プロフェッショナルのレビュー・感想・評価
全25件中、21~25件目を表示
【"聖人と罪人の島に来た人たちの夫々の罪と罰を描いた劇シブ映画。”リーアム・ニーソン父さんの渋みある声と、荒涼とした北アイルランドを背景にした人生の重みを感じさせる演技に更に磨きがかかっています。】
ー リーアム・ニーソン主演の映画は「アンノウン」以降、全て映画館で観ている。その後「96時間」シリーズを別媒体で観ており、多分主演作は全て観ていると思う。
何が言いたいかというと、私はリーアム・ニーソンのファンなんだよ!という事をアピールしているのである。(ここで、何人のファンが居るんだとか、言わないように。)-
■1970年代、北アイルランドの小さな町。フィンバー(リーアム・ニーソン)は、表向き書籍業と言いながら、裏ではロバート(コルム・ミーニイ)の依頼で暗殺業を続けていた。だが、若い頃に人殺しをしていた今では町の功労者の男を殺した事を切っ掛けに足を洗う事を決意する。
そこに、ベルファストで子ども3人を含めた爆弾テロを起こしたデラン(ケリー・コンドン)をリーダーとしたアイルランド独立を目指すIRAの過激派3人が逃げ込んで来る。デランの弟カーティスは身を寄せているバーを経営している遠い親戚であるシングルマザーの家に入り浸るが、そこの幼い娘に虐待をしている事を知ったフィンバーは、ロバートに彼の暗殺を自ら依頼し、若き暗殺者ケビン(ジャック・グリーソン)と実行する。
◆感想
・劇シブ映画である。
北アイルランドの荒涼とした土地や、地元の心優しき人達、隣人のガーデニングに精を出すリタや、警官のビンセント(キアラン・ハインズ)との交流のシーンなどでの柔らかい微笑みの中、妻マーガレットを戦時中に失った寂しさも漂わせるフィンバーを演じるリーアム・ニーソンの大スクリーンに映る姿を”これが、最後かもしれないな・・。”と感傷的になりながら、観賞する。(駄洒落ではない。)
・そこに現れたIRAのデランの弟カーティスが、フィンバーの小さな友人を虐待していると知った時に、彼の怒りは静かに燃え上がるのである。
■今作が趣深いのは、北アイルランドの地元民に溶け込んでいたフィンバーが、彼らに害を成すと思われる異物IRAの連中を排除する気持ちになる過程が、キチンと描かれているからである。
地元民が愛する黒ビールを出すアイリッシュバー。射撃の腕を競う警官のビンセントとの絆。ガーデニングについて教えてくれる隣人リタ。彼女に振舞って貰う夕食とその際の会話。フィンバーにとって、全てが大切なモノなのである。
そして、序盤は静的トーンで始まるが、中後半は動的トーンで繰り広げられるフィンバーとケビンが、IRAデランをリーダーとした3人と対峙していく起伏ある過程も良い。
デランは、弟失踪の鍵を知ると思われるロバートの家に、ノック無く入り込み彼を射殺。フィンバーはそれを知り、IRAの3人と対峙していくのである。
・デランがフィンバーの家を訪れ、彼の車を叩き壊し、問い詰める隣人リタを殴り倒す姿を遠くで見ていたフィンバーとケビン。
大胆にもラグビーの観戦中に現れたデランに指名されたパブ内での駆け引きからの、”サンフランシスコに行け、まともに生きろ”とフィンバーが指示したケビンは、いつものように笑いながらカウンターにやって来て、デランを挑発し起こる激しい銃撃戦。転がる爆薬。
そして、瀕死の重傷を負ったデランは、教会に行きフィンバーは止めを刺さずにその最後を見届けるのである。
<今作品は、ラストも良い。島を出るフィンバーに対し”本当は書籍業じゃないんだろ。”と言う警官のビンセントのパトロールカーの中に置かれた包み。
それを開けると出て来たのは「罪と罰」であり、中には賭けの際の札が一枚挟まっているのである。
今作は、リーアム・ニーソンの渋みある声と、荒涼とした北アイルランドを背景にした人生の重みを感じさせる演技に更に磨きがかかっている作品なのである。>
プロはどこにもいなかったけど、リーアム兄貴は変わらぬままだったよ
2025.4.12 字幕 MOVIX京都
2024年、アイルランド、106分、G
北アイルランド紛争の余波を受けた田舎町を舞台にしたスリラー映画
監督はロバート・ロレンツ
脚本はマーク・マイケル・マクナリー&テリー・ローン
原題は『In the Land of Saints and Sinners』で、直訳すると「聖人と罪人の国で」という意味
物語の舞台は、1974年の北アイルランドのベルファスト
IRAのメンバーであるデラン(ケリー・コンドン)率いるチームは、スワンズ・バーの前にて車による爆弾テロを計画していた
だが、そこに家族連れが通りかかってしまったため、民間人に犠牲が出てしまった
デランはその場から立ち去り、弟カーティス(デズモンド・イーストウッド)の親戚がいる田舎町へと潜伏することになった
一方その頃、その町に住むフィンバー(リーアム・ニーソン)は友人で警察官のビンセント(キリアン・ハインズ)とともに射的の賭けをして遊んでいた
