ChaOのレビュー・感想・評価
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とことんカオスなパラレルワールド
絶対に普通のアニメなんか作るもんか、との気迫を感じるカオスな作品。独特のデッサンで描かれた、街ゆくモブキャラまで寸尺バラバラ、見たことも無い映像感覚。それでも、人魚姫はちゃんと美しい。もしかしたら、水中ならば人魚になれるという早変わりマジックの魔法なのかもしれないけど。
ちゃんと伏線が張られていたっぽいけど、カオスなシーンの連発について行くのが精一杯で、押しかけ女房の人魚さんがどういうことなのか検討がつかず、このまま、あやふやな結婚生活で話が終わるのかよ、と不安で仕方が無かったのですが、ちゃんと山あり谷もあり、幼い頃の記憶に振り返ったあたりで納得。ちゃんと映画がなりたってるんだなと胸を撫で下ろしました。
カオスといっても、ちゃんと説明がついていて、冒頭で「あ、そこは人魚専用ですよ」の警告に合点がいきました。これ、物凄く上手いと思う。人間と人魚、どういう関わり合いで世界がなりたっているのか、その一言のセリフで全て説明しきっている。そのお陰で、期待して先を見ることができました。
カオスといっても、他では類を見ないほどユニークでエネルギッシュでオリジナリティー溢れるアニメーションだったと思う。エンドロールで作画工程が紹介されているのは、余程スタッフがその苦労を語りたくて仕方がなかったのか。一番好きなのは、水中にあって人魚の姿のChaOとキスをするけど、一瞬で水が途切れてお魚に戻ってしまうところとか。他にも細かく見ていくと面白いシーンも満載。いつも出勤時に瓶を手渡す細かいネタ振りとか、カップを見ずに砂糖を床に注いでしまうのはちょっとやり過ぎかなあ。ティースプーンでコーヒーを飲むのは、小さい頃に自分もやってたのを思い出しました。主人公が子供の頃を辿るシーンだから、と言うわけでも無いだろうけど。
この作品の魅力を端的に言えば、「自分のことが好きでたまらないヒロイン」という設定でしょうか。そういう設定、うる星やつらに通じるところがあるなあ。やっぱり幸せなラブストーリーは華やかでいいですね。締めくくりは幾つものカップルが生まれる末広がりエンド。めでたし、めでたし。
勿体無いロマン砲
この作品は世紀の爆死作品とメディアから知りました。また、この作品はもしかしたら今しか見れないかもしれないと思い、好奇心が爆発して打ち切り(上映期間終了)前に飛び込み鑑賞をしました。
一言で感想をまとめたなら力作だが売れない勿体無い作品。
個人的な感想
良い点として魚人はブサ可愛くデザインされて愛嬌があり、話も人魚姫が人間世界で愛を育むというベタではあるが分かりやすいテーマである。アニメの質としても力作なのは各所から感じられ素晴らしさを感じる。
だがそれらを帳消しにする残念な点があるからこの作品は売れない(ウケない)と理解させた。
まず人間のデザインが人受けしない。全ての人間キャラデザをクセを付けずに普通にしていたなら紹介の部分でまだ人を呼び込めたのではないだろうか。スタジオの色はわかるが尖りすぎ。
様々なコメントで言われるが脚本が酷い、理解し難いイベントが開始から終わりまで視聴者を襲う。これは憶測ではあるが描きたいイラスト(シチュエーション)をぶち込み過ぎたのではないのか。ロボットアクション・カーチェイス・組手・コメディ要素・バトルなど、うちのスタジオはこれが売りなんだ!!これが描きたい!!これが面白い!!というのをぶち込み過ぎてベタなストーリーなのに訳が分からないフラグを足してまで入れた末路だと思う。普通にポニョのような人魚姫との日常生活を送る作品だったらそれはそれでアリだったと思えて他ならない。
そしてボイス。作画に力みすぎてオーディションとかスルーしちゃたのかな?好きな芸能人にオファーしちゃたのかな?スポンサーの推しかな?
そして宣伝もほぼ何もなく全国300近くの上映。しかも鬼滅やクレしんなどのメジャー作品と同時期に。まさに自滅である。私の地域は2週間で上映期間終了であった。
上記の残念な点が何かしらで違っていたらどう転んでいたかはわからない、とても勿体無い作品だと思う。
ヒロインは本当に可愛かった!!スタジオのアニメへの愛を感じた!!配信されてどこかでバズればいいな!!
