ファンファーレ!ふたつの音のレビュー・感想・評価
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フランスのオーケストラ映画は良いね
オーケストラものは登場人物も多いから、エピソードには事欠かない。本業が他にあるアマチュア楽団ならなおのこと。
しかも閉鎖危機にある工場の楽団で、生き別れの兄弟で骨髄移植とかてんこ盛り。
育った環境は違っても、揃って音楽の才能があるのは、少々出来すぎではあるのだけど、楽しそうな2人にほっこりする。
ちょっとした兄弟のすれ違いがあり、お決まりと言ってもいい、ライバルとのぶち壊しトラブルを経て、工場でのコンサートが企画されるワケだけど、去年『ボレロ 永遠の旋律』を観ていたから、工場の音から作曲されたことか予習できていて良かった。
工場がやんごとなき状況に陥って、どうなることかと思ったけど、まさかそんな展開とは。
やっぱりオーケストラものは、音楽で感動させる力があるから好きだ。
タイトルの『ふたつの音』がそういう意味だったのかと、胸が熱くなった。
9月19日初日だったから、上映終了にならないか不安だったけど、間に合ってよかった。
たしかにファンファーレ!
音楽映画かと思いきやブラザーフッド映画だった
兄ティボが白血病になったのをきっかけに、生き別れになった弟ジミーを見つけ、
兄の治療に協力することで、絆が生まれていく。
兄が世界的な指揮者、弟は食堂で働きながら吹奏楽団に参加しているのだが、
育った環境も現状も異なり、弟から反発される兄。
今度は弟の窮地を救うために尽力する兄、
すこしずつ確執(弟からの一方的な)が埋まっていき、ハッピーになるかと思いきや
兄が完治していなかったことを知る弟。。
最後の最後はふたりを結びつけた音楽で二人はわかり合いながら、弟が兄にエールを贈る
最高のエンディング。
私はもっと音楽に寄った作品なのかと思っていたけれど、
むしろ兄弟関係にスポットがあたった作品で、ラストは感動的だった。
ボレロの涙の意味を深く味わいたい。
指揮者として成功した兄(ティボ)が白血病を宣告される。
血液適合検査で、妹と血縁関係がないことが発覚し、ティボは養子であり、血のつながった弟(ジミー)がいることが明らかになる。
弟の骨髄移植を経て、兄は健康を取り戻す。
兄は弟の音楽的才能を感じて弟にもっと野心を持つべきだと励ます。
しかし、弟の音楽的才能とは、実は絶対音感ただ一つなのだ。
プロ用のトロンボーンを贈られたジミーはプロのオーケストラでの欠員募集に応募するが、他の応募者との実力の巨大な差に打ちのめされる。
兄の言う野心とは分をわきまえてのことで、弟は自分の「勘違い」に傷つく。
兄は、自分だけが恵まれてしまったことに負い目を感じ、なんとか弟を引き上げようと尽力するが、結局、弟とその周りの人間の厳しい環境を変えることが出来ない。
有名な自分が指揮をするとなれば工場の吹奏楽団は注目される、そこでボレロを演奏しようと提案するが、それで工場閉鎖が取りやめになったりするだろうか。
弟は兄の指導を得てメキメキと指揮者としての実力を得ていく、とは決してならない。
お前だけ宝くじを当てやがって、イライラする!という弟の叫びは全く本音であろう。
どうしたって上から目線のお気楽なアドバイスを超えることができない。
そして、ティボの白血病は再発し、最後のティボの作曲した交響曲の指揮はおそらく最後のステージになるだろうことが示唆される。
演奏後、ティボが指導していた「合唱」によるボレロが、ジミーの指揮で会場に響く。
ここでいきなり、涙がこぼれる。
え、どうして泣けるの?
なぜ、コンサートの最後に素人のボレロの演奏が、しかも声だけの演奏が許されるわけ?
みな、どうしてそれを当たり前に受け入れるの?
直ちに疑問がわく。
そうだ、工場は閉鎖されたのだ。←画像はこの場面のみ。
それなら、楽器は没収され、ティボのボレロのコンサートも頓挫しているのだ、そしてそのことはニュースになっていて、おそらくコンサートに来ている観客はそのことを知っているのだ。ボレロのコンサートが実施される前を狙って、工場は企業によって電撃的に閉鎖されたのだろう。
あのコンサートに集まった工場労働者たちは、ほとんどが失業者なのであろう。
私の理性はそのように慌てて解釈するが、そのようなことを理解する前に涙があふれている。
これこそ音楽の力なのだろう。
あのボレロはティボのレクイエムになるだろうことが悲しい。
しかし、あの最後のボレロのもたらす幸福感は深い。
彼らの現実がどうなるかは、全く明らかにならない。
ただ、あの多幸感で映画は閉じられる。
おしゃれだ。さすがフランス。
ただ、一つ指摘したいのは、フランスにおいて、階級を上に移動するのは不可能なのだということが、ここに現れているということ。
ご都合主義のハッピーな展開がない分、落ち着いた大人の映画であり、そこが尊いのだが、フランスの闇の深さもちゃんと感じておきたい。
鼻血、鼻血
いついつ出やる、と思っていたが最後迄出なかった。
もう移植を承諾したの?イイ奴だな。
人物と情景のカメラが全然違う、オーディションや娘、飲酒運転とか要った?不幸が爆上がりで、一体どこに連れて行くのか、緩急にもなってないよ!
