俺ではない炎上のレビュー・感想・評価
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今回はいい意味で裏切られました!
『SNSの大罪』と『自分は正しいと信じて疑わない人々』がメインテーマでしょうか?
前者は若年層から幅広く拡大しつつありますが、後者は高齢者にありがちですがこれまた幅広く浸透してますよね?!
少し昔の話ですが部下と客先同行した時、工場の正門ではなく裏門に連れて行かれ、寒い中たくさん歩くハメになりました。そのことに文句を言った際、彼は「僕は悪くありません、iPhoneのGPS案内が悪いんです!」って宣われ唖然としたこと懐かしく思い出しました。
その時は「今時の若いモンは!」なんて思いましたが年齢に関わらず(逆にいい歳した人の方が)「自分は悪くない」って言い張る輩はある程度、いやたくさんいるらしいことに気がつきました。
番宣で阿部寛さんが裸で壁から落下するとかメインではなさそうなエピソードを面白おかしく語られていたのでこんなにたくさんの伏線をばらまいて、丁寧に回収して行く様には感心させられました。
予告編でハマケンこと在日ファンク浜野謙太さんが阿部寛さんに「本気でそれ聞いてますか?」みたいなセリフがあって今回の阿部さんの役どころ、興味深く想像してましたが思った通りで安心するとともに自分のことがわかっていない大人が周りにもたくさんいること(自分自身大丈夫だろうか?)をしみじみ感じました。
阿部寛さんは安定の領域で安心して観られましたがインパルス板倉俊之さん、とてもいい味出してました。(インパルスはまだ存続してるんでしょうか?お騒がせ相方のせいでなかなか二人揃っての姿が見られない今日この頃ですが)
お笑いのセンスが昔から大好きな芸人さんなので『死に損なった男』でのコント監修でもいい仕事されてましたよね!
前述の浜野謙太さん、これまたミュージシャンにしておくのはもったいないくらいのいい雰囲気を持った役者さんです。『くれなずめ』で友人である主人公の訃報を聞いてスーパーの前で崩れ落ちるシーンは秀逸でした。
また芦田愛菜ちゃんの強烈な叫び声、初めて聞きましたが、予告編では誰に対して発しているのか興味津々でしたが、なるほどでした。子役からだんだん綺麗になって行くとともに演技も間違いなく進歩して行く過程を目の当たりにすると感動的ですらあります。
今回も予告編でのイメージと違った作品でしたがいい意味で裏切られた形でしたが、実のところ色々と問題提起して、ハッピーエンドであるところに嬉しくなった次第です。いい映画でした。
ネット社会へのアンチテーゼ
自分の正義で突っ走るなというメッセージ?
SNSで殺人事件の犯人と間違えられた会社員の逃亡劇?
身に覚えのないの罪で
写真や個人情報をさらされることになり
さらに自宅で死体を発見したことによってパニックになって逃走をしてしまう
実は主人公は古いタイプの人間なので
身に覚えのないとしても
行動が他人から煙たがられている
恨まれていないかというと実はそうでもない感じ
SNS炎上でスケールがでかい事件のように感じるが
あまり車を使っていないので殺人事件のスケールは小さいのでそのギャップがある
クライマックスはSNSはほとんど関係ない気がする
「私人逮捕系配信者」とか現代の風潮とマッチしている人物がでてきたりする
あと、一般人なのにSNSで犯人と疑われているからといって
写真撮影をしてSNSに投稿する人が多すぎる
主人公には娘がいるが小さいころ(2013年ごろ)の場面が挟まれており
現代と錯覚させる場面がある
そこにも主人公がでてくるところがあるが
10年くらいの時間が経っているのに
まったく歳を取っていないように見えるので
阿部寛さんがやっていると悪くないが無理があるように感じる
真犯人は取引先の若手社員で
被害者が出会い系で美人局をやっていたらしく制裁が動機
主人公は過去に娘に体罰をしたことによって、次いでに制裁という感じらしい
過去編で主人公の家のパソコンを使ったことからSNS工作はできたらしい
でも、SNSは自動入力、カギとパスワードはわかっているといっても
わざわざ家に忍び込んでやったのかと思ってしまう
娘が被害者の女子大生とのつながりはよくわからないまま終わった
友人らしいが、出会い系のことは知っていたのかわからない
本作のメッセージは
「自分の正義感で突っ走るな」「過ちを認める」
という感じに思えたが現代人には難しそう
映像ならではの表現
原作未読のまま鑑賞。