感性の問われる作品
スクリーンの細かいところまでしっかり観てないと重要な場面を見逃してしまう "一瞬たりとも気が抜けない" そんな映画でした。
街行く人々を含め、登場人物のサイズがバラバラ。そんな所にも作り手のメッセージが込められているのだと感じました。
主人公の成長していく様を、鈴鹿央士さんが見事に表現されてました。
また、山里さんの上手さが光ってました。
最後のセリフ、いいですね。
後半にはマニア?をニヤッとさせるシーンが連続で出てきました。
この物語には、悪人が出てこない。
生きていく上で大切なことを教えてくれる。
それでいて、え?今?とつっこむところがあったり、よく観ているとクスッと笑ったり、ほっこりするところもある。
作り手の優しさだったり、細部まで計算しつくされたこだわりや技術が施されている、レベルの高い作品でした。
さすがアヌシー国際アニメーション映画祭 準グランプリ受賞作品。圧巻でした。
この作品に携わった全てのスタッフの方々に、心より敬意を表します。
観るたびに新しい発見があり、観終わった後清々しい気持ちになりました。
この映画に出会えたことに、感謝です。
そしてChaO(+猫)がとにかく可愛い!
期待はずれ
声は最悪。スポンサーかどっかから、客寄せのために使えと言われたんですか?
違和感がありすぎて世界に入り込めません。
結局良い映画はのめり込めるかどうかってところが大切だと思う。
これシネコンでやってたんで、そういう客層も視野に入れたとか金の為に欲張った部分が裏目に出たのでは?
作画は確かに頑張っていたのでしょう。
しかしここ数年のアニメ映画のクオリティを見ていると、この作品が特に素晴らしい映像体験をもたらすのは厳しいと感じた。
この世界の表現は多様性の現代ですから、海外では評価されるでしょうね。賞ももらいやすいテーマです。ストーリーもわかりやすい。
国内はこの声でアニメ好きからは嫌がられ、
映画好きにはそこそこ受け入れられるがシネコンとの相性は悪い。ミニシアター展開で最初から口コミ稼いだ方が良かった。
今頃配給側としては、シネコンでこけた分、ミニシアターにセカンドで回して金を回収したい、そんな動きでしょうね。
ここまで鳴物入りで宣伝して、口コミは低評価多数。半端な事して作品潰したね。
制作スタジオ、スタッフはよく頑張ったと思う。その分の星しかつけられない。
とてつもない尖り、とてつもない詰めの甘さ
設定に惹かれて鑑賞
ん〜…アニメ表現はすごいが…シナリオが安牌取ってる割に上手くいってないなという印象
この際デザイン、ビジュの尖りがエグいのはまぁ趣味があるからとやかく言うのは野暮とは思う…チャオは魚でも人間でも両方めちゃくちゃ可愛いからそこは狙い通り魅力を出せてるんだろうなと
ただ、魚と付き合えるのかとか概念的な話なんだろうけど、ルッキズム的に周りの人間?の等身がおかしくてそっちは気にならないんだと気になった…未だに自分もあれは人間でいいんだよなと悩むレベル
そしてチャオ以外がしんどいくらい魅力がない…チャオの魅力を引き出すことには成功してるからこそステファンの理解してないムーブが不愉快に映るし…
両親にあんな事故があったからスクリューレスな動力を作るって強く過去の衝動に囚われてる割に直後にあった実はここで拾ったあれが…!をステファンが今まで忘れてる意味がマジでわからない…
ついでに言うならあのイジメ描写も子供に親いないじゃんてイジメさせるのも不快ならば青年になりいい人風になってあの時はごめんなーって軽々しく言わせるのも不快、一応博士が作ったロボットが二号のデザインで…も分かったけど繋がりがなさすぎて分からないし…総じて回答のはずの過去話が繋がらなさすぎだなと感じて割と冷めていた
てか両親もスクリューの動力切ってからやりゃいいのにそらそうだわで亡くなってゴーグルだけ浮かぶは表現を控えたつもりかもだけど甘さを感じた、それならなぜチャオには流血させたんだ…
美術がすごいのは認めるけど妙なこだわりが細部まで行き凝り固まった作品って感じでしょうか…エンディングで作画ドヤられても乗れてないからしんどく感じました…
作画10万枚…には正直感じられない‥。出るのが20年遅かった。
作画枚数が売りの劇場アニメといわれてどういったアニメを期待するだろうか。きっと大半のアニメファンはカメラが忙しなく動き回る派手なアクションや、ジブリ映画のようにたくさんのモブキャラが四方八方にぬるぬる動き回るのを想像するのではないか。
ところが本作Chao、素人のアニメファンからみるとたしかに動いてるところは動いてるけどモブキャラは多くの場面で静止してるし、視点、カメラの移動もだいぶおとなしい部類である。
千と千尋の神隠しが作画11万枚だそうだが、あの映画での油屋の従業員たちの動きのようなカットはほとんどChaoには見られなかった。
確かに劇場版アニメのクオリティではある、それくらいはさすがにわかる。
だがフリーレンやジークアクス、呪術廻戦のように毎話のように劇場版品質の作画のリッチなアニメが各クール最低1本、多いと3、4本はあるのが今のアニメ界である。あるいはアイドルもののアニメのような手書きと見分けがつかないレベルのセルルックのCGでぐりぐり動き回るアニメがいまや何本もある。
