ファンファーレ!ふたつの音のレビュー・感想・評価
全94件中、41~60件目を表示
音楽の魅力を教えてくれる
評価が高く、映画コムのキャッチコピーが「よい映画ではないです。最高によい映画です。」とあり、チラシにはフランスでの観客動員数260万人、カンヌ出品などなど注目せずにはいられず、見てみようかとweb予約をしようとしたら「残りわずか」となっていて、これは見るべき映画と思って見てきました。映画の導入部分がいいです。主人公がオーケストラを指揮して、その指導ぶりが本物っぽくて、一個一個の指導でオーケストラどんどんよくなっていく感じがしてて、映画に入り込むことができました。
いろいろな映画のいいところが入っている気がしました。オーソドックスなストーリー展開ではあるもののラストのコンサートシーンではグっときてしまいます。
音楽が根本的に持っている人を感動させること、人を惹きつけること、人同士をつなげ、融和させることを教えてくれる映画でした。
感動作でした。オススメします
ボレロは名曲
忘れられない景色
有名な指揮者の男が白血病で倒れてしまい、骨髄移植の為に生き別れの弟に会いに行くが…といった物語。
いきなり兄と言われても…と言うことで癇癪を起こし飛び出してしまうジミー。こりゃあティポにとって前途多難になりそうだ…と思ったら、え!?思いの外…。そこは本筋じゃないのか!?
そんなこんなで、生き別れ後に比較的恵まれ指揮者にまでなれたティポと、寂れた町で余裕の無い生活のジミー。命の恩人でもあり、この不公平を埋めようとジミーを支えたいティポだったが。
大人になった男同士の良き関係性や、熱くも卑屈な一面を覗かせるジミーの健気な挑戦、そして挫折。それに寄り添おうとするティポの姿。仲間達との軋轢や絆、その全てが儚くも美しいですね。
個人的には、短かったけどティポとジミーの育ての母との2人のシーンがお気に入りかな。余裕もないのに、知ってたら両方って…。ちょっと目頭が熱くなったよ。
終盤に向けての流れは人それぞれ感じ方が異なるだろうな、と思いつつ、ここまでに胸がアツくなるクライマックスも沢山映画観てきましたが中々ないですよね。皆が通じ合えるツールがそこに…。
ワタクシも趣味で音楽をやってますが、改めて良いなぁと思わされたし、これで誰かと繋がれたら…そんなことを思わされた作品だった。
そう来たか 初演ぶっ飛ぶ ボレロかな
普通のフランス映画に接する喜び!
つかみは抜群!最初に出てきた兄ティボの指揮する劇的なベートーヴェンのエグモント序曲と、弟ジミーが初めて兄を訪ねてきた時、ヘッドフォン越しに聴いたモーツアルトのピアノ協奏曲第23番の第2楽章がよかった。この第2楽章は、東山魁夷画伯が描いた絵画の中で、最もよく知られている「緑響く」を思い出させる。
この映画のテーマは、脚本も担当されたエマニュエル・クールコル監督も言われているように、社会、労働者、音楽という、英国で取り上げてきたターゲットに近い。この映画の舞台も、英国に近いフランスのノール(北の方)と呼ばれる地域で、ダンケルクやユーロスターが通るリールの近く。ただ、過去には繁栄した重要な鉱工業地帯だが、EUの発展に伴い、移民を抱えるパリの近郊とは、また違った苦しさがある。ジミーがトロンボーンを吹いているワランクール炭鉱吹奏楽団も、コスチュームは炭坑夫を思わせるが、炭鉱自体は1980年に閉山し、楽団を町の人が引き継いでいる。何とこの地域には、活動を続けている吹奏楽団が800にも及ぶそうだ。その後できた工場も閉鎖の憂き目に遭っているが、何とかして、その状態を乗り切りたいというのが底流だろう。
