劇場公開日 2025年11月21日

「ほっこりする「東京〜横浜間の名所巡り」」TOKYOタクシー しーぷまんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 ほっこりする「東京〜横浜間の名所巡り」

2025年11月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

癒される

なんとなーく「評判いい」くらいの噂を聞きつけて鑑賞を決めました。
また、原作の「パリタクシー(原題: "Une belle course")」は本作鑑賞後にアマプラで(吹替版)視聴しました。

かなり面白かったです。
終盤(特にラストシーン)はウルッときちゃいましたし、
翻訳できれば海外の方にも「23区+ちょっと横浜の観光名所ストリートビュー」体験ができる映画としてもアリな感じがします。

で、原作である「パリタクシー」との比較なんですが、
原作から追加されたシーンや、フランスと日本という舞台の違いに合わせて改変された細かい設定の違いなどはあれど、
概ね同じ映画となっていますが、
「こっちはTOKYOタクシーの方が…」とか「ここはパリタクシーの方が…」とそれぞれ良い点があるので、
どちらも甲乙付け難い良さがあり、それを見比べてみるのも良い体験になりました。
なのでそこら辺をちょっとだけ列挙します。

①終盤の宇佐美とすみれさんのとあるやり取り
…終盤に宇佐美とすみれさんが目的地に着いて別れるシーンがあるのですが、そこに原作から追加されてるやり取りがあります。
これに関しては「入れた意図」は分かるのですが、
ここはもう少し柔らかいやりとりにして、「また逢いましょう」って感じを強調した原作の方が好きでした。
原作見る前もやや安直に感じました。

②本作で追加された「阿部さん」
…原作だとマダム(マドレーヌさん)の代理人ってめっちゃ出番少ないんですが、
本作では笹野隆史さんが演じる「阿部さん」というキャラに変えて序盤から登場させる事で、物語にサラリと、しかし確実に厚みを持たせていたと思います。
宇佐美との絡みも原作より自然でしたし。

③宇佐美が衝撃の事実を知るシーン
…これも終盤のシーンなんですが、宇佐美が再度高齢者向け施設を訪れる際にとある事実を知ってショックを受けるシーンがあるんですが、
「木村拓哉さんらしい演技が光ってる」と思う反面、
ここは原作通りもっと「ショックを受けてる」ってシーンにしても良かったと思います。
そうする事で同伴した優香さん演じる奥さんが寄り添う演技がもっと際立ったと思います。

④ある手紙を読むシーン+その後の追加シーン
…ここは最終盤ですね。ここは原作も本作も読んでる最中の演出は本当に良いんですが、本作はそこに細かい演出(たとえば読んでる最中に度々映る別の人物たちのやり取りや、外が晴れて光が差し込む演出など)を追加していてとても良かったです。
そして原作は読んでエモーショナルに終わるんですが、そこに帰りの車中のシーンによる「ほんのりエモーション」を追加してて凄く良かったです。

他にも色々語りたい事があるのですがネタバレになるのでこの辺で。
「序盤にマダムの隣に映る『誰か』のシーンとかは原作同様、唐突過ぎるしヤバいシーンの後にそういう演出するからあんま刺さんねぇなぁ…」とか細かい指摘もできますが、
総じてかなり上質な「ほっこりロードムービー」として仕上がってたと思います。

迷っているなら是非観てみてほしい一本です。

しーぷまん
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