そう我々は目が肥えすぎてしまったのだ。ただ10万枚作画枚数あります、ではもはやウリにはならないのである…。
レビューでほぼ大半の人が称賛している背景美術、これはほんとうに素晴らしかった。マンガやゲームの背景だったら100点満点だろう。しかし背景美術というのはある意味当たり前だが、キャラ作画のようには自由には動かせないのだ。この緻密な背景美術を見せるためなのか、カメラがグリグリ動くようなカットがあまりなかったのはアニメとしては良し悪しだと思う。少なくとも自分には物足りなく感じた。
ストーリーに関してだが、前半は意外にも楽しめた。70~80点くらいあげてもいい。押しかけ女房ヒロインものは多くのヒット作がある王道ものというのを差し引いても、ステファンが不満は見せつつも建前上はチャオを受け入れているため、性急なくらい話が進むテンポはいい塩梅だったと思う。
問題は後半で、多くの人が指摘しているツッコミどころのロボット暴走と、ステファンの両親の件が足を引っ張っていて非常にまずかった。後半だけだと20点か30点ってところ。
ロボットがらみのエピソードはあまりに唐突に脈絡なく登場するうえ、室内で打ち上げ花火を爆発させて部屋を吹き飛ばすようなチャオを相手に、遠隔操縦も監視もできないロボットを貸すというありえない矛盾が発生している。ロボットがらみの話は全部削除すべきか、あるいは友人でロボット博士のロベルタをリストラして、ステファン自身がロボットの専門家という設定にするのが自然だったはずだ。であればいきなり新規技術のプロジェクトリーダーになって短期間で技術を実用レベルに完成させるという無茶苦茶ぶりも一応筋がとおる。ステファンの作っていたロボットをうっかり起動させてしまったチャオが、という展開ならそこまでボロクソには言われなかったはず。
両親のエピソード自体は短いシーンなのだが、そこに至るまでの経緯がよろしくない。なぜかステファンは忘れていた過去を思い出す場所にたどりついていて、不自然すぎる展開に観客が置いてけぼりを食らってるところにツッコミどころしかない両親の話がでてくるのでよけいひどさが目立ってしまう。両親の死因は幼体のチャオを助けようとしてほかの船と事故にあった、くらいのチャオとの関連性があれば、ご都合主義であってもまだ自然な流れになったのではないか。
キャラデザについては見ているうちに慣れたし、不快キャラである鼻くそ大使も1シーンしかでてこないのでまあ許容範囲ではあった。ダンジョン飯のようなファンタジー世界で人間、ドワーフ、エルフのように体型もデザインも違う種族が一括りに人類にされているのといっしょと考えればまあそういう世界観なんだろうと納得できるしね。
しかし気になったのはあの世界、キャラクターデザインで多様性を出しているといいつつ、顔デカ3頭身属のステファンの叔父叔母、痩身で長身の針金属であるロベルタ達のように同じ種族同士でカップルになってたり、あるいは作中のテレビ画面に映るのは見栄えのいい普通体型人属が多めだったりとか、顔デカ属がいるのにバリアフリーが考慮されていない映画館の座席だとか、種族間での格差や断絶が垣間見えた気がする…スタッフはそこまで深く考えてないかもしれないが。
良かった点もあげておくと、チャオのデザイン自体はたしかにいいものだった。変身前のデザイン、少ないカットではあるが下半身が見えたカットがやたらエロチックに描かれていてちょっと目覚めそうになってしまったw 変身後もエラやヒレなどの人魚ならではの機構が残ったデザインで人間との差異がいいアクセントになっていたし、なんだかんだいいつつ、観客としても美人やかわいい子やエロチックな女性のほうを好きになってしまうものなのだ。
そしてなにより気に入ってるのは上映時間が90分ってところですね
絵や色合いの割りに割りとテーマは重め。
きっかけ
当サイトで尖った映画やでぇ~!!と記事になっていたので観てみる事に…
あらすじ
人魚と人間のラブコメ。
感想(ネタバレあり。イヤな方はここから下は飛ばして下さい。)
結果から言わせてもらうと、興味深いと言う意味でとても面白い映画だった。
ストーリーは愛を軸に人魚人と人間の溝、環境問題、後、人間の浅ましさや醜くさをテーマとして扱っているように感じた。
最初は主人公ステファンとチャオのポップなカラみで入り、ステファンの過去が段々と明るみになると、上記のテーマを織り混ぜてストーリーは進行していく。
同時にステファンの過去が明るみになることにより物語の伏線を回収していく感じは気持ち良かった。
ただ、なんかテーマが多すぎてとっ散らかってるように感じたのも事実。もっと的を絞ってやってもいいのではとは思った。
後、ポニョを観てから観たせいか、なんかポニョっぽいなと感じた。
まとめ
絵がポップで奇抜な映画だと思っていたが、タイトルでも書いたが、絵や色合いの割りにテーマは重いと感じた。やはり尖っている!!
でも、見終わった後は爽やかな感じで終われるのでとても面白かった。
こーゆー映画はカップルで観てあーでもない、こーでもない、と言った意見を言いあいたい!!
