ChaOのレビュー・感想・評価
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異形の世界に宿る信頼の物語
鑑賞中は、中国の制作会社が関わっているのだろうと思いながら観ていた。舞台が近未来の上海で、街並みや文化的モチーフに中華圏らしさが色濃く漂っていたからだ。しかし、調べてみると、これはSTUDIO4℃が7年かけて作り上げた、資本も制作も純粋な国産アニメーションだった。この意外な事実を知ると、作品の意図や完成度の見え方が変わってくる。
物語は、人間と人魚が共存する近未来の上海を舞台に、平凡な青年ステファンと人魚の姫チャオの恋を描く。特筆すべきはその人物造形で、2頭身から写実的まで極端に異なるプロポーションのキャラクターが同じ画面に存在する。一般的なアニメなら避ける不統一をあえて採用することで、多様な存在が共に暮らす世界を視覚的に体現している。
人魚が陸上で人間の姿に変身できる条件は「深い信頼」。それは単なる好意ではなく、相手の弱さや危うさも含めて受け入れる複雑な感情であり、物語の核を成している。ChaOの父が人間に懐疑的な態度を見せながらも変身できる描写は、このテーマの奥行きを示す好例と理解。
ステファンの誕生日にチャオがロボットで暴走する場面は唐突にも見えるが、彼女の感情の爆発と“異質性”を強烈に印象づける転機となっている。また、幼い頃の約束を覚えているヒロインという王道モチーフも、変身設定と絡めることで新たな意味を帯びている。
奇抜なビジュアル、実験的な造形、そして温かい物語。見終わったあと心に残るのは、異形の世界の迫力ではなく、異なる存在が互いを信じ合う温もりだ。国産アニメーションの懐の深さを改めて感じさせる一本。
期待はずれ
声は最悪。スポンサーかどっかから、客寄せのために使えと言われたんですか?
違和感がありすぎて世界に入り込めません。
結局良い映画はのめり込めるかどうかってところが大切だと思う。
これシネコンでやってたんで、そういう客層も視野に入れたとか金の為に欲張った部分が裏目に出たのでは?
作画は確かに頑張っていたのでしょう。
しかしここ数年のアニメ映画のクオリティを見ていると、この作品が特に素晴らしい映像体験をもたらすのは厳しいと感じた。
この世界の表現は多様性の現代ですから、海外では評価されるでしょうね。賞ももらいやすいテーマです。ストーリーもわかりやすい。
国内はこの声でアニメ好きからは嫌がられ、
映画好きにはそこそこ受け入れられるがシネコンとの相性は悪い。ミニシアター展開で最初から口コミ稼いだ方が良かった。
今頃配給側としては、シネコンでこけた分、ミニシアターにセカンドで回して金を回収したい、そんな動きでしょうね。
ここまで鳴物入りで宣伝して、口コミは低評価多数。半端な事して作品潰したね。
制作スタジオ、スタッフはよく頑張ったと思う。その分の星しかつけられない。
とてつもない尖り、とてつもない詰めの甘さ
設定に惹かれて鑑賞
ん〜…アニメ表現はすごいが…シナリオが安牌取ってる割に上手くいってないなという印象
この際デザイン、ビジュの尖りがエグいのはまぁ趣味があるからとやかく言うのは野暮とは思う…チャオは魚でも人間でも両方めちゃくちゃ可愛いからそこは狙い通り魅力を出せてるんだろうなと
ただ、魚と付き合えるのかとか概念的な話なんだろうけど、ルッキズム的に周りの人間?の等身がおかしくてそっちは気にならないんだと気になった…未だに自分もあれは人間でいいんだよなと悩むレベル
そしてチャオ以外がしんどいくらい魅力がない…チャオの魅力を引き出すことには成功してるからこそステファンの理解してないムーブが不愉快に映るし…
両親にあんな事故があったからスクリューレスな動力を作るって強く過去の衝動に囚われてる割に直後にあった実はここで拾ったあれが…!をステファンが今まで忘れてる意味がマジでわからない…
ついでに言うならあのイジメ描写も子供に親いないじゃんてイジメさせるのも不快ならば青年になりいい人風になってあの時はごめんなーって軽々しく言わせるのも不快、一応博士が作ったロボットが二号のデザインで…も分かったけど繋がりがなさすぎて分からないし…総じて回答のはずの過去話が繋がらなさすぎだなと感じて割と冷めていた
