「【”貴女には、慎みが必要どす!”今作は、京都を舞台にしたイケズな京都人を揶揄した映画かと思いきや、勝手に京都人のイメージを作り上げて暴走する”よそさん”の姿をシニカルに描いたコメディなのである。】」ぶぶ漬けどうどす NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”貴女には、慎みが必要どす!”今作は、京都を舞台にしたイケズな京都人を揶揄した映画かと思いきや、勝手に京都人のイメージを作り上げて暴走する”よそさん”の姿をシニカルに描いたコメディなのである。】
ー あ、あとはヤッパリ京都人の本音と建前を使い分ける独特の文化を描いた作品だと思います。更に書くけれど、この作品の評点は、エラソーだけど3.25位かな。四捨五入して3.5ね。チョイ言い訳がましいけれど、京都好きなんで、怒っちゃ嫌よ!-
■京都で450年続く老舗扇子屋の跡継ぎ(今は東京で、サラリーマン:所謂、”東男に京女”の逆、”東女に京男”だからギクシャクしているのかな。)と結婚したまどか(深川麻衣)は、古都、京都の暮らしや風習をリポートするコミックエッセイを書くために、扇子屋に居候を始める。
だが、京都人の本音と建前が分かっていないまどかは、見聞きしたことをそのままコミックエッセイにした事で、老舗扇子屋を営む夫婦や、他の老舗を営む人々を困惑させ、怒らせてしまうのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・最初は、まどかに若干同情しつつも、思い込みが強すぎる人だなあと思いながら、観賞。マア、私を含めて”京都の人は、薄味の和食が好きとか、本音を言わずに遠回しに気持ちを伝える人が多い”とか、勝手に思っている人は、マアマアいらっしゃると思う。
・けれども、私の経験から言えば、パン好き、洋食好きの人が多いし(京都の牛肉消費量の多さや、分かり易い所で言えばパン屋さんや、喫茶店、美味しい洋食店の多さは、京都に行けば分かる。)、言いたいことをズバッと言う人も普通にいる。
・あとはねえ、私は”ブブ漬けどうどす?”って言われた事はないなあ。
あ、こんなことを書いていると”よそさんが、何ゆうてまんね。”とか言われそうだからこの辺にするね。
・劇中で、まどかがTV取材を受けた時に、勝手に女将さん達の集まりを”洛中女将の会”などと名付けてしまい、片岡礼子さん演じる女将からムッチャ、怒られる所は面白怖かったな。”洛中と洛外”って案外知らない人が多いんだ!と思ったり、あとは片岡礼子さんって、お綺麗な方なんだけど、怒った時の眼が怖いんだよね。ウワワわ・・。(片岡さん、ホントスイマセン・・。)
・劇中で、老舗扇子屋の女将さん(室井滋)が、”マンションに住みたい。”と呟いて、知り合いの工務店の男(豊原功補)が職人を派遣して改築する姿に、まどかが反発するシーンがあるけれど、あれこそ”よそさん”が勝手に京都の老舗を守ろうと暴走する姿であり、女将さんが、“おくどさんで、ご飯を炊くのは大変なんや!”とまどかにブチ切れるシーンがあるが、京都町屋に住む人たちの、あるあるかもしれないね。
<今作は、構成としてはチョイ粗いと思ったなあ。頑張れ、冨永昌敬監督!
けれども、京都の人がオーバーツーリズムに悩む話は良く聞くし”京都の伝統的な生活に憧れるのは良いけれど、貴方は本当に京都の老舗の店の大変さを知っているかい?”という視点は面白かったかな。じゃーね。>
■個人的に京都の方の優しさと、奥深さを知った出来事を記す。(他には、書けない恥ずかしい事多数・・。)
・再び、京都に酒を呑みに行くようになった最初の頃、老舗のナカナカ予約が取れない有名な小料理屋で呑んだ時の事。
壁には”お酒はお一人三本まで”と、達筆な字で和紙の張り紙がしてあったんだけど、私は酒のみという事もあるが、愚かしくも”もう一本良いですか?”と聞き、出して貰った時に、大将が笑顔で”お強いですな”と言った時に”しまった!”と思い、とても恥ずかしくなった事を思い出すな。
”三本まで”と言うのは、大将のお母さんがお酒は三本までが楽しく飲める範囲で決めた事だそうで、尚且つ”長ッ尻”の客(私)を追い出すためだったんだよね。大将に謝ると”ハハハ”と笑ってくれて一応、許してくれたんだけどあの出来事は今でも戒めとして覚えているんだよね。はあ。