そんな映画でした。皆さんも是非~
タイトルなし(ネタバレ)
人魚と人間が共存する上海。
人魚界のアイドル取材を任された記者の青年、すんでのところでアイドルを捕まえることができず。
が、代わりに見つけたのは、伝説の男ステファン(声:鈴鹿央士)。
人魚と人間が共存する社会を築くきっかけとなったのは、彼が人魚王国の姫チャオ(声:山田杏奈)に求婚され、結婚したことからだった・・・
といったところからはじまる物語。
強烈で独特のルックを持ったアニメで、製作のスタジオ4℃作品では、過去に『海獣の子供』を鑑賞している。
『海獣の子供』も個性豊かな描写だったが、本作ほどの灰汁はなかった。
本作では、中盤まで中心となる上海の街の描写がキョーレツで、目眩を起こしそう。
色彩は「豊か」というより「過剰」。
人物造形も奇天烈(といっても、ディズニー『不思議の国のアリス』のキャラクターを範としているように思えるが)。
ですが、ストーリー的にはオーソドックス。
チャオに恋される理由がステファンにはわからない。
が・・・
というのは、トム・ハンクス&ダリル・ハンナ『スプラッシュ』の焼き直しみたいな感じ。
全体が中年になったステファンの回想記のような態で展開するので、チャオに恋される理由を思い出すのは「大過去」。
こういう大過去形式の脚本は、あまり褒められないなぁ、と少々思った。
ステファンから過去の物語を聞き出す青年の話は、余計といえば余計かな。
ストーリーも真面目に作ってくれ…
アニメーションは素晴らしいよ。動きもすごいし、あれだけ書き込んである背景にキャラクターがちゃんと馴染んでるのも他の作品では見たことない。
だが、このストーリーはなんだ?
いや、わかるよ?コミカルに描けば本当は解決が難しい問題を適当に解決してもそれほどリアリティを崩さないよな。でもこれほとんどそんな感じじゃん。本筋くらいちゃんと描こうよ。ストーリーあってのアニメーション。アニメーションはストーリーを伝える手段だと私は思う。
最後チャオを探しに行くきっかけもチャオを心配したよりも社長からの評価を気にした結果だし、いくら幼少の記憶とはいえ、現在の仕事内容にまで影響している両親の死、その記憶に関わる「レイテン3号(?あってるか微妙)」というワードを忘れますかね。
映画館で見たから「意地でも最後まで見てやる」って気になったけど、VODで見てたら20分くらいでタブ閉じてるかも。
STUDIO4℃が好きだからこそ、、、
当方、
STUDIO4°Cでしたら
『マインドゲーム』
『海獣の子供』
『鉄コン筋クリート』
『ケモノヅメ』等
このスタジオの作品は好きで毎回注目
しております。
だからあえて言います、
残念だった、本当に残念だった。
まず、よかった所ですが
作画や演出は賛否ある中で私は
好意的に拝見しました。
あのSTUDIO4°Cのアートワークが
ココロ躍らせる感じになります。
ただそのせいで余計に
残念でならない、
これは予想ですが
構想9年ですよね。
恐らくですが一時期盛り上がった
世界系路線をSTUDIO4°Cの作風に
落とし込もうとしたのかな。
だとしたら時期がもうすぎてるし、
個性的なアートワークや演出が
素晴らしいスタジオのチームが流行りに乗るのも。
登場人物のデザインは悪く無いけどだからこそ、
独特、個性的にあぐらをかいてはいけない。
ストーリーは世界系の一般的にわかりやすい
構図で描こうとして、
スタジオの独特な個性を無理矢理のせて
しまったのでどっちつかずな中途半端な作品
になってる。
アニメーションや背景美術が面白い、
ぐりぐり動いて楽しく素晴らしいのに
いつもなら、ストーリーと突飛さが
上手く絡まらない。
お父さんとお母さんの死因は
あれじゃ無理矢理すぎてもはやコント。
わざとじゃ無いかと疑いました、
チャオも屈託なさがイマイチ魅力に感じない。
そもそも、魚の形態と人間の形態に変わる
カタルシスがない。
『ケモノヅメ』のときは
人間形態から獣を匂わす流れやミステリー
で、目が離せなかったが、、、
マインドゲームも主人公とヒロインの結ばれ
る演出に本当に鳥肌がたち、胸高鳴った。
本当に、今回の作品は悲しかった。
本来のしっかり日本の街の風景や、登場人物、
個性と芸術をガッツリ落とし込んだ
studio4℃の作品をみたい!
上映時期を
スタジオ潰すためにわざとこのタイミングに
したんじゃないかと勘繰るぐらい悲しかった。
この作品が好きな方にはもうしわけない。
studio4℃のファンの戯言とスルーしてください。
追記:これはチャウシンチー監督の『人魚姫』の
トリビュートなのか!!だから主人公も
チャウシンチー作品の前半のダメな男性主人公感がでてたのか、尚更『チャオ』が中途半端に感じてしまう。。。
何でコケそうって?