ある日のこと、バーの店員シニード(Sarah Greene)の娘モヤ(Michelle Gleeson)の首筋に虐待のような傷跡を見つけてしまう
シニードにそれとなく探りを入れても知らない様子で、その原因を掴もうと彼女の家を訪ねた
そこにはシニードの親戚という見慣れない男がいて、フィンバーは彼がその原因ではないかと感じていた
シニードは「いなくなれば良い」と呟き、フィンバーは彼がこの町にふさわしくない異物だと考えた
そこでフィンバーは、彼に近づき、郊外に連れ出して殺してしまう
彼は、かねてより暗殺に身を委ねていた人物で、そのターゲットの眠る土地に、彼を埋葬することになったのである
物語は、カーティスの不在を怪しんだデランがその行方を追う中で、町の秘密に迫る様子が描かれていく
この土地にはならず者が居着いていると聞いたデランは、フィンバーの雇い主でもあるロバート(コルム・ミーニー)の元へと向かった
ロバートはデランたちにただならぬものを感じるものの、やむなく口を封じられてしまう
そして、その知らせはロバートの妻ジョシー(Anne Brogan)から同業のケビン(ジャック・グリーソン)を経て、フィンバーの元へと伝わることになったのである
映画は、紛争が背景にあるものの、そこまでガッツリ絡んでいるというわけではなかった
フィンバー自身もそう言ったものに加担してきた歴史があるものの、そこまで色濃くは描かれておらず、単に田舎町の治安を維持するために動いているように思える
彼自身は引退を示唆し、余生を考えていたのだが、そこに降って湧いたのがデラン一味という異物だった
それを排除するために暗躍するものの、被害が拡大し、居場所を無くしてしまうのである
ラストでは、読みかけのドストエフスキーの『罪と罰』が登場するのだが、内容を知っている人はニヤリとしてしまうかもしれない
『罪と罰』では、「正当化される殺人」などがテーマとして盛り込まれているが、フィンバーはこの作品に登場するポリフィリィ刑事をビンセントになぞらえていた
フィンバー自身が「それ(正当化される殺人)」を行っていたという告白にも取れるのだが、それはビンセントが『罪と罰』を読むまで意味が通じないかもしれない
その読破期間が猶予にもなっていると思うので、ビンセントの性格を熟知したフィンバーならではの謎かけになっているのかな、と感じた
いずれにせよ、そこまで難しい話でもなく、北アイルランド紛争に詳しくなくてもOKだと思う
『罪と罰』に関しても、映画で語られる文脈から察することができるので、興味のある人はこれを機会に読んでみると良いのかもしれません
かなりハードルが高い作品だと思いますが、いろんな映画に引用される古典でもあるので、ざっくりと内容を覚えておいても良いのかな、と感じた
リーアム・ニーソン主演なので無条件で☆5 (^^)。あと、全然プロフェッショナルではない ( ̄▽ ̄)
邦題 「プロフェッショナル」は、同日公開の「The Amateur」 (邦題 アマチュア) に当ててきただけに違いない。
なぜなら、リーアム・ニーソン演じるフィンバーも敵対するIRA(アイルランド共和軍)のデラン姉さん(ケリー・コンドンさん)も、じぇーんじぇんプロフェッショナルじゃないからだ。
たしかにフィンバーは、長年にわたりプロの殺し屋としてやってきたのだからプロと言えばプロなのだが、別に元海兵隊とか元CIAエージェントとか特殊訓練で鍛え上げられたプロフェッショナルではない。
見てると、けっこう判断ミスや、ポカが多くて、とてもプロフェッショナルとは言えないと思った。
それはIRAのお姉さんも同じだ。ただ姉えさんは、割と躊躇せずにさっさと引き金引くし、さっさとぶん殴る。だけど、それは姉さんが短期で気性が荒いというだけで、仕事を遂行する際に、プロフェッショナルとして戸惑いや迷いがないという事ではないように思う。
ちなみに原題は In the Land of Saints and Sinners となってるが、土地が聖人と罪人の土地ってだけで、フィンバー(リーアム・ニーソン)は聖者(善玉側)ではないし、敵のIRAのお姉さんも善人ではない。どっちもSinner(罪びと)である。
だいたいフィンバーは少女を助けたとはいえ、その解決方法が殺人だし、そもそも殺し屋だから100パー罪びとである。
いちおう今回は少女を守るための正義の鉄槌で、自分の大切なものを守るためという大義名分があったから、正義の側と言えなくもない。かもである。
IRAの姉さんは、北アイルランドを英国から取り戻す大義の為とはいえ、武力闘争でやたら爆弾テロする過激派だから罪びと決定である。リーアム・ニーソンの隣人の女性にムカついたからってぶん殴るし。まったく(´~`)
今回、姉さんがリーアム・ニーソン狙うのは、アイルランド奪還という大義の為ではない。だけど、殺された弟の仇討ちという個人的には正当な理由、大義があると言える。のかな? これも、かもである。
とにかく2人とも司法の手に判断をゆだねて解決を図ろうなんて気は、はなからない。そもそも最初っからそんな方向に思考が進まないようだ。これは潔いというのとも、ちと違うような気もする。