アカウントの内容から明らかに身内が作成したものだろうと思っていたが、途中で乗っ取られている、という展開に。
また犯人も恐らく子供かその友達だろう、と思っていたが、だとすればこの年齢の子が大人を2人も殺害したり、マッチングアプリに登録できるはずがないので大人の協力者がいる、と思ってたら子役はまさかの子供時代だった、という、時系列を入れ替える映像ならではのトリックはイニシエーションラブを思い出した。キーワードの馴染ませ方はミステリーとしてワクワクした。
テーマとして老害や今どきの若者の描き方、他責思考の現代へのメッセージ性など、全世代に皮肉を散らばせているのは、観客はこの映画を見ても自分のことではないと他責に考えるだろうから気分は悪くならないだろう、という目論見なのか。だとしたらその考えが皮肉そのもの、と感じた。
タイトルなし(ネタバレ)
原作未読で観ました。
ストーリーも綺麗にまとめられていて分かりやすく良かったと思います。
芦田愛菜さんの演技に惹き込まれました。
同じ言葉を繰り返すシーンでもトーンが異なり別のセリフに聞こえ、素晴らしかったです。
また、長尾謙杜くんの演技も素晴らしかったです。
目、表情の演技に惹き込まれました。
少し拙いシーンもありましたが、後半~クライマックスの追い上げは良かったです。
食い気味でのセリフ回し、闇を抱える、歪んだ正義感が上手く表されていたと思います。
みんな本音と建前で生きていて、自分の弱いところや間違いを認めること...
みんな本音と建前で生きていて、自分の弱いところや間違いを認めることができる人間ってどれくらいいるのだろうかと、考えさせられました。
くすっと笑えるところや、ハラハラするところ、最後まで楽しく鑑賞できました。
阿部寛がひたすら走って逃げる!
ずっと騙されていました……
映画が始まってから、いえ、映画の宣伝期からずっと、騙されていたのかもしれない。
全体を通して場面の切り替わりが神がかっていました。
切り替わる直前の出来事と切り替わった直後の出来事に何かしら繋がりがあり、巧みでした。場面が切り替わっても違和感を感じさせない作りになっていたと思います。
ずっとナツミだと思っていた女の子がサクラの少女時代だと気づいた時、そして傍にいた男の子(旧姓何でしたっけ、次見た時に注意深く聞いてみよう)が青江だと気づいた時、あ、騙された、と思いました。
でもそれは見抜けなかった悔しさではなく、ずっと違う世界線にいたサクラたちとナツミの世界の点と点が繋がったような、スッキリした気持ちです。
“自分は悪くない”と責任のなすりつけ合いをするような大人になりたくないと誓い、純粋な正義感に溢れていた男の子(お父さんが捕まったのってこの後でしたっけ、そこら辺も曖昧なままだなぁ)が、おそらくお父さんの事件からじていた正義が歪み始め、今の青江に繋がってしまった。(こうやってお父さんの事件がきっかけかもしれないと決めつけるように言及してしまっている私も、もしかしたらSNSを、言葉を、正しく使えていないのかもしれない。)
取調室で「僕は悪くない」と言った青江を見て、ああ、青江はいつから変わってしまったんだろう、と思いました。
この事件を担当していたおそらくベテランの刑事さんが取調室の横で「俺たちは悪くないよ」と言った時、ぞっとしました。
そして、私はこんな風になっていないかな、と考えさせられました。
スミショーの正義は、少年時代ただただ純粋な少年だった青江と重なる部分があり、それにもぞっとしたな........。
自分のしたことを悔いたであろうスミショーのラストの姿は、青江が歩むはずだった今のようにも感じました。
青江の中に、何が混ざって、何を変えてしまったんだろう。
炎が上がってからの長尾謙杜くんの演技にはずっと震え上がっていました。
車に乗り込んだシーンから、あれ、もしかして...と思い始め、サクラが「お父さん!!!」と叫んだところから全ての謎が明かされていくあの、
「?????何が起きてる?????どういうこと?????」
な展開、最高に面白かったです。
取調室の狂気が見え隠れする長尾くんの演技、本当に怖かった。
怖かった、というのがポイントだと思うんです。
殺人犯役を心の底から怖いと思えるのって、それ相応の演技力がないと成立しないと思うんですよ。
これは恐ろしいことです。
長尾くんの今後の俳優人生の末恐ろしさも感じました。
まさかの、まさかの、です。本当に。
“俺は悪くない”から"俺が悪い”へ。
最後の山縣家の姿が、私の、私たちの今後あるべき姿だと感じました。
人を疑う前にまず自分を。
私は?
