爆弾のレビュー・感想・評価
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佐藤二朗劇場最高!!
最初に言っておきますが、私は佐藤二朗が大好きです!そして原作読んでません!ですので最高に楽しめました!もし佐藤二朗が苦手な人は絶対観てはいけない映画です。なぜなら2時間、佐藤二郎のドアップが続くからです!そして「福田組」の笑いを誘う映画とは違い、サイコサスペンスですので、笑いを期待して観に行ってはダメです!更に爆弾の爆破時刻と場所をナゾナゾのヒントで伝えて取り調べの刑事を翻弄しますが、ナゾナゾを解く必要はありません。それをすると本筋に着いていけなくなります!私も冒頭はそれで、あれ?いま刑事達は何探してる?と置いていかれました><;
改めて佐藤二朗の演技力の凄さに驚きました!日本でこの演技ができる人が他にいるだろうか?と思います!時には酔っ払い、時には記憶喪失者、時には霊能力者、時には世の中の理不尽を全て破壊したい爆弾魔、時には刑事達の心をダークサイドへ引き摺り込もうとする悪魔。どんどん都内で爆発が起きる状況に、取り調べをする刑事達の心をへし折っていきます!はたして彼が爆弾魔なのか?ヒントは「容疑者Xの献身」です。
中盤がすごかったので、ラストに物足りなさを感じました。なので評価4にしましたが、原作では続編があるので、その前置きか!とも思います。原作読むべきか悩みます!
スズキタゴサクが強い!残念なのは、被害者の描写がリアルすぎる所。
音響いいスクリーンで鑑賞。
原作未読、短い予告編だけみて興味が引かれて観に行きました!
まず良かった点から🎶
初っ端から、スズキタゴサク(佐藤二朗さん)にびっくりました。身近にいないけど、まさにリアルにいそうな「自覚のない頭のネジが外れた人」!
劇中にスズキタゴサク(怪物?)から人に戻るシーンもあり、全然違和感感じませんでした。
他にも、本性出してからの類家(山田裕貴)の「天才すぎて弱冠サイコパス」感も最初は驚いたけどピッタリだと思いました。
以下は、残念だった点☔
爆破やスズキタゴサクが語ったミノリちゃん事件の被害者シーンが結構生々しく。
また長谷部の不祥事を等々力が目撃するシーンもしっかり描かれていて、途中気まずく感じました。
レーティングがPG-12だったので、個人的にはその辺りの注意書きあったら嬉しかったなと。
佐藤二朗さんの実力を見た作品だった
原作を読まずに映画を観ました。
佐藤二朗さんははまり役だと思う。幼稚な芝居もふざけた芝居もサイコパスな芝居も見事にはまっていたと思いました。(某F監督のコメディ作品には出ない方がいいと思う、、、)
山田裕貴さん始め、出演している主要キャストの皆さん全て素晴らしい演技だったのですが、上映時間の関係なのか、タゴサクがこの事件を起こそうと思った動機の説明や、明日香が息子を手を掛けた後なぜタゴサクを頼った等の理由の描き方が薄くて、あまり感情移入できませんでした。
この作品を見て「羊たちの沈黙」を思い出しました。
もうちょっとサイコパスとして警察側を翻弄して欲しかったし、犯人はあばいて終わって欲しかった。
あと、JRの多数の駅で爆破かあったにも関わらず、社会の混乱があまり描かれていない点にも違和感を覚えました。
取調室で行われる『99人の壁』
事前情報無しで鑑賞しました。
個人的に体調が悪くなり一時的に退場したのですが、全部ちゃんと観ていたとしても評価は変わらなかったと思います。
原作は面白いのでしょうが、映画では感情の波を揺さぶられませんでした。
もっとサスペンスとしてのコントラストがほしかったです。心理的な圧迫感や絶望感が薄いまま進むのが残念。
刑事を翻弄する佐藤二朗さん演じるタゴサクの狂気と悪のカリスマ性が見どころなのでしょうが、『クイズ99人の壁』のイメージのままいつもの佐藤二朗さんでした(上手い役者さんなのだが)。
むしろ加藤雅也さんや渡部篤郎さんがタゴサク演ったほうが不気味な存在感を出せたのではないでしょうか。
爆発シーンはかなり攻めてはいるんだけど、CGの質がショボい。韓国映画(崇拝者ではないけど)の熱量や容赦ない演出と比べるとスケールが小さく感じました。予算の関係もあるのでしょうが。
あと夏川結衣さん演じるアスカの家族の不幸と事件の伏線も曖昧で、結局モヤモヤ…。途中観てなかった私の自業自得ならすみません。