と思っていたら、あのエンディング。つーと涙が流れた。お兄さん癒やし顔だ。
かたや国際的に有名なスター指揮者 こなた学校給食の料理人で余暇には地元アマチュア吹奏楽団のトロンボーン奏者 別々に育った兄と弟の物語 感動の大団円に涙涙また涙の拍手喝采
有名な指揮者であるティボが白血病を宣告され、髄液のドナーを探す過程で自分の出生の秘密を知り、フランス北部の炭鉱町で暮らす実の弟のジミーを探し出しドナーになってもらいます。そこから始まる兄と弟の交流の物語です。
兄のティボのほうはパリの裕福な家庭で育ち、幼少の頃から音楽に親しみ、自身の音楽の才能を十二分に開花させることができました。弟のジミーのほうはフランス北部の炭鉱町の労働者階級の家庭で育ち、後に兄にもすぐに気づかれるほどの絶対音感の持ち主であるにもかかわらず、才能を大きく伸ばす環境には恵まれませんでした(まあでも音楽好きで地元のアマチュア吹奏楽団でトロンボーンを吹いてはいるんですけどね)。ティボはその不公平を正そうと仕事で忙しい中、ジミーに音楽に関する助言をするようになります。最初のうちは仲がよかったんですが、やがてジミーは兄のことを宝くじに当たった人みたいな言い方をして反発するようになります。
まあ、このあたりはありがちな脚本であり、やがては仲直りして、ふたりとも未来に向かって進んでゆくみたいな予定調和的な大団円を迎えるんだろうな、といったあたりは容易に想像がつきます。また、ジミーが参加している楽団の多くのメンバーが働いている工場が経営不振で閉鎖されることになり、楽団の存続•維持が危うくなってきます。彼らは労働者の尊厳のもとに労働運動も展開するのですが……
一方、ティボのほうは成功したと思っていた手術の予後が思わしくなく、手術が実は失敗だったと告げられ、体調が悪いことも手伝って落ち込むことになります。やがて迎えたコンサートの日、ティボは頭痛に襲われながらも懸命に指揮棒を振るのですが……
もう、ここからは本篇で確かめるしかない感動の嵐です。予定調和だと思っていたのですが、想像をはるかに上回る見事なフィナーレでした。ボレロはかねてから映画と親和性が高いと思っていましたが、こんなにも効果的に使ってくるとは。涙が止まりませんでした。
ということで、目頭が熱くなりながらも多幸感あふれるエンディングなのですが、ティボの今後を考えるとなんだか切ない気持ちにもなってきます。日本語のことわざに「禍福は糾える縄の如し」というのがあります。ティボはジミーに宝くじに当たったみたいな人生を過ごしていると思われていたのかもしれませんが、幸運の後の不運に見舞われた感じでした。
まあでも今は多幸感あふれるフィナーレに没入して、ブラボーと叫び、拍手喝采を送るとしますか。
フィナーレでは?えっ!大粒の○○○が自然に!
