ハッピー☆エンドのレビュー・感想・評価
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素晴らしい映画だった
自然に生まれ、自然に死んでいく。親しい人の死は悲しくはあるけれど決して悪いものでも力ずくで遠ざけるものでもない。
最後の時に「楽しい人生だった。またいつか何処かで会おう。有難う」と近くにい居てくれた人に言えるにはどうすれば良いのかを教えてくれた。
癌という病気への見方が変わった
NHKの群馬枠で紹介あり、前橋の緩和ケアが舞台という事で妻と視聴。
全編ドキュメンタリーで、映画というよりもNHKのドキュメントを見ているような作り。
癌治療というのは非常に大変で苦痛を伴うというのは聞いたことがある。
初期段階では効果もあろうが、ある程度進行してしまっていると効果が薄い場合もあり、数か月か一年かの命を延ばすために苦痛な時間を過ごす人も多くいる。
そこで延命治療を諦め、穏やかに終焉を迎えられるように手助けをするのが「緩和ケア」である。
人というのはいつか死ぬが、その「いつ」が解らないがためにその現実を見て見ぬふりをしている。
作中で萬田先生は言っていた。
「癌というのは死ぬ準備ができる。そういった意味ではとてもいい病気だと思う」
いまこの言葉を聞いても実感がわかないだろうが、この作品を見るとその意味が解る。
残された時間が少ないことを知っているから、残された時間を大切にできる。そして家族と、友と、別れを言う時間がある。
その時間があるという事が貴重で尊いという事が解る。
癌は日本人の4人に1人と言われる。
癌になったらおしまいだ。癌はつらい病気だ。そんなイメージがある。
だけどこの作品を見て考えが変わった。
この作品で登場する患者さん達は誰もが良い終焉を迎えたように見える。
勿論全患者さんが彼らのように良い終焉を迎えられる訳ではないだろう。
しかし少なくとも作中の患者さんたちは考えられる中で最善の終焉を迎えたように見えた。
当たり前と思っていることが当たり前じゃなくなったとき、見えてくるものがある。
自分は最期の時何を思うのか。
彼らのように笑って逝けるだろうか。
「人生観」というものに向き合う良い作品と出会いました。
面白かったし楽しかったし凄い映画です
末期癌の患者を対象とした緩和ケアがテーマなのだけれど、それなのに、中盤まではずっと笑って観ていたほどの明るく楽しい映画。
登場した6組の患者家族のうち、5組の患者さんは映画の完成を待たずに亡くなってしまうのだけれど、自分の人生の終焉に、患者さんも家族も満足感をもっていたことに、強い衝撃がありました。
この映画を観て、私はかなり死生観が変わったかもしれません。
生前の樹木希林さんも映像として登場。
マスコミなどで断片的情報として目にしていましたが、樹木希林さんの終末の生き方を、まとまった形で知ることが出来ました。
面白かったし、楽しかったし、凄い映画です。
沢山の現実の死を看取る映画。
それなのに、観終わってから、心の中がほんのり温かくなった映画でした。
死は怖いことではない
前橋の夕焼け空が素敵
訪問看護に興味があって鑑賞
何組かの家族が順繰りに出てきて、
大抵は、外来に紹介状持って初診に来る〜葬式の後の家族の語りまで。
最後の方、(元気に走ってるおじいちゃんの死後が出てこないが・・・ってことは、まだ元気なんだな)と思った。
やはり家で死にたいよねって思いを強くした。
認知症でホーム入ったなら、最期は家に引き取って看取ろうなんて家族はいない、と現場で働く私は知ってる。
癌はこうして、最期まで尊厳を持って死ねる良い病気なのかもしれない。在宅の緩和ケアを選べたなら。萬田先生の言うように。
後半は涙が止まらない・・・
前半は抗がん剤治療や延命治療をやめて自宅での緩和ケアに切り替えた人の話が続きます。
鑑賞前の私の考え方として