本当にちゃんと、SNSを、言葉を、行動を、コントロールできているのか。
余談
ここ最近良作に出会いすぎてちょっと怖い..........この作品も想像の数倍面白かった。
「六人の嘘つきな大学生」で知られる作家・浅倉秋成の同名小説を、阿部...
「六人の嘘つきな大学生」で知られる作家・浅倉秋成の同名小説を、阿部寛主演で映画化。ある日突然、ネット上で身に覚えのない事件の犯人だと名指しされた主人公の姿を通し、SNS上で根拠の乏しい情報が“真実”となり大きな事件へと発展していくという、現代社会ならではの冤罪の恐怖を描いた。
主人公・山縣泰介を阿部寛、大学生サクラを芦田愛菜、初羽馬を藤原大祐、青江を長尾謙杜、芙由子を夏川結衣が演じる。監督は「AWAKE」の山田篤宏、脚本は「護られなかった者たちへ」「空飛ぶタイヤ」などを手がけた林民夫。
テーマは"自分は悪くない"(かどうかを考えているだけじゃ足りない)ってことです
ネタバレ厳禁🚫の上質な謎解きミステリー
「俺は悪くない」の連鎖が生む地獄絵図
最初から最後まで「俺は悪くない」という言い訳の応酬。主人公の山縣泰介(阿部寛)は、SNSで殺人犯に仕立て上げられ、「俺は悪くない」と必死に逃げ回る。しかしその叫びは冤罪の抗弁であると同時に、家族に対する小さな不誠実から目を逸らす言い訳でもある。この作品の巧みさは、「俺は悪くない」という言葉を、登場人物すべての口から吐かせ、それぞれに異なる意味を背負わせている点。
とりわけ象徴的なのが、最初にデマをリツイートした住吉初羽馬(藤原大祐)。彼は「僕は悪くない」と平然と言い放ち、罪の意識もなければ自省もない。彼のキャラクターは普段から「社会が悪い」「自分にはチャンスがない」と停滞の言い訳ばかりを繰り返す若者として描かれる。要は、彼は無自覚に他人を傷つける加害者であると同時に、被害者の衣をまとって停滞を正当化する世代の化身。炎上に群がる匿名の大衆心理の縮図が、彼一人の口から露骨に語られる。
この映画は構造自体も「誤認」を観客に体験させる仕掛けになっている。夏実の小学生時代のシーンと、現在の“サクラ”の描写を交互に見せることで、観客は無意識に同じ時間軸の話と信じ込んでしまう。これは、SNS炎上が断片的な情報を勝手に繋ぎ合わせ、都合の良い「真実」を捏造していくプロセスそのものだ。まさに「俺は悪くない」と言い張る社会の縮図を、観客自身に追体験させる構造である。
また、本作で注目すべきは、炎上の恐怖そのものよりも、泰介が「他人が自分をどう見ているのか」を土壇場になって初めて突きつけられた瞬間。彼自身は「家族のために必死に働く、普通の中年男」と思い込んでいた。しかし周囲の評価はまるで違った──。自己評価と他者評価の乖離に直面したとき、彼は初めて自分が信じてきた“俺は悪くない”の脆さに気づき、愕然とする。
なお、作品としての粗さが気になる点もあった。
3人目の被害者「砂倉紗枝」と娘の山縣夏実/サクラ(芦田愛菜)の関係について、「からにえなくさの家」の死体描写で具体的な映像や台詞はなく、臭いのリアクションだけで“察せ”という不親切な演出に留まったこともあり、山縣夏実をマッチングアプリで美人局をしていた1人と誤認したままエンドロールを迎えた観客も少なくないのではないだろうか?