生き別れだった兄と弟も、兄ティボへの骨髄移植のために出会ったが、最初からうまく行ったわけではなかった。兄は小さい頃から音楽家となるための理想的な環境に置かれ、裕福な人向けのクラッシック音楽の世界にいたが、弟はそうした環境ではなく、労働者と共に、楽譜の読めない人もいる吹奏楽団にいる。二人の心が触れ合ったのは、ジャズ「クリフォードの思い出」であったことが印象的。二人とも音楽について、特に秀でた才能を持っていたからだろう。エンディングでは、ある曲の演奏をきっかけに何とか和解に漕ぎつけることができた二人だが、今後の行方は決して平たんではない。ティボには病との、ジミーには職との戦いが待っている。途中、シャルル・アズナブールの歌「Emmenez-moi (世界の果てに)」で出てきた「Moi qui n’ai connu toute ma vie que le ciel du nord (私は今まで北の空しか知らなかった)」という歌詞が心に残る。北の海に射す僅かな光明、これがフランス映画。
最後の演奏でいい結末に持っていかれた
オーケストラ絡みの映画って侮れない。ありきたりの展開や観たことのあるような設定でも、最後には感動させられたりする。
本作も、骨髄の移植が必要な病気にかかったことをきっかけに、実の弟がいることを知ったオーケストラ指揮者の話。でも、闘病や手術についてはさらっと描かれ、2人の男が兄弟になっていく話がメインだった。
裕福な家庭で音楽家として成功している兄と、ちょっと口が悪く学食で働く弟。あまりに違う家庭環境で育った2人が兄弟としての絆を認識するのが音楽という流れはありきたりとも言えるがとてもいい。絶対音感を持っている弟が、音楽家として成功したりする流れだとゲンナリしていたと思うが、そこはきちんと現実を提示していて安心した。
そして最後の演奏。かなり強引だし、なんでここで?とも思うが、そこは目をつむるしかない。多くは語られないから受け付けない人も多いと思うが、個人的には2人が本当の兄弟になったと思えて涙を止めることができなかった。彼らの未来は明るいとは言えないが、素晴らしいラストだった。
やはり、最後に演奏される音楽で感動の結末に持っていかれてしまった。やはりオーケストラ絡みの映画は侮れない。
内容は良い話
クラシック、ジャズ、シャンソン(フレンチポップ)に浸る
リー・モーガンとアート・ブレイキーの「クリフォードの想い出」(1956年25歳の若さで亡くなった天才トランペッター、クリフォード・ブラウンに捧げられたトランペットの名曲、ティボとジミーは狭いジミーの部屋でこのレコードを聴いてお互いの理解を深める)、ダリダの「踊らせて」(仲良くなった兄弟がこの歌に合わせておどけてダンスを踊る)、シャルル・アズナブールの「世界の果て」(″僕は北国しか知らない″という歌詞が印象的。手術の失敗を知らされる悲劇的場面でこの歌が流れる、いや′ティボが歌う′だったかな)、ティボが指揮する楽団が演奏するドビュッシーの「牧神の午後の変奏曲」、ジミーが所属する炭鉱の吹奏楽団が演奏するヴェルディの「凱旋行進曲」、ラストの感動的場面でのラヴェルの「ボレロ」。
ティボが指揮するエリート音楽家たちの演奏も見応えがあるけど、ジミーの所属する寂れた炭鉱の素人吹奏楽団の演奏も楽しい。演奏をめぐる彼らのやりとりがまた楽しい。お互いを下手くそって平気で詰るの、日本人じゃあり得ないんだけど。フランス人だからなの、映画の中だからなの。まあ気を遣い合う日本人とは違うよね。
そしてティボの発するブラックジョーク。僕は面白かった。今の日本人て好い人に振る舞うこと、なんかいつも強制されてる感あるからな(コレ僕の偏見)。ああいうジョーク、僕は楽しい。
先週は「リンダリンダリンダ」で女子高生のパンクロックを聴いて涙しました。音楽っていいですね。もちろん映画っていいですね。
なんだかなんとも粋で泣ける
いい映画でした!
ラストのボレロはその手があったか!
素晴らしかった。フランスの地方都市の炭鉱オーケストラ楽団のジミーと世界的な有名な指揮者ティボの2人の兄弟の対比が見事に描いていた。至ってシンプルな作品。ラストのボレロはああいう手があったのかと驚いた。伏線回収は◎。
ジミー役のピエールロダンは秋が来るとき以来。彼の演技は見事。彼のキャラなのか。ラストに驚いた作品。
全94件中、41~60件目を表示












