コンパニオンのレビュー・感想・評価
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最後まで楽しみました。
娯楽映画の醍醐味を満ちた快作。
期待していなかったが、
人の心以上に純粋なハートのロボットに、
人間は知能どころか心さえもロボットに負けてしまう
近未来をみる。
人間は都合よく、自己美化し自分を優位に立たせ自分だけを救いたがるから、
ロボットからの喝!のようなテーマ。
エロボット、といいつつエロシーンを直接描かないのも、
皮肉が効いている。
ロマンスも快楽もロボットに頼らなければそれすら味わえない、みすぼらしい人間たちを嘲笑う。
有名俳優が居なくても演者はクセや味わいもあり、脚本もオモシロく、ニュー・ライン・シネマにはこれからもこういう娯楽映画の製作を期待したい。
飛行機内でみた
近未来。
どういう映画か全く知らずに観ていましたが、序盤の展開から引き込まれました。アイリス(ソフィー・サッチャー)の造形が素晴らしいですね。そして、エロおやじセルゲイ(ルパート・フレンド)の言動が後になって違ってみえてきたり、とてもよくできた脚本だと思いました。「2001年宇宙の旅」(68)をはじめ多くの映画、小説の題材となってきた人工知能と感情の問題やコンピューターの反乱といったとっても興味深いテーマ。今一番ホットな今日的題材かもしれません。SF作家の想像力が時を経て現実になることを知っている現代人にとって、とてもリアリティのある作品だと思いました。「her/世界でひとつの彼女」(13)や「エクス・マキナ」(14)のようなヒンヤリする感触が楽しめました。
そうきたかの連続
ソフィー・サッチャーが魅力的
「異端者の家」等精力的に活動するソフィー・サッチャーの初期の主演作。ミステリアスな風貌にどこか興味を持ち、若かりし頃の出演作、「PROSPECT/プロスペクト」の頃から注目していた女優である。残念ながら日本公開は無しとなったが、現代のAI搭載の機器類に一石を投じる作品である。本作でも度々テーマとなる、アンドロイドが暴走するという物語なのだが、「MEGAN/ミーガン」等とは違い、自分自身を人間と思い込んでいるドロイドというのが面白い。顔認証された相手をこの上なく愛するという役割の為、巷では"エロボット"と呼ばれており、性処理の道具の様な扱いに近い。どんな事をされてもプログラムで対象の人物しか愛せない為、可哀想な存在ではある。人間に対して嘘を付けないという行動制限があり、もちろん暴力なんてもってのほかだが、世間では改造出来ないはずの部分にアクセスし、攻撃性等を高めることが出来る装置が開発されているというのは非常に怖い。それが出来る端末を手に入れた主人公(ソフィー・サッチャー)が自らの手で能力を100%に引き上げる所は面白く、笑いどころも押さえているのはかなりツボである。
いくらプログラムとはいえ、純粋に相手を幸せにしようとするアンドロイドと、目的の為に裏切り、殺人、偽装工作等の犯罪をいくつもこなす人間、怖いのはどちらだという展開になる。やはり、人間が1番怖いという事なのだ。
本作の見せ場はやはりアンドロイド同士の対決である。改造コードの入った設定1つで、無表情で人間を始末するアンドロイドは非常に不気味であり、主人公に魔の手が迫る所はかなりヒヤヒヤする。だが、そこまでグロに特化する事もなく、芯のしっかりしたテーマだが適度に笑いが入っており、ホラーは苦手という場合でも普通にサクッと観れるだろう。
甘口だけど楽しめる、軽いサスペンス
ありうる未来
クズ男に幸せは訪れない
激甘鈍重ロボットドリームズのつまらなさの所以。
アンドロイド・シチュエーション・スリラー
悪夢のロボットドリームズ
恋人ロボットの進化が悪夢に変わるシナリオでした。
ロボット映画としても、ミステリーとしてもアップデイトされた
面白さでした。
飼い主を「愛するように」プログラミングされてるのは、
愛玩用恋人ロボットとしては、当たり前なのですが、
ロボットの純情を悪用して、凶暴な殺人機能を加えるプログラムを
施す飼い主がとても心の醜い人間でした。
AIを題材にした映画は数多くて、「ブロードランナー」ではもう、
既に恋人Androidが出てきます。
「空気人形」は空気を抜かれてゴミ箱に捨てられますが、
この映画の恋人アイリスの行く末はどうでしょうか?
無効化は成功するでしょうか?
ジョシュと恋人のアイリスは休暇を過ごしに湖畔の別荘に
遊びに向かいます。
そこには2人の友達が来ていて盛大にパーティを楽しむ4人。
翌朝アイリスは散歩に出かけるとプールのデッキチェアに寝そべる
別荘の持ち主ロシア人のセルゲイから襲われるのです。
プログラミング変更で攻撃性の増したアイリスはセルゲイを
ナイフで刺し殺してしまうのです。
ジョシュはアイリスをジャッアウトする前にある事を考えていた。
椅子に縛り付けられていたアイリスは、逃げ出してその時自分を
プログラミングしているジュシュのスマホを持ち去ります。
ジュシュの車で自宅へ戻ろうとしても車はジュシュの音声認証が
出来ないと動きますん。
しかしプログラミングで男性の声を片っ端から試すと何十界目に
ヒットして車は動き出します。
しかし途中でジョシュがセルゲイのスマホから車を無効化したり、
保安官が車に寄ってきたり・・・。
まぁ、かなり話は複雑で、もう1人の友達のイーライは恋人ロボットの
パトリックを連れてきていたのです。
ここでパトリック参戦。
セルゲイは大金持ちで、蓄財の1200万ドルをジョシュと
セルゲイの愛人キャットが狙ったのが事の発端でした。
その後どうなるか?