てか両親もスクリューの動力切ってからやりゃいいのにそらそうだわで亡くなってゴーグルだけ浮かぶは表現を控えたつもりかもだけど甘さを感じた、それならなぜチャオには流血させたんだ…
美術がすごいのは認めるけど妙なこだわりが細部まで行き凝り固まった作品って感じでしょうか…エンディングで作画ドヤられても乗れてないからしんどく感じました…
作画10万枚…には正直感じられない‥。出るのが20年遅かった。
作画枚数が売りの劇場アニメといわれてどういったアニメを期待するだろうか。きっと大半のアニメファンはカメラが忙しなく動き回る派手なアクションや、ジブリ映画のようにたくさんのモブキャラが四方八方にぬるぬる動き回るのを想像するのではないか。
ところが本作Chao、素人のアニメファンからみるとたしかに動いてるところは動いてるけどモブキャラは多くの場面で静止してるし、視点、カメラの移動もだいぶおとなしい部類である。
千と千尋の神隠しが作画11万枚だそうだが、あの映画での油屋の従業員たちの動きのようなカットはほとんどChaoには見られなかった。
確かに劇場版アニメのクオリティではある、それくらいはさすがにわかる。
だがフリーレンやジークアクス、呪術廻戦のように毎話のように劇場版品質の作画のリッチなアニメが各クール最低1本、多いと3、4本はあるのが今のアニメ界である。あるいはアイドルもののアニメのような手書きと見分けがつかないレベルのセルルックのCGでぐりぐり動き回るアニメがいまや何本もある。
そう我々は目が肥えすぎてしまったのだ。ただ10万枚作画枚数あります、ではもはやウリにはならないのである…。
レビューでほぼ大半の人が称賛している背景美術、これはほんとうに素晴らしかった。マンガやゲームの背景だったら100点満点だろう。しかし背景美術というのはある意味当たり前だが、キャラ作画のようには自由には動かせないのだ。この緻密な背景美術を見せるためなのか、カメラがグリグリ動くようなカットがあまりなかったのはアニメとしては良し悪しだと思う。少なくとも自分には物足りなく感じた。
ストーリーに関してだが、前半は意外にも楽しめた。70~80点くらいあげてもいい。押しかけ女房ヒロインものは多くのヒット作がある王道ものというのを差し引いても、ステファンが不満は見せつつも建前上はチャオを受け入れているため、性急なくらい話が進むテンポはいい塩梅だったと思う。
問題は後半で、多くの人が指摘しているツッコミどころのロボット暴走と、ステファンの両親の件が足を引っ張っていて非常にまずかった。後半だけだと20点か30点ってところ。
ロボットがらみのエピソードはあまりに唐突に脈絡なく登場するうえ、室内で打ち上げ花火を爆発させて部屋を吹き飛ばすようなチャオを相手に、遠隔操縦も監視もできないロボットを貸すというありえない矛盾が発生している。ロボットがらみの話は全部削除すべきか、あるいは友人でロボット博士のロベルタをリストラして、ステファン自身がロボットの専門家という設定にするのが自然だったはずだ。であればいきなり新規技術のプロジェクトリーダーになって短期間で技術を実用レベルに完成させるという無茶苦茶ぶりも一応筋がとおる。ステファンの作っていたロボットをうっかり起動させてしまったチャオが、という展開ならそこまでボロクソには言われなかったはず。
両親のエピソード自体は短いシーンなのだが、そこに至るまでの経緯がよろしくない。なぜかステファンは忘れていた過去を思い出す場所にたどりついていて、不自然すぎる展開に観客が置いてけぼりを食らってるところにツッコミどころしかない両親の話がでてくるのでよけいひどさが目立ってしまう。両親の死因は幼体のチャオを助けようとしてほかの船と事故にあった、くらいのチャオとの関連性があれば、ご都合主義であってもまだ自然な流れになったのではないか。
キャラデザについては見ているうちに慣れたし、不快キャラである鼻くそ大使も1シーンしかでてこないのでまあ許容範囲ではあった。ダンジョン飯のようなファンタジー世界で人間、ドワーフ、エルフのように体型もデザインも違う種族が一括りに人類にされているのといっしょと考えればまあそういう世界観なんだろうと納得できるしね。
