終わりの鳥のレビュー・感想・評価
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オウムやインコ系は苦手なのかも
鳥ファンも必見
さて、A24と独占パートナーシップ契約締結から約1年半、ハピネットファントム・スタジオさんがここに来てA24作品を公開ラッシュです。取り敢えず、先週から上映が始まっている『ベイビーガール』は今のところ劇場鑑賞未定ですが、まずは今週公開の本作『終わりの鳥(原題:Tuesday)』を鑑賞することに。元々は鳥に興味なんて持っていなかった私も、気づけば散歩中に野鳥に目を向ける機会が多くなり、また、ラジオ番組で作家/イラストレーターのぬまがさワタリさんの話を聞いて、最近は最早無視できない存在になりつつあります。と言うことで、公開初日のTOHOシネマズ日本橋へ。やはりA24ファン(或いは鳥ファン?)が多いのか9時20分からの回はそこそこの客入りです。
今回は劇場で数回トレーラーを観て何となくどんな映画か想像しておりましたが、いやいやナメちゃいけません。恐らく多くの人にとって「想像の斜め上を行く展開」は大げさでなく奇想天外。死生観というデリケートなテーマを、奇抜ながらどこか愛嬌を感じる架空のキャラクターを介し、アイロニカルでオフビートなユーモアを交じえて語られるストーリー。そして最後、遺された者への言葉にみる「ユニークな解釈」に救われ、観終わればじんわりと心に沁みます。
まず冒頭から、正にその名の通り「死神(Death)」の役割を司るコンゴウインコ(アリンゼ・ケニ)デス/Deathの登場に気味の悪さを覚えます。そして、いよいよ「その時」が目の前に迫る15歳の少女チューズデー/Tuesday(ローラ・ペティクルー)のもとに現れたデスですが、やや焦りながらも意外な話をし始めるチューズデーについつい耳を傾け、そしてその皮肉のきいたパンチラインを気に入り、チューズデーの「最後のお願い」を承諾します。まだ15歳とは言え他者との関わりよりもむしろ、自分にがっつり面と向かわざるを得ない人生を過ごしてきたチューズデー。会話の端々に悲哀を越えたそのアイロニーがデスの琴線をくすぐり、いつしかデスの中に渦巻く「人々の声」を静めます。そしてその夜、ようやく帰宅してきたチューズデーの母・ゾラ(ジュリア・ルイス=ドレイファス)。弱りゆく娘という「現実」を受け入れられず、ついつい逃げたり胡麻化したりしてしまうゾラ。チューズデーがデスとの交わした「最後のお願い」を切り出そうにも話を逸らそうとするゾラに、とうとうチューズデーがデスの存在を明かすのですが…。
本作の監督、脚本はクロアチア出身の新鋭ダイナ・O・プスィッチ。「死生観」という普遍的なテーマに古臭さ、説教臭さを一切感じさせない斬新なアイディアでアプローチするテクニックは「ユニーク」。劇中において、デスがチューズデーを評して「ユニーク」と表現しますが、これだけ個性的な表現方法を駆使しつつ、ちゃんと傑作に仕上げる力量のダイナ・O・プスィッチ監督こそ「ユニーク」な存在と感じます。今後が楽しみで勿論チェックインしましたが、私が一人目。。次作も期待しています!
メメント・モリ
まあ、この鳥ならついて行ってもいいかな。
全く予想もしなかった展開の中、出来事がもたらす結果がちょっと昔話的に感じるくらい自由。
これは、あるママが賢くて勇敢な娘の死を受け入れるまでの、成長物語。
受け入れ難い現実を、デスを通して見ざるを得なくなったママ。死を巡る旅は彼女の心にどんな変化をもたらしたのか。
自分の死を自覚するだけでも怖いだろうに、ママがそれを受け入れるまで待とうとする、Tuesday の健気さに泣く。
死神の苦悩も存分に描かれていた。
常にノイズが脳内に響いている上に、世話してやってる人間からは、かけられる言葉が呪いのようにドス黒い感情を含むものばかり。あれは頭おかしくなるよ。
チューズデーに促されるままに汚れを洗い流したことで目に見えて浄化されたのをみて、こちらもなんかスッキリした。
あのベタベタはドス黒い感情が視覚化したもんだよなあ。
死神が鳥なんて嫌だ!!
私の時はイ・ドンウクにしてくれ涙!!と思ってたけど、鳥も意外と良いやつで、観ているうちにこの鳥が好きになってくる不思議。
どんなものでも命には限りがある。
お迎えに来てくれる死の予感が、こんだけユーモアに溢れた優しい何かなら、まあいいかなと思ってしまった。
うん。
音楽もカッコよかったし、話も死神のビジュアルも含めて新しくてよかった。
良い映画だ。
死神?