時節柄、鑑賞前は体調を整えることが大事ということを実感しました。
皆さまもご自愛ください。
長い2時間半
現実を知らない人間が妄想で作った映画という印象を受けました。もしくは、漫画の世界をそのまま現実にしてしまった感じです。
どこの場面を切り取っても浅く、登場人物の描写も薄いです。
映像作品でありながらセリフが非常に多く、セリフで状況の説明をしています。また、やり取りもマンガやアニメ感が拭えません。
物語の展開や設定も厳しく、事件に関わる人間はカッコつけだけの無能に見えます。
性的に強い要素を入れていますが、視聴者を引きつけるためだけの要素に思えます。
なにより一番魅力的でなければならないスズキタゴサクが痛々しいほど空回りしており、そのため、スズキと警察のやり取りが退屈です。佐藤二朗と加藤雅也は入れ替えた方が良いと思いました。
命は平等か?などのテーマめいたものが出てきますが、それに対するアプローチが弱いためメッセージ性として受け取りにくく、中途半端です。
それよりももっと世界観や設定をしっかり作り込み、映像で魅せる映画であればよかったなぁと思いました。
名作セブンや羊たちの沈黙を感じさせる部分もありましたが、それだったらセブンと羊たちの沈黙をもう一度観た方が有意義でしょう。
映画館でみました!
佐藤二朗さんのコミカルな演技が役柄とマッチしてすごく良かったです。
テンポが良く緊迫感があって楽しかったです。共犯者?の正体はさらにもう一つどんでん返しがあるか期待しました。
なぜたごさくが爆弾犯として身代わりになったのかあまり納得できませんでした。他に無理に犯人の家に突入したり、容疑者の指折ったり、打とうとしたり、心情が納得できませんでした。特に警察こんなんでいいのかと、でも話の都合上しょうがないのかな。
原作を読んで確認したいと思いました。
佐藤二朗の最良の使い方
本作はオーディブル版を聴取済みでした。
オーディブルってスンゴク高いサブスクなんでしょっちゅうやめたくなるんですけど、幾つかある「こういうのを通勤時間とか移動しながら聴けるからやめられないんだよなぁ」という作品の一つでした。
原作小説を読んだ人の中には、イメージするタゴサク像と違うと言う人が結構いるようですが、実はオーディブル版は完全に本作のキャスティングを先取りしたようなシロモノで、受け口でネットリした完全に佐藤二朗コピーな朗読を事前にしていたんですよね。聴き直してもまんまだったので改めてビックリ。なので個人的に違和感は0でした。
ただ、佐藤二朗キャスティングに文句言う人がそこそこいるのも分かります。結局彼って飛び道具なんですよね。出すだけで全部許されるような存在。
でそう言うのを求めるような舐めた作品への出演が多いので、ぶっちゃけ見るだけでうんざりする人が多くても仕方ないと思います。
でも今回の使い方だけは大正解だったと思います。
佐藤二朗の怪演の為だけにあるかのようなのに、それでいてちゃんとエンタメとして大成功している。何に出ても同じようないつものふざけた演技が今度ばかりはご馳走になる。そんな不思議な作品。完全に佐藤二朗の過剰摂取ではないかとも思うんですが、今回ばかりはよろしいじゃないですか。それが美味しいんですから。ホント、全カット全セリフ良かったよ。
全体的に原作を非常に上手にまとめてあって、オリジナルやり過ぎて原作の魅力をスポイルしているだとかそういう事もないです。押さえるべきところを押さえ、一本の映画として不要な部分を自然に端折ってて見事と思います。
原作はタゴサク以外の登場人物達の掘り下げが結構エグくて、むしろ各人の背景や内部の葛藤メインみたいなとこありますけど、全編モノローグだらけにする訳にもいくまいし、これは致し方なし。
むしろ表に現れた事象だけ追って行ってもこれだけ面白いんだなぁと改めて感心しました。
「法廷占拠 爆弾2」のオーディブル版も出ているようなので、原作のラストだけ復習してから聴き始めてます。楽しみ。
佐藤二郎がいいね。
原作を読んだ時は、佐藤二郎のイメージは無かった。けど彼でよかった。警察は、上下関係だから捜査は難航するし誰も責任をとらなない。しかし、出世欲があるから、まんまと罠にはまるんだ。脚を無くした警官のその後は映画ではなかったね。ラストはあれでよかったのかな?