しかし気になったのはあの世界、キャラクターデザインで多様性を出しているといいつつ、顔デカ3頭身属のステファンの叔父叔母、痩身で長身の針金属であるロベルタ達のように同じ種族同士でカップルになってたり、あるいは作中のテレビ画面に映るのは見栄えのいい普通体型人属が多めだったりとか、顔デカ属がいるのにバリアフリーが考慮されていない映画館の座席だとか、種族間での格差や断絶が垣間見えた気がする…スタッフはそこまで深く考えてないかもしれないが。
良かった点もあげておくと、チャオのデザイン自体はたしかにいいものだった。変身前のデザイン、少ないカットではあるが下半身が見えたカットがやたらエロチックに描かれていてちょっと目覚めそうになってしまったw 変身後もエラやヒレなどの人魚ならではの機構が残ったデザインで人間との差異がいいアクセントになっていたし、なんだかんだいいつつ、観客としても美人やかわいい子やエロチックな女性のほうを好きになってしまうものなのだ。
そしてなにより気に入ってるのは上映時間が90分ってところですね
STUDIO4℃が好きだからこそ、、、
当方、
STUDIO4°Cでしたら
『マインドゲーム』
『海獣の子供』
『鉄コン筋クリート』
『ケモノヅメ』等
このスタジオの作品は好きで毎回注目
しております。
だからあえて言います、
残念だった、本当に残念だった。
まず、よかった所ですが
作画や演出は賛否ある中で私は
好意的に拝見しました。
あのSTUDIO4°Cのアートワークが
ココロ躍らせる感じになります。
ただそのせいで余計に
残念でならない、
これは予想ですが
構想9年ですよね。
恐らくですが一時期盛り上がった
世界系路線をSTUDIO4°Cの作風に
落とし込もうとしたのかな。
だとしたら時期がもうすぎてるし、
個性的なアートワークや演出が
素晴らしいスタジオのチームが流行りに乗るのも。
登場人物のデザインは悪く無いけどだからこそ、
独特、個性的にあぐらをかいてはいけない。
ストーリーは世界系の一般的にわかりやすい
構図で描こうとして、
スタジオの独特な個性を無理矢理のせて
しまったのでどっちつかずな中途半端な作品
になってる。
アニメーションや背景美術が面白い、
ぐりぐり動いて楽しく素晴らしいのに
いつもなら、ストーリーと突飛さが
上手く絡まらない。
お父さんとお母さんの死因は
あれじゃ無理矢理すぎてもはやコント。
わざとじゃ無いかと疑いました、
チャオも屈託なさがイマイチ魅力に感じない。
そもそも、魚の形態と人間の形態に変わる
カタルシスがない。
『ケモノヅメ』のときは
人間形態から獣を匂わす流れやミステリー
で、目が離せなかったが、、、
マインドゲームも主人公とヒロインの結ばれ
る演出に本当に鳥肌がたち、胸高鳴った。
本当に、今回の作品は悲しかった。
本来のしっかり日本の街の風景や、登場人物、
個性と芸術をガッツリ落とし込んだ
studio4℃の作品をみたい!
上映時期を
スタジオ潰すためにわざとこのタイミングに
したんじゃないかと勘繰るぐらい悲しかった。
この作品が好きな方にはもうしわけない。
studio4℃のファンの戯言とスルーしてください。
追記:これはチャウシンチー監督の『人魚姫』の
トリビュートなのか!!だから主人公も
チャウシンチー作品の前半のダメな男性主人公感がでてたのか、尚更『チャオ』が中途半端に感じてしまう。。。
こだわりポイントが響かなかったが、合う人には合うのかもしれません
2025.8.21 イオンシネマ京都桂川
2025年の日本のアニメーション映画(89分、G)
魚と人間が共存する世界を描いたファンタジーアニメーション映画
監督は青木康浩
脚本は木ノ花咲
アニメーション制作はSTUDIO4℃
物語の舞台は、20XX年の香港
魚と人類が共生している上海を舞台に、共生が軌道になった頃をまとめた書籍がナレーションされて始まっていく