派手さはないけどじんわりと沁みる。
SNSで流れてきて観たいと思っていました。
表現が合っているかわかりませんが、フランス映画らしいと思いました。
もがいてるけど上手くいかない、成功してる人でも不幸は訪れる。想いあってるのに噛み合わない、もし、こうだったら?そんな思いを巡らせながら終盤まで淡々と過ぎていく。
それでも。
最後のボレロは涙があふれました。
上手くいかない毎日でも
想いあって
それを伝え合えることができれば。
それだけで人生前を向ける。
それだけで少し幸せになれる。
そうやってみんな生きている、生きていたいと思えました。
派手さはないけど鑑賞後もじんわりと染み入る映画だと思います。
100万分の一
感動したい人は是非
とても良い作品で感動した。
感動して涙が出る。
ティボは世界的な指揮者なんだけど、冒頭ではプロの指揮者にしか映らず指揮者としてのレベル感が分からない。もしかしたらフランス映画の特徴かもしれないけど、説明が少ないようだ。もしかしたら公演予定のポスターを大々的に貼ってあるような演出があればスッと入ってきそうだ。
他にも説明がもう少しあったらなと思うものはいくつかあるが、丁寧にはしないところが良いのかもしれない。
以下はざっくりストーリー。
ティボは楽団の練習中に倒れる。白血病だった。妹に骨髄移植を頼むと審査の結果血縁関係にないことが分かる。ティボは生い立ちを調べ血を分けた弟がいることを知る。
弟ジミーはティボとは反対に学食でバイトしているようで貧しいようだ。娘はいるが妻とは離婚しているのだと思う。
ティボはジミーに会い、骨髄移植してもらい白血病を治療した。ティボの容体が良くなると2人は交流を持つようになる。
ジミーは地元の楽団でトロンボーンを吹いている。ジミーは絶対音感があるなど、ティボと同じく音楽家としての才能があったようだ。
ある時、ティボは骨髄移植が失敗したことをジミーに告げる。
ティボは体調不良のなか、コンサートを完結した。拍手喝采の中、ジミーたち楽団が客席から立ち上がり、皆でボレロを演奏した。
ボレロを聴きながら満足そうな顔をするティボは何を思うのか、映画はここで終わる。
ふたつの音はユニゾンになり、やがてポリフォニーへ
作品自体は有り体に言えば、映画『ブラス!』に生きる環境が違う生き別れの兄弟モノと不治の病モノを足した感じ。
でも、それだけじゃなかった。
指揮者として世界的名声を得て、忙しいけれど豊かで何の不自由もない生活を送る兄と、絶対音感を持つものの見出されず、勤務先の工場閉鎖の憂き目に遭いながらもドン底の中でブラスバンドでトロンボーンを吹く弟。
兄が白血病に侵されて家族間骨髄移植のための検査で己の出自を知り、生き別れの弟に骨髄提供を願いに訪れてから反発しながらも協力するまでがあっけないほどにサラリと描かれていて、疑問に思っていたけど、その後の展開を思えば端折って正解だったと思う。
タイトルの『ファンファーレ』は、兄にとっては皮肉だけど、弟の人生には紛れもない『始まり』の啓示。
二人がそれぞれに奏で始めた音が、ひとつの音になり、周りの人々を巻き込んで、人々が二人のことを、兄の業績のことを、弟のブラスバンドや会社のことを語る未来までが見える。
最高のエンディング!
ストーリーは、こうなるんだろうな、を裏切り続けて、最高のエンディングに!!!
そこで、「ボレロ」を選ばれましたか!
最高の選曲です。
裏切り続けた展開で、もしかしたら主人公が指揮を終えた後に、、、と思わせておいての「ボレロ」。
その音楽の輪がどんどんホール中に広がっていく音楽の奇跡!
自然と涙が溢れる今年最高のエンターテイメントの一作でした。
お薦めです!
2つの音色
音楽に心の繋がりを感じる兄弟ドラマ。
白血病が発覚し、2つの音色が少しずつ
時間をかけて交わって行く姿が格別。
そして育ての親の人格者。
包容力が凄い。
あの下らない茶化し方とジョークが
ヨーロッパらしい。
日常的にあるし、仲が良い証拠。
しかしボレロの使い方が上手。
厳しく諦めかけてたけど、ラストの不意討ちが傑作。
ボレロが込み上げてくれる気持ちを
更に上に突き上げてくれる。
有り難い作品。
音と気持ちが幾重にも重なる瞬間
オーケストラと吹奏楽団のファンファーレ
フランス語原題「En Fanfare」はブラスバンドで、大騒ぎしてという意味らしい
ちなみにブラスバンドは金管楽器主体の編成なので木管楽器を含まないのが一般的だが、日本においては吹奏楽とブラスバンドは≒に捉えられているようなのでこの場合も吹奏楽団なのだろう
英訳は「THE MARCHING BAND」でヨーロッパの楽団はもしかするとマーチングバンドが先にあるのかもしれない
ちなみにWikipediaでは
ファンファーレ(fanfare)は、主に式典などで演奏される、ごく短い華やかな楽曲である。
本来の意味から転じて、「ファンファーレ」という語は、派手な騒ぎや宣伝・誇示活動、優勝(チャンピオン)を祝福する行為などを表すときに比喩的に使われることもある。
ここまで読んでようやくこの映画のタイトルの意味が理解できた
作品は冒頭部分の骨髄ドナー探しからクスッと笑えて、兄弟仲が深まっていくところでホッコリし、一方で工場の閉鎖問題は北フランスの厳しい経済状況を知ることになる
この町にはサッカーか音楽しかないというのは弟のジミーの劇中のセリフだが、逆に言えばそれだけ文化として音楽が根付いているのだなと思った
とはいえ、子供には古臭いと思われているようだけれど。。。
現実に引き戻されてからのラストシーンは涙なくしては観られない
ふたつの音のアンサンブルがファンファーレとなって鳴り響いた
締めの「ボレロ」にやられた
全135件中、21~40件目を表示