爆発場面の迫力と佐藤二郎の怪演は良いが、グログロ場面には閉口。デートに不向き、倦怠期向き。
まず第一に脚本が見事である
❶相性:上。
➋時代:現代、2020年代。
❸舞台:東京。
❹主な登場人物
①スズキ・タゴサク(✹佐藤二朗、55歳):
謎の中年男。酔って暴行を働き逮捕された。取調室で名前以外のすべての記憶は失っていると主張し、霊感で刑事の役に立つことができると申し出る。爆破予告とクイズを繰り出しながら、刑事たちを翻弄していく。知能犯。
②等々力(とどろき)(✹染谷将太、32歳):
野方署の刑事。スズキタゴサクを初めに聴取する。なぜかスズキに気に入られ、爆発に関する予言を打ち明けられる。予言が現実となる中、スズキの秘密を探っていく。
③清宮(✹渡部篤郎、56歳):
警視庁捜査一課・強行犯捜査係の刑事。スズキタゴサクと交渉する。スズキが仕掛けるゲームに粛々と付き合い、対話を深めながら情報を引き出そうと試みる。
④類家(るいけ)(✹山田裕貴、34歳):
警視庁捜査一課・強行犯捜査係の刑事。清宮の部下。もじゃもじゃの天然パーマに丸メガネの野暮ったい見てくれながら、ギラリとした鋭い観察眼と推理力を持つ。正攻法の清宮がスズキに敗れた後を引き継ぎ真相に迫る。
⑤倖田(✹伊藤沙莉、30歳):
沼袋交番勤務の巡査。先輩の矢吹と常に行動を共にする。スズキタゴサクが問題を起こした酒屋に臨場し、野方署へ引き渡す。猪突猛進な行動派で、爆弾捜索に奔走する。
⑥矢吹(坂東龍汰、27歳):
沼袋交番勤務の巡査長。伊勢をライバル視しており、交番勤務を卒業し、刑事になるチャンスとして野心をみなぎらせながら爆弾捜索に打ち込む。
⑦伊勢(✹寛一郎、28歳):
野方署の巡査長。取調室でスズキタゴサクの事情聴取につきそい見張り役を務める。スズキを観察しながら、その自虐的で不気味な発言に不快感をにじませる。
⑧鶴久(正名僕蔵、54歳):
野方署の刑事課長。
⑨長谷部有孔(ゆうこう)(✹加藤雅也、61歳):
警視庁捜査一課のベテラン刑事だったが、4年前、職務中に不祥事を起こし、スキャンダルとなり、鉄道自殺する。
⑩石川明日香(✹夏川結衣、56歳):
長谷部有孔の妻。夫のスキャンダルでマスメディアとSNSの餌食にされる。更に、夫の飛び込み自殺で莫大な損害賠償を求められ、一家離散し、ホームレス状態になる。
⑪石川辰馬(片岡千之助、24歳):
長谷部有孔と石川明日香の息子。父親の自殺を機に会社を退職し、シェアハウスに住みながら、密かに爆弾テロを画策する。
⑫石川美海(中田青渚、24歳):
長谷部有孔と石川明日香の娘。スタイリスト。
❺考察:命は平等ですか?