新米記者のジュノー(太田駿静)は、目的の船に乗り遅れてスクープを逃したものの、同じ港に停泊していた船に見覚えのある男を見つけた
男はかつて船舶会社で働いていたステファン(鈴木央士)で、彼は人魚のチャオ(山田杏奈)と結婚したことで話題になった人物だった
ジュノーはステファンに接近することができ、当時の話を聞くことになった
数年前、ステファンはシー社長(山里亮太)の下で働くサラリーマンで、夢は「ウォータージェット方式の船舶の開発」だった
現行のスクリュー方式では魚に多大な被害が出て新しい方式を考えていたが、シー社長からは「コストに見合わない」と却下されてしまった
国は人魚王国のネプトゥーヌス国王(三宅健太)との交流を深めようとしていたが、スクリュー方式を変えようとしないシー社長とは相容れずに交渉は決裂してしていた
ステファンは協議を終えて海に戻ろうとする国王を見かけたが、彼が発した波に飲み込まれてしまう
その後、何者かに救出されたステファンは病院で目覚めるのだが、なぜか「人魚姫と結婚すること」になっていて、しかもそれは自分自身が言い出したことだと言われてしまう
ふたりの結婚は人類と人魚の橋渡しとなっていて、さらにウォータージェットの開発の許可も下りてしまう
ステファンは不本意ながら姫との交際を始めるものの、常に魚と結婚できるわけがないと感じていた
物語は、ステファンの日常が背景として描かれ、彼は幼少期に父(岡野友佑)と母(川上ひろみ)を亡くしていた
今は叔父叔母の世話になりながら、親友のロベルタ(梅原裕一郎)とルームシェアをしていて、ロベルタの想い人マイペイ(シシド・カフカ)たちと仲良く暮らしていた
姫と一緒に住むことになったステファンは、献身的に尽くしてくれることを感じながらも、自分の運命が他人に左右されている不具合を感じている
そして、その心理は徐々に行動に現れてしまい、あるセレモニーで起きた事故によって、窮地に陥ってしまうのである
と、シナリオはそこまで悪くないように思えるのだが、実際には「ピンチにするためのエピソードでシナリオを構成している」というのがはっきり見えてしまっていて、無理やりピンチを作り出しているように思える
また、作画などは凄いのだが、そのシーン必要なの?と思うシーンも多く、物語に集中できないほどに散らかっていたように思う
シーン単体としては面白いものの、全体的にはその「遊び要素」がテンポを崩していて、それゆえに散漫になっているように感じた
いずれにせよ、おそらくはマニアしか観ない作品で、夏休み中の公開初週なのに貸し切り状態になっていた
ビジュアルが一般受けする感じでもなく、物語に惹かれる要素が少ないのも難点だったと思う
アテレコに関してはそこまで酷いとは感じなかったが、それ以上にストーリーテリングが微妙で、不要なシーンも多くて、何度か意識を持っていかれそうになってしまった
大オチ(編集長(土屋アンナ)が人魚だった)もサラっとしたもので、ジュノーの告白もなんだかなあという蛇足っぽさもあったと思う
劇場で観たことが語り草になるタイプの作品なので、その流れに乗りたい人は早めに動いた方が良いのではないだろうか
観たことのない作品、、、、
映画.comの特集記事でベタ褒め。その中に
「観たことのない作品をつくる」
「アドリブを楽しんだから」
「『まぜるな危険』という言葉がありますが、 このゴチャ混ぜるな危険感を楽しんでいただけたらと思います」
という監督たちの言葉はちゃんと実現できていたと思います。ある意味脱帽。
ただ、「見事な伏線回収という“強い満足感”を与えるエンタメ性」はなかったかな。ストーリーがかなり雑で矛盾と感じる部分やご都合主義と思える部分が多いんですよね。
私が一番気になったのは両親の事故。イルカがプロペラに挟まって、ステファンの母が潜って助けに行くのだが、なぜか、船のエンジンを停めていない。イルカを逃した後、母親がプロペラに巻き込まれ、父親が助けに行くのだが、その時でさえ、エンジンを停めずに飛び込み、父親も事故に遭う。普通、まず、エンジン停めるやろ。その後の描写はなかったが、船は進み続けてステファンはどこまで行ったんだろ。
あと、あのキャラデザは日本人には無理かな。鼻だけ色が、、、
ChaO!