顔!デカいからや!
冗談は私の顔だけにしてですね、お噺自体は愉快だったと思いますよ。
自身の悲劇的な過去から、
新技術のエンジニアとなって夢を追い…
然し、その悲劇は…反面、新たな出逢いの発端でもある…
人生、塞翁が馬。
確かに!独特なビジュと世界観…キャラで、好き嫌いの明暗が、クッキリと分かれる作風ではありますから、
つくづく«お話の中身重視»な自分で、良かった良かった。
人魚族を【サカナ呼び】する嫌悪感は、既にワンピで通っているので、
寧ろ、魚類ビジュのチャオも…かわいいんだから、主人公は一人で二粒オイシイと思えば、、役得だろ!ってね……すまん🙇♂️🙇♂️
こだわりポイントが響かなかったが、合う人には合うのかもしれません
2025.8.21 イオンシネマ京都桂川
2025年の日本のアニメーション映画(89分、G)
魚と人間が共存する世界を描いたファンタジーアニメーション映画
監督は青木康浩
脚本は木ノ花咲
アニメーション制作はSTUDIO4℃
物語の舞台は、20XX年の香港
魚と人類が共生している上海を舞台に、共生が軌道になった頃をまとめた書籍がナレーションされて始まっていく
新米記者のジュノー(太田駿静)は、目的の船に乗り遅れてスクープを逃したものの、同じ港に停泊していた船に見覚えのある男を見つけた
男はかつて船舶会社で働いていたステファン(鈴木央士)で、彼は人魚のチャオ(山田杏奈)と結婚したことで話題になった人物だった
ジュノーはステファンに接近することができ、当時の話を聞くことになった
数年前、ステファンはシー社長(山里亮太)の下で働くサラリーマンで、夢は「ウォータージェット方式の船舶の開発」だった
現行のスクリュー方式では魚に多大な被害が出て新しい方式を考えていたが、シー社長からは「コストに見合わない」と却下されてしまった
国は人魚王国のネプトゥーヌス国王(三宅健太)との交流を深めようとしていたが、スクリュー方式を変えようとしないシー社長とは相容れずに交渉は決裂してしていた
ステファンは協議を終えて海に戻ろうとする国王を見かけたが、彼が発した波に飲み込まれてしまう
その後、何者かに救出されたステファンは病院で目覚めるのだが、なぜか「人魚姫と結婚すること」になっていて、しかもそれは自分自身が言い出したことだと言われてしまう
ふたりの結婚は人類と人魚の橋渡しとなっていて、さらにウォータージェットの開発の許可も下りてしまう
ステファンは不本意ながら姫との交際を始めるものの、常に魚と結婚できるわけがないと感じていた
物語は、ステファンの日常が背景として描かれ、彼は幼少期に父(岡野友佑)と母(川上ひろみ)を亡くしていた
今は叔父叔母の世話になりながら、親友のロベルタ(梅原裕一郎)とルームシェアをしていて、ロベルタの想い人マイペイ(シシド・カフカ)たちと仲良く暮らしていた
姫と一緒に住むことになったステファンは、献身的に尽くしてくれることを感じながらも、自分の運命が他人に左右されている不具合を感じている
そして、その心理は徐々に行動に現れてしまい、あるセレモニーで起きた事故によって、窮地に陥ってしまうのである
と、シナリオはそこまで悪くないように思えるのだが、実際には「ピンチにするためのエピソードでシナリオを構成している」というのがはっきり見えてしまっていて、無理やりピンチを作り出しているように思える
また、作画などは凄いのだが、そのシーン必要なの?と思うシーンも多く、物語に集中できないほどに散らかっていたように思う
シーン単体としては面白いものの、全体的にはその「遊び要素」がテンポを崩していて、それゆえに散漫になっているように感じた
いずれにせよ、おそらくはマニアしか観ない作品で、夏休み中の公開初週なのに貸し切り状態になっていた
ビジュアルが一般受けする感じでもなく、物語に惹かれる要素が少ないのも難点だったと思う
アテレコに関してはそこまで酷いとは感じなかったが、それ以上にストーリーテリングが微妙で、不要なシーンも多くて、何度か意識を持っていかれそうになってしまった
大オチ(編集長(土屋アンナ)が人魚だった)もサラっとしたもので、ジュノーの告白もなんだかなあという蛇足っぽさもあったと思う
劇場で観たことが語り草になるタイプの作品なので、その流れに乗りたい人は早めに動いた方が良いのではないだろうか
タイトルなし(ネタバレ)
公開して1週間もしないのに一日一回興行になりそうだったので、平日慌てて見ました。
これだけクオリティの高い映像を見せてくれたらストーリーなんていいじゃないか、と思うけど、ステファンの気持が唐突に揺れるのが落ち着かないかな。
ラストに彼のトラウマが明されるのだが、最初に屈託を見せた方が、心の成長を表現できたからドラマとして良かったかな。
それともChaOの視点だけで描いて「人魚姫」にしてしまってもよかったか。
いっそセリフを全部カットしてファンタジアにしてしまったら?