また、山縣泰介が弁護士に相談する合理的なルートが存在しないのも、寓話性を優先した結果だろうが不自然さは残る。SNS描写に関しても、その程度のリツイート数で社会現象化するか?とやや誇張が大きいのも、リテラシーの高い観客ほど冷めてしまう。寓話としての社会批評性は強いが、ミステリーやサスペンスとしての完成度は甘い。
『俺ではない炎上』は、サスペンスや叙述トリックの技巧を楽しむ作品というよりも、「俺は悪くない」と言い張り続ける人間たちの不毛さを突きつける寓話である。ラストに責任を分かち合う山縣家の姿は例外的な救済に過ぎず、大半の“住吉”は責任を認めないまま去って行く。観客に突きつけられる問いは、「お前は本当に大丈夫か。お前も“俺は悪くない”で他人を追い込んでいないか」という不快な自省。スクリーンを観終えた後に残るのは、炎上の恐怖よりも、自分が社会の中でどう評価されているかを知らないことへの戦慄である。
阿部寛の演技が面白い秀逸なミステリー
キャストから真犯人を予想してしまう自分の癖で
見事に犯人を当ててしまった。。
この先入観ありきの見方はよくないなと思うものの、
ただ、そこにいきつくまでのプロセスは予想できていない
ので、ミステリーとして充分楽しめるのだ。
かなり無理のある冤罪事件だが、
実際、阿部寛演じる山縣泰介の身になって想像すると、
実に恐ろしい。実際こんなことがあってもおかしくない
と思わせる、そんな臨場感があった。
とにかく逃げる阿部寛の演技が面白い。
本人の身になってみたら、たまったもんじゃないが、
ここにコミカルさがあるのが救い。
特に逃亡中における浜野謙太演じる塩見との会話で、
よもや自分に恨みをもっている人間なんていないだろうと
露ほどにも疑っていない泰介の認識が覆されるところが
ハイライトだ。
芦田愛菜が登場してからは、過去と現在が入り混じる展開
となるが、ここは謎解き&真犯人の解像度を上げるための
エピソードだったりして、
芦田愛菜の啖呵をきるシーンは実に見応えあり。
本当に言われたら泣くレベル(笑)
SNS上や泰介の義母の豹変ぶりに、
人って実にいい加減で、世論にすぐに流されちゃうことを
皮肉たっぷりに描いていて笑いが出てしまう。
ラストでは、
自分にベクトルを向ける人と他人にベクトルを向ける人が
対比して描かれているが、これが本作の根底にある
メッセージとして受け止めた。
全て人のせいにして、自分は悪くないという人。
これでは周囲との関係性がうまくいくはずないと思う。
期待はさほどしていなかったが、
なかなかに楽しめる秀逸なミステリーであった。
マルマルモリモリ‼️❓逢えるかなー‼️❓
脚本が悪いのかな、SNSと殺人が噛み合わない、逃げる動機もなんだかこじつけだし、犯人の動機も深掘りしないから共感も無いし、感慨も無い。それより、時系列を錯綜させても、芦田愛菜の幼少期と顔がまるで違うから、そりゃわかんないよ、そのせいだよ、顔が似てたらすぐわかるレベルですよ、無理筋だよ。子供を一晩中狭い倉庫に閉じ込めたら、死ぬよ普通。何より、こんなに悪い独りよがりの五十過ぎが、愛されないし、反省するわけない。
なんだか後味だけが悪い映画でした、残念。
全220件中、141~160件目を表示
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