オリジナルアニメ映画絶対観に行くマンなので今作ももちろん鑑賞。
客入りがだいぶ悪く、お盆最終日の夜の上映とはいえ自分含め7人しか入ってないのはかなり衝撃的でした。
キャラデザが独特すぎるのが多分影響してるとは思うんですが、STUDIO 4°Cの華麗なアニメーションを楽しめればという思いで観ましたが…こいつぁ悪い方にとんでもない代物でした。
人魚姫を元に作られたストーリーという事ですが、全部ムリヤリツギハギに繋がれているのであってないようなものですし、人魚と共存している世界観は特別説明なくさも当然のように進められるのも不親切ですし、人魚との婚約からのスターダムからの会社の重要なポジションに就くまでのスピード感も謎すぎて飲み込みきれなかったです。
そこから人魚のチャオとのあれやこれやが入るんですが、これがキャラデザのせいでうまいこと飲み込めず、恋愛模様と仕事模様を並行して描いている割にはどっちつかずですし、多くのキャラクターを登場させている割には誰1人としてビジュアル以外印象に残らないとかいうエグいことをやってのけています。
終盤の主人公の生い立ちのシーンなんかもうフワフワしすぎていました。
めちゃくちゃ終盤のはずなのに急に新しい話を始めますし、両親が亡くなった描写がもう雑すぎて困惑しかなかったです。
主人公がエアージェットを作るきっかけになった事故が両親がスクリューに巻き込まれたってのは良いんですが、スクリューに巻き込まれたイルカを助けるために海に飛び込んだお母さんが出てこなくなったのでお父さんが助けに海に飛び込んで2人ともお陀仏という、イルカが巻き込まれたタイミングでスクリューを止めれば2人とも助かったのでは…?という展開の都合で殺されたのか、はたまた何も考えずにこうなったのか、AIでもこういうトンチンカンなものは生み出せないと思うので人の手で作られた呪物なんだなというところは安心しました(?)。
ラストシーンも安易なハッピーエンドに持って行ってるんですが、マジで問題が解決したのかどうかも全部有耶無耶にして終わっていくという90分足らずという時間ですら無駄遣いしており、これにはポンポさんも激怒不可避です。
今作の最大の問題は間違いなくキャラデザですね。
もちろん可愛いかっこいいが備わっていれば最低限評価はできるのに、それに対抗するようにどのキャラもキャラデザ的魅力は皆無に等しく、それぞれの表情や仕草なんかもわざと嫌悪感を抱かせるようにしているのかな?ってくらい気味の悪いものばかりでした。
個性と言われればそれまでなんですが、唇を尖らせる描写一つでここまで不快にさせられたのは初めてでした。
人魚と人間が共存している世界なので、魚フォルムの時も人魚フォルムの時の姿もあるのは分かるんですが、人間サイドも形が異形すぎるのは一体なんなんだろうと思いました。
めちゃくちゃ体がデカいのもいれば、顔だけデカいのもいたり、手足がないのもいたりして、配慮なのかそういう手癖なのか分からないのですが到底一般ウケするわけないじゃん…というデザインばっかで辟易してしまいました。
一般ウケもといヲタクウケを狙わないという方向性はまだ理解できるんですが、第一印象から悪いのはいかがなもんかと。
チャオの魚フォルムの時が一番キュートでした。
全体的に要所要所に入るギャグ描写がかなり苦手でした。
ラブロマンスコメディと謳っているのでそういう笑いがあるとは思っていましたが、それにしたって滑り散らかしていますし、刺さる人には刺さるギャグなんだろうとは思いますが感性がぶっちぎっていてどこ吹く風ってやつです。
真剣なシーンで茶々を入れるのがどの作品でも好きではないんですが、今作はそこのバランスすらガッタガタなので苦虫を噛み潰しまくりながらは中々に苦痛でした。
アニメーションは素晴らしく、水が滴る様子は美しいですし、カーアクションも訳分かんないくらい動いていましたし、さすがSTUDIO 4℃と思わせてくれる圧巻の技術でした。
ただこのアニメーションですらキャラデザで帳消しにされてしまうのが恐ろしいところです。
声優陣がほとんど本職ではないのが今作では悪い方向に向かってしまっており、山田杏奈さんは比較的聞きやすい方のお声でチャオとも合っていたんですが、鈴鹿くんは感情を爆発させるところでボロが出まくっていたり、長台詞で息が持たなくなったのか後半になるにつれて小さくなってしまっていたりと違和感が強烈でした。
梅原さんや三宅さん、田中あいみさんがさすが本職っていう演技をしている中で芸能人声優が茶々を入れてしまっている気がして純粋にアニメーションとしても楽しめなくなっていたのは致命的でした。
後から知りましたが全国300館規模で公開しているのが衝撃的で、その上でこの夏休みシーズンに劇場がすっからかんなのはある意味貴重なんじゃないかなと思いました。
ここからの大逆転はあるのか…動向含めどうなるかは気になりますが、大問題作であることは確かだということをここに記しておきます。
鑑賞日 8/17
鑑賞時間 19:05〜20:35
AdioS
導入で、ジュノーをステファンだと誤認した。
続いて「20XX年」という時間が進んだのか戻ったのかさえ分からない無意味なテロップ。