見てHappyになったし、爆死とか言われて次の機会がなかったら嫌だなあ。
観たことのない作品、、、、
映画.comの特集記事でベタ褒め。その中に
「観たことのない作品をつくる」
「アドリブを楽しんだから」
「『まぜるな危険』という言葉がありますが、 このゴチャ混ぜるな危険感を楽しんでいただけたらと思います」
という監督たちの言葉はちゃんと実現できていたと思います。ある意味脱帽。
ただ、「見事な伏線回収という“強い満足感”を与えるエンタメ性」はなかったかな。ストーリーがかなり雑で矛盾と感じる部分やご都合主義と思える部分が多いんですよね。
私が一番気になったのは両親の事故。イルカがプロペラに挟まって、ステファンの母が潜って助けに行くのだが、なぜか、船のエンジンを停めていない。イルカを逃した後、母親がプロペラに巻き込まれ、父親が助けに行くのだが、その時でさえ、エンジンを停めずに飛び込み、父親も事故に遭う。普通、まず、エンジン停めるやろ。その後の描写はなかったが、船は進み続けてステファンはどこまで行ったんだろ。
あと、あのキャラデザは日本人には無理かな。鼻だけ色が、、、
AdioS
導入で、ジュノーをステファンだと誤認した。
続いて「20XX年」という時間が進んだのか戻ったのかさえ分からない無意味なテロップ。
この時点でセンスの無さにガッカリした。
ストーリーとしては全体的に雑で、面白く見られたのは初デートまで。
その後はアクションというか、画を動かしたいがための無理矢理な展開ばかりが続く。
主人公の心情の移り変わりがまったく伝わらない。
誕生日のやらかしなんてキレて当然(ロベルタの陰謀かと思ったわ)。
それなのに過去の約束だけで全面的にステファンが受け入れる流れは到底理解ができなかった。
肝心の回想も間延びした上、スクリューが動いた理由やどういう流れで「ずっと一緒」と言ったかは不明。
逆ギレして殴った後に「俺のせいで…」とか言い出し、マイベイに花を渡すのに数年かけるロベルタ。
謎の発明技術も含めて彼が一番意味わからん。
ステファンが付けた愛称である「チャオ」を王様が普通に呼んでるのも不自然。
キャラデザが尖ってるのはまだいいが、ハンプティダンプティやら小人やらはノイズ過ぎないか。
色彩も鮮やかではあるが、ゴチャゴチャしていて見づらさが勝つ。
プロ声優以外の演技も及第点とはいかず、特に鈴鹿央士の叫びは迫力も情感もなく残念。
人魚が人型になると服を着てるとかは定番だからいいけど、設定も色々腑に落ちない。
なんで陸上向きの人型に水中でしかなれんのよ。
オメデ大使など不要なキャラも多く、ロベルタやジュノーの恋愛よりメインを見せてほしい。
最初にジュノーがコーヒー飲まずに捨てたのは何故?
暴力沙汰や船泥棒など主人公がヤバい。
ポスターの印象通り煩雑な作品でした。
ストーリー上の重要設定について共感できなかった
ここまで書いてしまっていいのか恐縮ですが、書かずにはいられなく。
「ネタバレ」設定にはしていますが、未鑑賞の方は特に、本レビューは読まないことをおすすめします。
物語後半で、ステファンの両親がスクリューに巻き込まれ事故で亡くなったことが明らかになるのですが。
本作品で非常に重要な部分だと思うのですが、ここの部分のストーリー設定があまりにも雑に思われ、共感できませんでした。作品中の、他の良い面全てを打ち消してしまうくらい残念でした。
点検にいくのであるから、さして慎重でない人でも、終わるまで決してスクリューを動かさないようにしてから点検するものだと思うのですが、なぜそうしなかったのでしょう。せっかく大人2人いるのだから、ひとりがスクリューをしっかり停止させて他人がうっかり航行させてしまわないよう見張り、もうひとりがスクリューの確認に向かうのではないでしょうか。
そのようにできない事情も、作品中では特に描かれていなかったと思います。2人とも安易にスクリューに向かっていって、なぜだかスクリューが回りだしてしまう。案の定巻き込まれて亡くなってしまうというのは、そりゃあそうだろうと、何とも興ざめでした。
どうしてこんなツッコミどころ満載の設定のままで作品が作られてしまったのか。映像へのこだわりの方に費やした時間のうち、1日分だけでもこのストーリー設定の検討に回すことができていれば、とても素晴らしい作品になれていたのではと想像され、重ね重ね残念でした。
製作者さんの中にもそう思う人はいたはずと思いますが、おそらく大人の事情でアンタッチャブルなところだったのでしょう。もう少しこんな設定にした方が、という発言もままならないような製作現場・人間関係だったのかなと思わざるをえません。