①警察の必死の捜査にも関わらず、幾つもの爆発が起き、死傷者が出る。一般の巻き添え被害者も出る。
②二つのトラップ事件では、スズキは「子共」と「ホームレス」のヒントを出すが、警察は児童施設のみを捜査し爆発を防ぐ。しかし、炊き出しに並んでいたホームレスとボランティアの人たちが爆発に巻き込まれる。
③これに関し、スズキが清宮刑事に問いかける:「命は平等ですか?」
④スズキは二律背反のゲームを用意していて、清宮の正義感を傷つけたのだ。激怒した清宮はスズキの指を折ってしまう。組織に忠実な清宮にとっては他に選択肢がなかったのだが、清宮はゲームから脱落し、類家と交代する。
⑤「正義」に関わる二律背反問題は、幾つもの傑作映画に描かれている。
⑥ジョー・ライトの『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男(2017英)』では、最高責任者のチャーチルが、ダンケルクで孤立した30万人のイギリス兵を救う為に、カレーの守備隊の4千人のイギリス兵を犠牲にする重い決断をしている。
⑦クリストファー・ノーランは『ダークナイト/ The Dark Knight(2008米)』の中で、人命に関わる2つの決断を描いている。
ⓐバットマンと共に、ゴッサム・シティを立て直そうとしているハービー検事と、2人が恋するレイチェルが、ジョーカーにより誘拐され、どちらか1人しか救出出来ない。結果はレイチェルが犠牲になる。
ⓑジョーカーが、市民の乗った船と、囚人の乗った船の両方に爆弾を仕掛けた上で、片方が爆破されればもう一方は助けると宣言する。結果は、市民と囚人の双方が相手を殺す事を拒否する。
⑧社会派シドニー・ルメットの『未知への飛行/Fail Safe(1964米)』は、東西冷戦下のアメリカとソ連が舞台。アメリカの爆撃機が誤情報によりモスクワを核攻撃してしまう。米大統領はソ連の報復による全面核戦争を回避するため、米空軍により、ニューヨークを核攻撃させる。史上最大の究極の選択である。
⑨ハーバードのマイケル・サンデル教授は、『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学(2010)』の中で、「正義と公正」について、重要な問題を分かり易く提起している。
ⓐ「1人の命を犠牲にすれば5人の命が助かるなら、1人の命を犠牲にすることは正しいのか?」。
ⓑジェレミー・ベンサムの功利主義に関しては、「最大多数の最大幸福が正しいのか?」と問う。「最大多数の最大幸福」は、少数派の不幸を認めることでもあるのだ。
ⓒそして、「自分が生きるために人の命を奪うのは正義か?」、「命に値段をつけられるのか?」、「愛国心と正義はどちらが大切?」等に関して、具体例を挙げて議論している。
ⓓこれ等は、「正義」をめぐる哲学の問題である。社会に生きる上で我々が直面する、正解のない、にもかかわらず決断を迫られる問題である。
❻まとめ
①本作は、東京のどこかに仕掛けられた複数の爆弾を巡り、知能犯スズキ・タゴサクと警察官たちとの取調室での心理戦と、都内各地での捜索模様が、同時進行で描かれるリアルタイムの謎解きサスペンスであり、終始ハイテンションで見応えがあった。
②まず第一に脚本が見事である。犯行動機、実行計画、仕掛けられたゲーム、警察の対応、知能犯による警察の取り崩し等々、エンタメとして上出来である。原作未読だが、原作の長所を生かしていると思われる。
③もう一つは、役者の演技。中でも、クイズ形式でヒントを出し、警察を翻弄する犯人を演じる佐藤二朗に迫力がある。冷酷・冷静に、時にはユーモアを交えて、早口でまくし立てる様に舌を巻いた。助演男優賞は固いと思う。対する山田裕貴他の警察の描き方も勝るとも劣らぬ出来栄えであった。
④全体としては、上記❺に示した問題提起がなされていること。これにより、本作の厚みが増している。
⑤更には、無責任なマスメディアやSNSへの警鐘もある。
⑥一方、短所もある。
⑦一つは、犯人側のスズキや石川明日香と辰馬の人物象が希薄であること。これについては、既に原作の続編が出版されていて、そこで詳細が語られるようなので、いずれ映画化されるだろうパート2を待ちたい。本作の興行成績が良さそうなので、時期は遠くないと思われる。
⑧もう一つは、多数の死者が出ること。犯行が爆弾テロなので、死者を出すことが必須なのかも知れないが、善良な一般市民が犠牲になるのはやりきれない。
佐藤二郎の怪演
佐藤二朗の怪演を観たさに観た。この人のハマり役であり誰でも代役が務まりそうにない怪演ぶり。声のトーン、間、表情、どこまでが正気でどこまでが狂気なのか、正気と狂気の狭間を行ったり来たりする不気味さ。
日々の暮らしの中で潜む闇の部分を口にするおぞましさ、一線を超えてしまった現実の狂気。「羊たちの沈黙」での怪演、アンソニー・ホプキンスを連想してしまう。頭がすごく良いのか、すごく無邪気なだけなのか、誰もが人をはめ込みたくなるようなカテゴリーを逸脱している。
狂気を前に経験も常識も通用しない。サスペンスとしてはそれほど手の混んだものではないと思うが、佐藤二郎の怪演は見応えはある。いまの日本の俳優陣でここまで狂気を演じ切れる人他にいたら教えてほしい。ここまでの演技ができるということは、佐藤二郎、さほど繊細なひとだと想像できる。
スズキタゴサクの謎めいた素性と怪しげな話し方、次に何処でどのように...