この時点でセンスの無さにガッカリした。
ストーリーとしては全体的に雑で、面白く見られたのは初デートまで。
その後はアクションというか、画を動かしたいがための無理矢理な展開ばかりが続く。
主人公の心情の移り変わりがまったく伝わらない。
誕生日のやらかしなんてキレて当然(ロベルタの陰謀かと思ったわ)。
それなのに過去の約束だけで全面的にステファンが受け入れる流れは到底理解ができなかった。
肝心の回想も間延びした上、スクリューが動いた理由やどういう流れで「ずっと一緒」と言ったかは不明。
逆ギレして殴った後に「俺のせいで…」とか言い出し、マイベイに花を渡すのに数年かけるロベルタ。
謎の発明技術も含めて彼が一番意味わからん。
ステファンが付けた愛称である「チャオ」を王様が普通に呼んでるのも不自然。
キャラデザが尖ってるのはまだいいが、ハンプティダンプティやら小人やらはノイズ過ぎないか。
色彩も鮮やかではあるが、ゴチャゴチャしていて見づらさが勝つ。
プロ声優以外の演技も及第点とはいかず、特に鈴鹿央士の叫びは迫力も情感もなく残念。
人魚が人型になると服を着てるとかは定番だからいいけど、設定も色々腑に落ちない。
なんで陸上向きの人型に水中でしかなれんのよ。
オメデ大使など不要なキャラも多く、ロベルタやジュノーの恋愛よりメインを見せてほしい。
最初にジュノーがコーヒー飲まずに捨てたのは何故?
暴力沙汰や船泥棒など主人公がヤバい。
ポスターの印象通り煩雑な作品でした。
ストーリー上の重要設定について共感できなかった
ここまで書いてしまっていいのか恐縮ですが、書かずにはいられなく。
「ネタバレ」設定にはしていますが、未鑑賞の方は特に、本レビューは読まないことをおすすめします。
物語後半で、ステファンの両親がスクリューに巻き込まれ事故で亡くなったことが明らかになるのですが。
本作品で非常に重要な部分だと思うのですが、ここの部分のストーリー設定があまりにも雑に思われ、共感できませんでした。作品中の、他の良い面全てを打ち消してしまうくらい残念でした。
点検にいくのであるから、さして慎重でない人でも、終わるまで決してスクリューを動かさないようにしてから点検するものだと思うのですが、なぜそうしなかったのでしょう。せっかく大人2人いるのだから、ひとりがスクリューをしっかり停止させて他人がうっかり航行させてしまわないよう見張り、もうひとりがスクリューの確認に向かうのではないでしょうか。
そのようにできない事情も、作品中では特に描かれていなかったと思います。2人とも安易にスクリューに向かっていって、なぜだかスクリューが回りだしてしまう。案の定巻き込まれて亡くなってしまうというのは、そりゃあそうだろうと、何とも興ざめでした。
どうしてこんなツッコミどころ満載の設定のままで作品が作られてしまったのか。映像へのこだわりの方に費やした時間のうち、1日分だけでもこのストーリー設定の検討に回すことができていれば、とても素晴らしい作品になれていたのではと想像され、重ね重ね残念でした。
製作者さんの中にもそう思う人はいたはずと思いますが、おそらく大人の事情でアンタッチャブルなところだったのでしょう。もう少しこんな設定にした方が、という発言もままならないような製作現場・人間関係だったのかなと思わざるをえません。
ステファンには申し訳ないですが、そりゃあご両親亡くなってしまうよ、容易に避けられたはずの状況での事故で悔やまれます。大変お気の毒でしたとしか言いようがないです。
勿体無いロマン砲
この作品は世紀の爆死作品とメディアから知りました。また、この作品はもしかしたら今しか見れないかもしれないと思い、好奇心が爆発して打ち切り(上映期間終了)前に飛び込み鑑賞をしました。
一言で感想をまとめたなら力作だが売れない勿体無い作品。
個人的な感想
良い点として魚人はブサ可愛くデザインされて愛嬌があり、話も人魚姫が人間世界で愛を育むというベタではあるが分かりやすいテーマである。アニメの質としても力作なのは各所から感じられ素晴らしさを感じる。
だがそれらを帳消しにする残念な点があるからこの作品は売れない(ウケない)と理解させた。
まず人間のデザインが人受けしない。全ての人間キャラデザをクセを付けずに普通にしていたなら紹介の部分でまだ人を呼び込めたのではないだろうか。スタジオの色はわかるが尖りすぎ。
様々なコメントで言われるが脚本が酷い、理解し難いイベントが開始から終わりまで視聴者を襲う。これは憶測ではあるが描きたいイラスト(シチュエーション)をぶち込み過ぎたのではないのか。ロボットアクション・カーチェイス・組手・コメディ要素・バトルなど、うちのスタジオはこれが売りなんだ!!これが描きたい!!これが面白い!!というのをぶち込み過ぎてベタなストーリーなのに訳が分からないフラグを足してまで入れた末路だと思う。普通にポニョのような人魚姫との日常生活を送る作品だったらそれはそれでアリだったと思えて他ならない。
そしてボイス。作画に力みすぎてオーディションとかスルーしちゃたのかな?好きな芸能人にオファーしちゃたのかな?スポンサーの推しかな?