ホラーかと思ってみたら全然違いました。すごく良かったです。
選択... 生き別れか?死に別れか? どちらを選びます?
Well, she's a teenager, so, you know... She's just running
around, uh, drinking and chasing after boys and stuff.
So... I'm hoping it'll take her ages to even notice that
these are gone. ー 母親のゾラの願望が生んだ悲しい嘘です。
主演の一人で娘のチューズデーを演じたノンバイナリーでもある女優さんは、撮影当時、15才の役を25才で演じたとされる。個人的には年齢なんてどうでもいいと思っていると、この役に関しては、ジョークをはじめ母親をも諭す場面があることから、あたしは死を避けれない立場なのに落ち着いていて、母親のゾラとは正反対に違い、取り乱さない冷静な演技が反って好印象となっている。ところでもって、名前が「火曜日」って?
In the popular nursery rhyme “Monday’s Child,” which is supposed
to predict baby’s future, it is said, “Tuesday’s child is full of grace.
” Never let baby forget when they were born with the name Tuesday.
ですって
古くは、その鳥を見れば病が治ると言われた鳥から、死を告げる墓場鳥ナイチンゲールだったけど、ここではインコちゃん...その彼のお言葉
Madam...
You need to say goodbye to your daughter.
Life... Every life ends. You cannot avoid...
人の死に関わる作品なので気持ち的には憂鬱であまり好みと言える映画と言えないかもしれないけど何故か、不思議なぐらいに見入ってしまっていた。お母さんのオトボケぶりとインコちゃんの掛け合いがシリアスなのかコメディなのか、全然わからず笑えなかったけども...だからインコちゃんの低音ボイスというよりも...
"コンゴウインコちゃんの姿が全てで、それが曖昧なら映画は終わりです。"
先日、映画『Wicked』を見る機会があったけど権威主義的な教授を山羊に仕立てていたけどその造形の曖昧さ(CGではいまだに映像化が無理とされる人の毛髪、動物の毛、海の波... etc.)、が映画自体の質を落としていたと感じたけど本作に関しては... コンゴウインコちゃんが自らのサイズを自由自在に変えることでアップになったり引きのロングになったりと目まぐるしく変わるけどアズラエルとも "Death" とも例えられるコンゴウインコちゃんの造形はかなりの角度で先日鑑賞したおバカ映画とはクオリティがダンチに違い、鼻のようなクチバシの光の反射のテカリ具合や鳥独特の目の動きなどが違和感がなく、ギミックの確かさが死についての宣言を大事にしていると思える。ただし、若干ライトの当たり具合が実写とCGとの差があったような?
コンゴウインコちゃんは、最後に意気消沈しているゾラに次のように告げます。
There is no God. Not in any... human way. But there is an
afterlife. The echo you leave, the legacy. Your memory.
This... This is Tuesday's afterlife. How you live it is how
she lives.
ゾラの次の言葉で映画は締めくくられます。
Get up, woman. (※「立ち上がるんだ! ジョー!!」なんてね?)
この映画は評価が二分されるかもしれない...
それは、感傷的な低レベルのシノプスが小学生レベルなのかもしれない、でもその反対に...
"人は誰でも死ぬ。"
その機会が不公平に思えても決して逃げることは出来ない。その厳しい現実を物語は見据えている。娘の痛みと差し迫った死という現実に向き合うことができないゾラは、二人の関係の最も重要な節目で二人は対立する。そのことが、さらなる苦しみを引き起こす。
『終わりの鳥』は死についての映画ではなく、最愛の人を失った深い喪失に直面しても生きるのをやめることを許されない人たちが決断しなければならない選択についての映画なんです。つまり、この映画は、自分たちの心を傷つけるというよりは、人の心を立て直す拠り所となる作品と言えるかもしれません。ところで...
亡くなった人への喪失感を描いたテレビドラマがあったけど、主人公の男性が失った人の姿に会えるかもしれないとタクシーのドライバーになり13年間待ち続けている話で... NHKのドラマなんて見ないけど好きな人が出ていたので...いいドラマでした💧
古典落語にも出てくる死神...
日本落語で言う延命のためにしたことが、引き金に寿命を減らすってテーマは、生命の時間だけの事で、本作における”永遠”はその時間の観点が何処にあるのかが分かるのかもしれません。生命の終わりを司る"death" と呼ばれる彼は、決して死神ではなく、苦しんでいる人たちを救う普遍的で漠然とした存在です。
「選択... 生き別れか?死に別れか? どちらを選びます?」
... と聞きましたけど
悪質な質問でしたね?
あたしの答えは...
水平線の果てまでついていきます。(NHKのドラマの題名より拝借)
(^.^💕)エヘッ
このようなテーマは、ニコラさんの『City of Angels』ってか!?
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