ステファンには申し訳ないですが、そりゃあご両親亡くなってしまうよ、容易に避けられたはずの状況での事故で悔やまれます。大変お気の毒でしたとしか言いようがないです。
電気ウナギって美味しいのかな
映画館で予告を観て、独特の絵柄と幻想的な雰囲気と人魚の姿がとても綺麗で気になって鑑賞しました。絵柄が独特でとんでもないクセ強作品か、神作品かどっちかに転ぶと思ってましたが案外普通でした。
お化け屋敷で二人を驚かそうとするけど、チャオ(巨大魚)の姿を見て逆にビックリするお化け役や、
出世の為に魚と結婚するなんて信じられないと非難する職場の人間、
魚が街を歩いてるのを見てビックリする女の子等、
まだこの映画を観てない人が読んだらそらそうだろと思うでしょうが、そんな魚のチャオよりもビジュアルや行動が強烈な巨頭人や顔細人、鼻くそ肩つけオジ達が生活してる世界で、そこ気になる?そういう話に持っていきたいなら人間の姿は普通に描けばいいのでは?とか考えてしまい思考のノイズが絶えませんでした。
千と千尋の世界のような所で目の離れた魚顔の主人公と本物の魚がデートしてても私からすると全く違和感ないんですよね。
人間のビジュアルや言動が異様なことに何か理由があるのかと思いながら、色々と共感できないまま物語はズンズン進んでいきます。
主人公とチャオがデート中、はぐれたチャオが中年チンピラーズに絡まれるシーンがありますが、助けにきた主人公が先にチンピラーズに殴りかかったのはビックリしました。主人公の過剰防衛に追い打ちをかけるようにチャオの水の呼吸、水車がチンピラーズに炸裂し、鉄塔か何かに打ち付けられチンピラーズ敗北。その後、今まで魚の姿だったチャオは助けにきてくれた主人公に芯から心を許すことで綺麗な人魚の姿になります。その後、警察沙汰にはなりません。
巨頭記者に主人公が追われるカーチェイスシーンでは、発明家の友達が開発したミニカー爆弾で巨頭記者の車は大破し、崖から落ちそうになる所でカットされますが、多分落ちて絶命してます。これも過剰防衛と言われれば否定できません。
無理やりストーリーに展開をつけようとしてキャラの言動にも無理が生まれたような違和感を覚えながらも、徐々に登場人物に感情移入できはじめ、終盤で伏線を回収し、物語は丸く収まります。
そして、エンディングで黒いN-BOXから爆音で漏れ聞こえてきそうな倖田來未の曲が流れました。私はこのときに、あ、この映画は細かいことを考えずに、心の中でウェイウェイ言いながら、ノリと勢いだけで観ればいい映画なんだと感じました。
予告で見た、水の中に映る幻想的な美しい人魚姫の姿がとても儚げで綺麗で印象的だっただけに、少し悲しくなりましたが、これが期待を超えるような名作だった場合に、私はきっとチャオに恋をしてしまい、中学の時に綾波レイやアスカに恋をしたときと同じような病にかかっていたのかもと思うと、すぐに現実に立ち返れたこの作品は、これはこれで良かったのかもしれません。
色々な意味で惜しいとしか言い様の無い作品
毎月そこそこの数を鑑賞している口ではあるのだが、この作品を知ったのはとある掲示板の爆死映画スレッドをたまたま見たからである。そこで知る人ぞ知るスタジオ4℃制作のオリジナル作品であること、広告の類いがほぼなされず、全国200弱館の放映規模、そしてなぜか鬼滅の刃にかぶせての上映初日でめでたく?700万円とかの大爆死を喫し、歴代ワースト成績になるかもと不名誉な伝わり方をしていた。そんな作品だと終映も早かろうと考え、そこそこに近場(そんなに近くはない)の劇場が上映していると知り、慌ててフルプライス1800円で鑑賞した次第。往復3時間かけ90分の映画を観るだけでの弾丸小旅行、これで見る価値無しのZ級作品だったら返金を要求したいところだったのだが…。4℃なら問題ない、内容に関しては概ねその通りだった。星に示した通りである。だがそれ以外のところ、作品の外側の部分で(いや、これ内容にも被るか?)表題の通りとしか言えない感想に至った。以下に概要を述べたい。
なぜ惜しいのか?外面の部分(画作り)では、やはりキャラクターデザインが人を選ぶのでは?とは思う。だがそれはこの論点に於いては差程大きなウエイトを占めないと筆者は思う。言っても4℃なので癖が強いのは何時もの事で、更に言ってはなんだか皆が皆所謂インスマス面しているので、木を隠すには森理論で逆に違和感は早々に無くなる。とは言え、これは4℃をある程度知ってるひねくれ者の見方であり、日の浅いニュービーには違和感を持って有ると言っていいのだろう。他にもシナリオが某ポニョっぽいとの指摘もある。筆者は実はポニョは見ていないので判らないが、他にも似たような作品は掃いて捨てるほど有ることを考えると、メフィストフェレスではないが大体の事は先人が既にやっている事なので(パ○リの線をこえたらNGだが)許容かなとは思う。素直に驚き、笑い、悲しみ、感動したのもあるのだが。なので作品自体の評価は星の通りである。返金にならずによかったね。
