「原作は読んでないけど時間が足りてない感じ」か「」く「」し「」ご「」と「 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0原作は読んでないけど時間が足りてない感じ

2025年6月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

期待の中川駿監督作品で住野よる原作。ちょっと捻った青春もの。中身を全く知らずに見たが、人の心を可視化してみれる特殊能力を持った5人の仲間を通じての誰かが誰かを好きで、その矢印が追いかけっこになるというヤツ。「超能力」はあるが「超能力もの」ではない。エスパーものでもないのに何でよりによってそんな能力を持った人間が集中的に集まってるのかはわからない。登場人物の章分けで進んで、各章主人公がナレーションを読み上げながらリレーしていって、最後はようやくメインの2人がどうなるか、に至る。

見ながら思ったのは原作はおそらくもっと細かに盛られているのだろう。しかし2時間尺はそれを許さないであろう。なので映画としては物足りない。そして各人の能力を思えば、あの時は何が見えてるのか、それ見えてないのか? とか最近の坂元裕二ファンタジー映画同様、いろいろ思ってしまう。特殊能力が簡単にクロスしない。それによってもっと大きなアクロバットがあるのかと思ったら、散々CGで心模様を捉えていた世界から、最後はしゃべってはいけない図書館でノートの切れっ端に書き込みしあって、ついには声をあげてしまう、というもの。その設定はいいのだけど、そこに至るまでの特殊能力の悶絶がそこまでうまくいってないのでカタルシスがそこまでない。

逆に予想に反してよかったのが、ちょっとふっくらし過ぎてはないかと思った奥平大兼がそのふっくらっさも活かしてかなりよかったこと。一方の出口夏希はどこからどうみても人気者、美少女っぽくはあれど、その魅力がなかなか伝わらない。伝わらないのはもちろんその設定ゆえ。早瀬、菊池、佐野に比べて負の要素が表面上ないから。なので最後の図書館でようやくその魅力がグッと出てくるがそれまでキラキラし過ぎていてドラマのメインとしての魅力が掴みづらい。思えば特殊能力らしきものはみな幻のように描かれていて、それを外せば本当にたわいもない話なのだが、各キャラクターをじっくり描くには2時間半は必要だろうな。

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