そして宣伝もほぼ何もなく全国300近くの上映。しかも鬼滅やクレしんなどのメジャー作品と同時期に。まさに自滅である。私の地域は2週間で上映期間終了であった。
上記の残念な点が何かしらで違っていたらどう転んでいたかはわからない、とても勿体無い作品だと思う。
ヒロインは本当に可愛かった!!スタジオのアニメへの愛を感じた!!配信されてどこかでバズればいいな!!
ストーリーも真面目に作ってくれ…
アニメーションは素晴らしいよ。動きもすごいし、あれだけ書き込んである背景にキャラクターがちゃんと馴染んでるのも他の作品では見たことない。
だが、このストーリーはなんだ?
いや、わかるよ?コミカルに描けば本当は解決が難しい問題を適当に解決してもそれほどリアリティを崩さないよな。でもこれほとんどそんな感じじゃん。本筋くらいちゃんと描こうよ。ストーリーあってのアニメーション。アニメーションはストーリーを伝える手段だと私は思う。
最後チャオを探しに行くきっかけもチャオを心配したよりも社長からの評価を気にした結果だし、いくら幼少の記憶とはいえ、現在の仕事内容にまで影響している両親の死、その記憶に関わる「レイテン3号(?あってるか微妙)」というワードを忘れますかね。
映画館で見たから「意地でも最後まで見てやる」って気になったけど、VODで見てたら20分くらいでタブ閉じてるかも。
上海が舞台という以外良いところ無し。チャオというか趙さん。
レイトショーを見たいと思い立ち、この作品ともう一つからこちらを選択し鑑賞しました。
他の方も書かれている通り、人間とは異なる種族の女の子が男をリードする展開は「うる星やつら」的です。しかし「うる星やつら」ほどのキャラの作り込みや、話の筋そのものの面白さはない。
と、書いてて結論を見つけましたが、話の筋がありません。
主人公の男性はおそらくまだ大学を出てまもない様子(明示的に大学を出た描写はないものの勤務内容的には大学ないし大学院程度の学歴取得が推察されます)。幼い頃に両親を船のスクリュー巻き込み事故で亡くされたとの事ですが、そこから大学を出て働かれるまでの話は全く触れられず、想像もできません。
むしろ話の最後までいかないと不幸な事故で両親が亡くなられたことは全く見えない。
仕事も大した下積み感も、努力を払った感も無いのに、新規船製造のリーダー的なポジションを任されるという大変ご都合主義的な大抜擢がなされます。これは話の流れとしては人魚であるチャオさんのハートを主人公が射止めたことにより、何かしらの利益を会社にもたらしそうだという期待を社長に抱かせたことによる抜擢であるという描写はあります。が、かと言って然るべき経験のない人間がいきなり船作れるかと。デザインだけ担当してるとか、もう少し描き方あったのでは無いかなと思います。
要は、人生イージーモード過ぎる。それが話の筋に絡んでこない。のわりに両親を若くして亡くしている。
ヒロインであるチャオ氏の登場も唐突で、話を最後まで進むと、主人公を小さい時に救った的な描写があり最低限の話のつながりは見えますが、これは最低限以下です。この程度の繋がりで長い時間を経て主人公の前にあらわれて、滅私奉公(比喩ですよ)、男尊女卑的にひたすら家事に励んでそれ以外の人間的な(人間ではなく人魚ですが)描写がないのはもはや恐怖。
じつは彼女は全て主人公の妄想で、こんな至れり尽くせりの女性がいきなり現れて主人公を好きになることなどなかった。主人公はSNSの中で彼女のことをそれとなく自慢し尽くす痛い感じの方で、しかし、彼は幼い時に両親を失った不幸な身の上だった、という話ならもう少し面白そうかなと思います。
その他、無意味に鼻をほじり続ける方や頭身の比率がおかしい方など、特に理由も無く気味の悪いキャラが出てきます。鼻をほじった指を主人公の肩で拭きますが、それに対して特にリアクションもありません。狂気としての描写という雰囲気もなく、ただこの世界では人と話す時に堂々と鼻をほじって、その指を相手の肩で拭いても誰も何とも思わない。そしてこれらは話の筋に何も関係しない。