そーいうわけで、私怨にまつわるバトルが、ごくごく狭い地域で勃発ずる。
ところで、リーアム・ニーソン演じるフィンバーはプロフェッショナルじゃないから、ポカをする。
少女を守るためにトランクに閉じ込めたIRA姉さんの弟を危うく取り逃がしそうだったし、競技場では姉さんに背後つかれる。
特にこの背後を取られた場面なんか、銃弾3発ぐらいぶち込まれて終わりである。 "THE END" の文字が画面に出てエンドロールが始まり、観客があっけに取られてポカンとする大ポカである。
まあ、リーアム・ニーソンだからOKである♪ヽ(´▽`)/
あと、IRA姉さんがフィンバーの車をメチャクチャに壊した時、若手の殺し屋が姉さんを狙撃しようとしたのに、「隣人の女性を巻き込みたくない」とか言ってリーアム・兄さんが止めちゃうんだぜ (*゜д゜*)
大大大ポカっていうか、大々判断ミスだろう? もうまったくう(´~`)
もちろんリーアム・ジーサンだからOKである (/--)/
まあ、そういうわけでリーアム・ニーソンの新作が見れたので大満足だ (^^)。
リーアム・ニーソンの新作は初日に見ることにしてるのだが、よく行く映画館での上映がなかったから、予告もチラシも見なかったので、新作が今日から公開されるのを、金曜の朝まで知らなかった。危うく初日を見逃してしまうところだった。午前中の回はしっかり見逃したけど (^^)。
けっこうよかった
殺し屋が引退しようとすると大抵の場合組織から追われる身となる。しかしこの映画では組織自体が小さいというか個人で請け負っているみたいな感じで、引退がすんなり認められる。元々奥さんがいてこじんまりとした自宅もあって、質素な暮らしぶりで殺し屋にしては荒んでいない。
テロリストの女が、冒頭で子どもを救おうとする。心優しい女なのかと思ったらとんでもなく凶暴だ。彼らは彼らなりに事情があるのだろうけど、隣のおばちゃんを殴るなどひどい。
殺し屋の若者が気のいい男だったのにあっさり殺されて悲しい。
ロリー・ギャラガー ♪Live in Europe を片手に
Condemned as ‘un-American’ upon release, ○○○○’s
1954 classic remains one of the most forward-thinking
films of its era.
今では、名作と呼ばれ、西部劇を一変させたとされる映画も時代によっては、「最低な映画」と言う烙印を押されていたこともある。
まあ、それはさておき。
最近のニーソンの映画は、個人的には期待するばかりで、つまらないものがほとんどで、この映画もあまり大してはないだろうと思ってあきらめ半分で鑑賞... この監督って、クリント・イーストウッドのもと映画製作に関わり、射撃の名手『マークスマン』を撮った人だったとは知らなかった。
だからなのか? イングランドではありえないノスタルジックで派手さのないアイリッシュ・フィルムとなっている。それとニーソンの事をアメリカ人の監督は、ある意味、尊敬のまなざしと共に考えているってとこ。それは共時性から分かれば幸いです... 愛する人を亡くした男の方!
現地の人は、その飲み物を種類は変われど... 例えば
赤道に近いアジアの国では一年中暑いために"のどごし生"の炭酸飲料なのに氷を入れて飲み(おこちゃまと同じように極東のエイプ達は味が劣るとして飲めない)、あるところでは、今見るとイメージがだいぶ違う、コクのあるオレンジ色の中にゆっくりと泡立ちマッタリとしたアルコール炭酸飲料...etc. そしてアイルランドと言えば、下等動物の国では100年後に現れた大人の飲み物が、タバーンにあるカウンターに小道具として象徴的に何気なく置かれている。そして、その左ハンドル好きでつむじが左巻きの尻尾を無くしたこいつらには決して似合わない右ハンドルのフォード。何と言っても脇をを固めているのがSci-Fi ドラマ『新スター・トレック』に出演したコルム・ミーニーをはじめアイルランド出身の俳優陣であることが挙げられる。(※スタッフも全てアイルランドの方達)
でもって、事件が発生するきっかけとなった場所が、彼が演劇を始めた北アイルランドの首都ベルファストであること。
彼は以前、敵対する元 "IRA" メンバーの役を務めたことがあるけれど皮肉にも本作では真逆の立場を担っている。
『マークスマン』でも描いているように弱い立場の子供を助ける地味でアイリッシュ魂を感じるローンウルフ映画となっている。
アイルランドには行ったことがないけど緑を基調とした風景と映像やタバーンの雰囲気などと相まって、思っていた以上にリズミカルなアイリッシュ音楽を満喫できたのも特徴と言えるけど敵役が女性ではねぇ~...
決して女性差別ではありませんけど... 何か?
ただ権利上、よその国では映画館ではなくて、デジタル・プラットフォームで配信が開始されている。失礼、興ざめでないことを祈ります。
全25件中、21~25件目を表示