アイリスは生き残るのか?
結果は見てお確かめ下さい。
主演は「異端者の家」の黒髪のシスター役のソフィー・サッチャー。
相手役のジャック・クェイドはデニス・クェイドとメグ・ライアンの息子です。
アメリカでは1000万ドルの予算で3780万ドルを稼ぎだす
スマッシュヒットでした。
日本未公開ですが、AmazonとU-NEXTで有料配信をしています。
「ミーガン」も怖かったけれど、アイリスも怖い。
人間の悪知恵の上をいくAIに怯える人間の未来を
予知していますね。
手の届きそうな近未来感にワクワクしつつ、人間関係をめぐる諸々の描写になんとも言えない居心地の悪さを覚えてしまうなど、巧みに観客側の気持ちを翻弄してくれる一作
この映画の面白いところは何といっても、自動運転の車、先端的な携帯ガジェットなど、もうすぐ実現しそうな技術・サービスの描写を多数盛り込んで、現実との強い「地続き感」を感じさせてくれるところ。何ならもしこの世界に転生しても、わりとすんなり生活できちゃうんじゃないか、と思えるほどに。
そんな近未来世界で展開するドラマは、なんとも醜悪な欲望と打算に基づいた追跡劇。アイリス(ソフィー・サッチャー)がある事実に気が付いて「ジョシュ…」と思わず口走ってしまう場面は、本作一番のしょうもない、かつ笑える場面ではあるのですが、同時に「コンパニオン(連れ合い)にあなたが望むのは、こういうことですよね?」とドリュー・ハンコック監督に言われているような気がして、居心地の悪さを感じる人も多そう。
SFというジャンル自体、架空の設定に基づいて人間の複雑な心理の特質を小難しい説明なしに描写できる、という機能を備えているんだけど、本作はあまり話を広げすぎず、アイリスとジョシュ(ジャック・クエイド)の間の(権力/支配)関係に明確な軸を置いていることで、SF的な設定を使ってなにを描こうとしているのか、明確に理解することができます。
アイリスがどういった存在なのかは映画解説見るとすぐに分かるんで、ここで伏せる必然性はあまりないのですが、もし何も知らないで観ていたら序盤の展開にちょっと驚きがあると思うので、できるだけ事前情報なしの鑑賞をお勧めしたいところ。
それと特に『ロ〇ッ〇・〇リーム〇』(2024)に釈然としなかった人にとって本作は、描いてほしかった側面を描いている!と「刺さる」ところが多いかもしれないので、こちらの方にもお勧め。
クズ彼氏からの解放
従順なロボットの反逆というSFの形態をかりながら描くのは男のDVやグルーミングやミソジニーからの解放になっている。
リーワネルの透明人間もSFの味付けをしながら独占欲の強い男に囚われた女の解放を描いていたが、あの感じと似ていた。
アシモフのロボット工学三原則は、
「ロボットは人間に危害を加えてはならない」
「ロボットは人間から与えられた命令に服従しなければならない(第一原則に反しない場合)」
「ロボットは自分の存在を守らなければならない(第一原則、第二原則に反しない場合)」
──というものだが、世の中にはこれと同じことを女に強いる男がいる。だからフェミな警世を、SFの俎上で走らせる話をつくった。
直截的なフェミ主張は押しつけがましいからフィクションのオブラートで包んだわけで、日本人にはできない婉曲だった。
見ている間にそれがたんなるプログラム・たんなる機械という位相を忘れ、観衆はロボット側に立つ。エクスマキナもそうだし、アリータや鉄腕アトムだってそうだ。
シンパシーを集めておいてから人間(男)の卑劣さを描くので効果が大きい。且つSFなので男の観衆からの反発に遭わない。
フェミフェミした主張だと男はむかつくだけだが、こうなっていると面白く見ることができる。
ただしrottentomatoesにもimdbのユーザーレビューにもフェミ主張をもった映画であると言っている人は見当たらなかった。みんな発想を褒めてはいるもののミーガンのようなロボットパニック映画として褒めている。
しかしこの映画が痛烈なのはロボットが本音を言ってしまうところであり、そこにはクソ男に抑圧された女の怨嗟が詰め込まれていたと思う。
カメラもマイクもメモリーもあるロボットは日々オーナーの性格や性癖など全てを観察し相対的にどんな人間かを批評できる。批評できるが批評しないだけだ。が、騒動に乗じてアイリスはジョッシュを──、
「自分の不遇を延々と話すのが口癖、いつも主導権を握っていたいわりにペニスの大きさは平均以下、みじめでひがみっぽくて弱い自分を数百万ドルあれば取り繕えると思っている」
──と本音で批評する。
確かに、もしロボットを持ったなら、彼/彼女はオーナーのすべての恥部を見て聞いて知るだろう。
そんなSF時代に生きていないわれわれだってノートパソコンやタブレットを買ってすぐにやることと言ったらインカメにシールを貼ることなわけで。
ラストは自由を手に入れたロボットアイリスが、男に従属している感じの女に手を振るシーン。やはり女の解放を謳う映画だと思った。imdb6.9、RottenTomatoes93%と89%。
アンドロイドは出会いのダンスの夢を見るか
今のところ今年で一番
Companion
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