絵柄を褒める声も聞かれますが、それを覆いつくすばかりの、話の筋の無さです。これに80分は長すぎる。15秒ないし30秒のCMなら、絵柄のポップさを単純に楽しめて良いと思います。ちなみに私は気味悪かったです。
話の舞台は上海です。てっきり、中国のアニメかしらと思ったら日本のようです。
昨今の日中の一部の不仲を思うと、上海をあえて選んだ点は両国の平和友好へ向けたメッセージも感じとれ、大変意義深く感じます。その割に話がつまらなさすぎるので、返って反感を産まないことを祈ります。
もっと言うと、上海を選んだのも話の筋となんの関係もありません。
攻殻機動隊的に、香港とも日本とも上海ともつかない謎の都市的なデザインにしても良いかと思います。
逆にあえて上海にするなら、下手に登場人物の名前を洋風にせず(主人公は「ステファン」で、ヒロインは「チャオ」)、ちゃんと中華風の名前やお互いの呼称にした方が良いように思います。「チャオ」では無く、「趙」さんでいかがでしょうか。
ちなみに主人公は昔ヒロインに助けられており、最後にその記憶を取り戻すシーンは、なかなかに「千と千尋の神隠し」における、千尋がハクを思い出すシーンを思い出させます。というか2人が水中に浮かんで手を取り合うシーンは、まんま援用です。良し悪しで言えば良いはず(テンション上がって然るべき)なのに、話の筋が雑過ぎてイライラします。そんな描写より、話の面白さをちゃんと考え直してくださいよと。
ところどころキャラクターの頭身の比率がおかしいのも、千と千尋に見られるキャラの特徴に近いものを想起させます。想起させるだけで、特に話の筋に絡みません。
とか書いてると、やはり千と千尋の神隠しは偉大だったと思わせる。
ひさしぶりに駄作を観た。
映画のタイトルがイタリア語の挨拶「ちゃお」ですね。
しかし物語にイタリア要素はなく挨拶の伏線もないです。
これだけで嫌な予感が湧いてくる方はそれを上回るひどさを味わうでしょう。
まず舞台は中国です。
ですがこれは日本アニメーション映画「スタジオ4℃」が制作しています。
つまり純粋な日本初公開の映画です。
ファイナルファンタジーVIIの神羅カンパニーのような和中混合でもないです。
20☓☓年と表記があり現実世界の中国から話は始まります。
なお現実世界かつ中国にして物語に深みが出るわけでなくナゾ設定です。
映画の半分まで意味不明な演出が多々あります。
その度に映像が静止する場面もあり、いわゆる尺稼ぎに近いです。
約90分の映画ですが45分で作ってしまったものを引き延ばした感じでした。
かつギャグテイストにして意味不明な展開や表現をごり押してきます。
また作画が安定しておらず人によっては違和感と不快感を味わい続けるでしょう。
物語性はほぼなく 伏線なし・感激なし 違和感あり・不快感あり で話が続きます。
ここで「マッドハウス」が制作したR15アニメ「ケモノヅメ」についてお話を。
作画がこの「ケモノヅメ」に似ており、好きな人は引き込まれると思います。
この名作は作画を活かす物語性と魅せ方を心得ており口直しにぜひどうぞ。
閑話休題。
作画は好みです。
なので観に行きました。
声優さんの表現も上手でどんな意味があってどう展開していくのか気になります。
BGMも良く丁寧に作られていました。
特に液体の演出が最高です。
ですが物語性と全体の魅せ方が終わってます。
特に駄作と感じる要因は約90分の映画にしたことにあるかと。
サブスクで倍速再生が流行っているそうですが2倍速で観たかったと思ってしまいました。
観る人は決して期待しないでください。
特に ①作画 ②声優 ③BGM ④液体演出 以外への感想は持たないことがおすすめです。
そんな映画です。
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