期待した自分が悪かった
ナゾナゾをミステリーと言い張るの、本当に止めてほしい。「伏線回収〜」と言いたいためだけの無意味な設定や展開も、本当に嫌い。
口コミ採点でフジテレビ映画に期待した自分が悪かったのだ。たしかに信頼できる映画人たちからの評判は聞こえて来ていない。
先に断っておくが、本作を楽しんで褒めている方々と私とは単に感性が合わなかったに過ぎない。
・映像と俳優について
出だしから気になったのはやたらと薄暗い警察署内。蛍光灯で明るい部屋だとノッペリした画面でTVドラマっぽくなる、ということなのかもしれんが、個人的にはいきなりリアル感を削がれた。
暗い画ばかりで面白い画がほとんどなく、基本は役者の顔芸を頼むことになる。
果たしてその要となった佐藤二郎、あのくどい演技を2時間もアップで見せられるのは流石にキツい…中盤には対する渡部篤郎もこれまたコッテリした演技をするタイプなので、正直見ながらペヤング超大盛りを食べたような胸焼けがしてきた。
主演扱いの山田裕貴の演技そのものは良かったとは思うが、いかんせんスーツの上からでも隠しきれない筋肉をしている。大学柔道部あがりの警察官にしか見えず、天パー猫背のオタク系警察官僚にはそもそもがミスキャスト。他の警察関係の登場人物もみな記号のようなクリシェばかり…
あ、取り調べシーンでの眼線を追うような細かい編集だけは良かったと思うけど…良いと思えた点はそこだけだった。
・ストーリーについて
断っておくと原作は読んでいない。なので部分的には脚色が下手だった可能性はあるが、しかしどうかと思うところが多過ぎた。
まず前半、「子供っぽい犯人だから」という言い訳をしながらの、本当に子供騙しのナゾナゾを謎解きとして展開するのには呆然とした。おいおい、名◯偵コ◯ンを見にきたんじゃないぞ。
最近の本屋を覗くと、何やらおどろおどろし気なクイズでミステリーを気取るような平積み本が目立つが、これもまたその類の様だ。
しかも中盤の「命の選択だー!」のパート、ナゾナゾだけならまだしも2025年にもなって未だにダークナイトの不出来なパクリを見せられるとは思わなかった…もういいよ、そういう悪役…いつまで日本エンタメ界はジョーカー・シンドロームに浸ってるんだ…。
何より終盤、「伏線回収〜!!」と言いたいためだけの展開が酷い。だから髪型が整ってたんだ!とか本当にどうでもいい。こんなモノを世間は巧い思うのか?
全てが“伏線回収”のためだけに書かれてるから、真犯人?の行動も全く意味が分からない。なんであそこで爆弾持って現れるのが当然なのか、何度考えても分からない。
最悪なのは後半、爆弾が怖いと警察に押し寄せ、同時に爆弾があると警察が調べている場所にもに殺到する群衆。いくらなんでも大衆をバカにし過ぎ。いや、はてなるほど、これはひょっとして本作に満足する世間を批評しているのかしら。だとしたら皮肉が効いてるね。
残酷からも綺麗ごとからも逃げない
犯人は腹立たしいが、いったい何がそうさせたのか、問いかけて見てみていました。常に感情に働きかける緊張感が維持できました。ふと、「ジョーカー(格差社会)」「踊る大捜査線(組織と個人)」「月(無差別殺人)」を想起してました。後半に類家の放った「残酷からも綺麗ごとからも逃げない」は一つの希望あるメッセージとして受け止めました。そして、タゴサクの思春期の件と、犯行の動機について深堀したいので原作を拝見します。それにしても、日常の傍にある爆弾という設定だけに、まあまあ心臓に悪かったですよ(笑)。仮に、爆弾こそが心の象徴(タゴサクのいう「形」?)としたら、どうやって解放したら良いのだろうか。
全1117件中、121~140件目を表示
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