私をお見捨てにならなかったのだ。
悪の啓示。
何かおかしい?周りは変な人ばかり・・・
韓国映画って、何でこんなに面白い!当たり前の世界観の中で、摩訶不思議な空間を見せ付けられたような・・・。とにかく不快極まりなかったんだけど、何故か魅入ってしまう不思議な時間で楽しめました。
【ネタバレ】
とにかく、出てくるひとが?な人だらけ。
まぁ、見るからに怪しい誘拐犯は当たり前なんだけど、それを追い続ける刑事がどうなんだろう。
人間的におかしいわけじゃないんだけど、終始、殺された妹の幻影に悩まされ、常時、薬を服用している。こんなんで、刑事が務まるの?
メインになる牧師さんも変。まぁ、宗教にハマる人はみんなそうなのかもしれないけど、偶然を必然にこじつける。雲や山肌が神様に見えたりね。神様の啓示にこじつけすぎて、自分の思い通りに事を進めていく。
不倫中の奥さんであったり、誘拐犯を弁護する精神科医であったり。また、その精神科医の言葉から誘拐犯を擁護し、被害者を蔑ろにする世間まで・・・
ホンっと何でこの世はこうなんだってくらい、イライラのしっぱなしだった。
とは言え、魅入っちゃうんだよね。
見るからに悪そうな誘拐犯なんだけど、殺そうとする牧師にも賛同はできない。
誘拐された少女の安否が、最後の最後までドキドキさせてくれます。
それ故に、あのラストは爽快以外の何者でもない。今までの不快感が吹っ飛ぶ心地良さでした。
いや〜、面白かった。
信じることと 思い込むこと
宗教と犯罪に焦点を絞った人間ドラマ。内容は良いのだが、映画のクオリティでは なくて物足りなさがある。
最初から犯人が わかっている状態なので、感情移入できる登場人物が いるかどうかで、評価が分かれると思う。
面白いのは、思い込ませるシーン。保育園に娘を迎えに行った男が…。死んだと思っていたら…。
「信じる」ということが テーマだと思った。
責任転嫁…
偶然の出来事を、神や親、自分のせいとしてしまう人間の心の弱さを描いている。トラウマになってしまうような衝撃的な出来事があると、何かのせいに現実逃避したくなるもの。ラストは誘拐された女子が助かって良かったし、それは同時にヨニの心の救いとなったのだろう。
心の中の悪魔はそっとつぶやいた
神の啓示
倒叙法のような始まり
物語は、一見、倒叙法のように始まる。
観客は、既に事件が起こった後の世界に放り込まれ、
徐々に真相へと導かれていく。
この手法は、『刑事コロンボ』や、
アガサ・クリスティの『アクロイド殺人事件』、
ドストエフスキーの『罪と罰』など、
古典的な名作群を彷彿とさせる。
また、韓国映画が得意とする「セカイ系」のアプローチも色濃く反映されている。
個人と神の領域が直接的に交錯し、
正義と「正義」の間に横たわる深い葛藤を描く。
主人公である神父の人物像は、非常に複雑だ。
彼は一見、信仰に基づいて理性を持ち合わせているように見えながら、
その内面には弱さ、迷い、そして時には残酷ささえ垣間見える、
彼の強さと弱さの間を行き来するその心理描写の演出も巧みだ。
同様に、警察官として登場するキャラクターも、
非常に興味深い。
彼女は警察官としての職務に忠実でありながら、
姉としての感情に揺れ動き、
自己の正義と家族との間で葛藤する。
彼女の行動は、正義と〈正義〉いうテーマを一層際立たせ、
観客にその葛藤の重さをしっかりと感じさせる。
正義というものが、時にどれほど個人的で曖昧なものであるかを、
彼女を通じて強く印象づけられる。
さらに、偶然と必然が交錯する中で、
「怪物」とは何か、
神とは何か、
そして「自分」という存在が何を意味するのかという形而上的なテーマが絡み合っていく。
これらの形而上的な抽象的な概念が、
物語の進行と共に具現化され、
地上に引きずりおろされてアクションシーンと融合していく。
その結果、深遠な哲学的な問いが、
視覚的に、かつ感情的に強烈に表現される。
映画全体を通して、シナリオ、演出、芝居は見事に調和しており、
それぞれが相乗効果を生み出している。
物語の深みと緊張感、そしてキャラクターの心情の揺れ動きが、観る者を圧倒する。
『啓示』は、単なるエンターテインメントにとどまらず、
人間の内面に迫り、観客に強い印象を残す作品だ。
この監督の作品はハズレ無いねやはり👌
展開が面白くてついつい引き込まれるんですねえ!
神からの啓示を受けたと思い込む神父が誘拐犯よりも悪いでしょってなってしまう展開や浮気した嫁に懺悔させてるけどお前は殺人犯だろ😂🤣(実は死んで無かったんだけどね)って展開とか見ていて矛盾が面白くて超大爆笑でめちゃくちゃ楽しく拝見できましたよ🏆
何が怖いのかって例えばの話ですが😨そもそも悪意が無いのが怖いしカルト教団に洗脳されてる信者が犯罪やっても悪い事って思って無い状態で殺人とかやってるって話ですからね🥹
あのイカれた神父の人の顔演技が最強過ぎて☝️
あの顔だけで🍚のオカズになるくらい良い顔面演技してましたね😇🥹😇
この作品は見る価値あると思うしオススメです🐮
同じ神からの啓示の作品でセイントモードが超オススメであんなラスト久しぶりに食らいましたよ(セブンやミストレベル)
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