「緩和ケアが合う人もいれば抗がん剤治療が合う人もいる。それは千差万別でどちらがいいとはいえない」
という考えだったので、前半次々と抗がん剤治療を止めて緩和ケアにしてよかったよかったという話ばかりだったので、途中から「これは緩和ケアの宣伝映画か?」と少々がっかりしていました。緩和ケアのいいことばかり羅列してるなーって感想
ところが後半になって納得
結局みなさん死というゴールは確定しているのです(生きている人全員そうなのかもしれませんが)
そのゴールに向かってどういう歩みをしていくのか・・・緩和ケアなのか抗がん剤治療で立ち向かうのか、それは個人の意思なのです。そして緩和ケアを選択した人にも等しくゴールがやってきます。緩和ケアを選択した結果、最後の時を家族と過ごす時間ができて、感謝の言葉を互いに投げかけます。そのシーンがあってこその緩和ケアだと思いました。後半は涙なしにみてられませんでした。
どちらかというと見送るというより見送られる方の年齢に近くなってきた自分としては、毎日精一杯生きないといけないと思わせる映画でした。
自分の最期は笑顔で自分らしく!
食育や教育の素敵な映画を撮っている
大好きなオオタヴィン監督の新作。
萬田緑平先生の在宅緩和ケアは、
昔ながらの人情町医者にプラスαして、
手品や音楽など面白いことを次から次へとしかける
ユニークな先生でした。
ホント、めちゃコミュニケーション能力の高い先生でした。
監督や先生がかわれば、こんなに暗くなりがちな
死というのテーマがここまで明るく描ける、
明るく最期まで生き抜けるんだという希望が見えました。
だから観ていて、笑って泣いて笑っての繰り返しでした。
なにせ出ていらっしゃるご家族が、
みなさん素敵な笑顔で、
安心感に満ち溢れていました。
がんがありがとうが言える良い病気だなんて、
確かにどうして!?と困惑することですが、
家族に感謝の気持ちを伝えあう時間が
残されていると思うと、本当に心持が、
変わってくるものですよね。
私もコロナ禍で父を亡くしたのですが、
家から緩和ケア病棟に入院して
入院中の2週間はほとんど会えず、
家に帰りたいという父に寂しい思いをさせました。
家に戻った後は、約2週間でなくなりました。
この映画を観ても、病院から出せて本当に良かったと
その時の答え合わせをさせてもらった気がしました。
最期は本人の好きにさせたい。
緩和ケア病棟から、在宅緩和ケアに移行するときも
介護の方から訪問看護の方までそろって計画を立てていただき、
それが私も難しくなくできたので、
この映画を観て在宅緩和ケアが、
ぜひ広がってほしいな~と思います。
全国民に自分のために、
家族のためにぜひ観ておいてほしい映画です。
追記)エンディングの「笑えれば」が、よく聞く名曲なのに、
こんなに沁みたのは初めてでした。
萬田先生の考え方は勉強になる。
コナンウィークだが、気になるドキュメント作品があり観たが大正解。
オオタヴィン監督作品は発酵食品、給食、小学校、校長とユニークな切り口のドキュメントを見せてくれるが、今回は在宅緩和ケアがテーマ。もし、身近な人、親がガンになったら?その時のヒントとして在宅緩和ケアを見せてくれた。医療用麻薬は色々議論があるかもしれないが、今日の萬田先生のインタビューなら家族の共有が条件になるが、萬田先生なりの在宅緩和ケアもあるかもしれない。私の両親は幸いガンの機会はないが、いつどこでなるかもしれない。その時のヒントとしてこの作品はいい機会になった。そして、この作品もそうだが、歩く事、患者に我々家族がありがとうを最後の時に感謝の気持ちを述べる。いかに大事か痛感した。素晴らしい作品だった。コナンもいいが、この作品も観て考える機会。観て良かった。
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