しかし、マーケティングやマネジメントの話に及ぶと話は変わってくる。兎に角贅沢な作りの作品であるにも関わらず、認知が(筆者が知るだけでも)全くと言っていいほど無く、その結果恐らくは相当に掛かった制作費がペイ出来るとも知れない状態にあり、それをもって表題に掛けているものである。こんな作品が世に埋もれる、こんな事が有って良いのか?良くはないと声を出して言いたい。
この作品に掛かった作画カロリーは相当なものと推察される。音響や劇版、美術やキャスティング(例により芸人だらけだが)に至るまで相当に豪華である。その上で広告で力尽きたのか?確かに、昨今はサブスクからの収入も見込めるだろうし、何より作中の舞台が上海寄りの香港と日本のミックス染みた架空の土地なので、大陸マネーも期待したのだろうか、それにしても広告認知のマネジメントが悪すぎる様に感じた。自分がもぐりなのかと思わされるぐらいには。確かにキャラデザは一般人にアピールし辛い癖強で、マーケティング的に強気に出られなかったのか?全国200館弱規模放映ではあるが、東宝配給から外れたらそうなってしまうのだろうか?この様にかなり力の入った良作が、興行成績面で爆死の烙印を捺され、埋もれることに表題の意味を込めたつもりだ。こんな形で評価されたくなかった、観賞後の筆者の感想であり、我が事のように忸怩たる思いである。せめて五億円くらい乗せてくれたらばトントンなのかもしれないが、叶わぬ所なのかと思うと、掛けたコストに対価が見合わずお辛い気持ちになってしまう。凄い作品なのに。
売り方が不味かったのはもう取り返しが効かない。なれば終映まで(早期終映の可能性が高い)の間に何とか多くの方々に劇場に足を運んでいただきたい。自己の力が及ばずに他力本願に頼らざる得ない、不遇の今作に何とか力を貸して欲しいと言う思いは、この勿体ない作品を視聴した筆者の願いその物であり、微力ながら今作に携われたスタジオ4℃を初めとした多くの方々にせめてもの恩恵に預かっていただきたいと言う思いそのままである。
だから皆さん、鬼滅も良いけどチャオ!もね。期待を(無論良い意味で)裏切る作品ですので、是非に。
…強制するものではないですが、オススメです。
もう少しシンプルに勝負しても良かったのでは?
近未来のハッピーエンドな人魚姫伝説。
愛あふれるストーリーはとっても良かったです。
伏線回収もきちんとされていましたし、最終的には解りやすかったです。
回収するまでは、なんでこうなったのだ?っていう疑問はつきまといましたが⋯
また、人魚になったときのチャオのキャラクターも、魅力的でした。
が、結構ストーリーの本筋がスッキリな分、がんばっちゃったのかな?
視覚?色彩??
あと小ネタの情報量が多すぎて⋯
ちょっと、食傷気味が否めないです⋯
まとまりがないというか⋯
とりあえず、色彩や画風は慣れてきたら面白く感じられたんですが、
多すぎ雑すぎな小ネタが個人的にいただけなかったです。
中華鍋に頭ぶつけたり、
マイク顔に押し付けられたり、
バナナで滑って頭に皮のっけていたり、
コーヒーをタクシーでぶちまけたり、
あっ、ステファンを乗せるの忘れるところとか、「シラーっ」でした 笑
あと、その他こまごまと、これは笑うところなのかしら?
って思ってしまって、だけども、それがまったく面白くなくてねぇ⋯
気になるだけだったんですよね⋯。
後半の伏線回収あたりは、それが少なくなって、
とてもしっくり入ってきて良かったです。
やはり、ハッピーエンドはいいですね。
でも、赤い魚食べるときに、チャオが浮かんじゃうかもー 笑
補足
鈴鹿さんと山田さんの挿入歌が、お上手で聴き心地が良かったので、
エンディングも、おふたりのデュエット曲が聴きたかったな ♪
「人間と人魚」という前に「そもそもお前は人間なのか?」というキャラが多すぎる
公開初日の夜にも関わらず客は10人いなかったと思う。
アニメを推している池袋でこれだと他の映画館も相当厳しそう。
だがこれを劇場で観れたことは後々自慢できるだろう。
そう思わせるほどに力はあった。
とてつもないキャラデザのクセがあった。
倖田來未のポップな主題歌で中和しきれないほどのクセの強さだ。
そもそも人間と人魚の恋という話だが「お前は人間なの?人間と言えるの?この世界では!」という感じのクセ強キャラが多すぎて。
ハンプティダンプティみたいな丸くてデカ過ぎな社長、このキャラの声が南海キャンディーズの山里なのだが人気芸人の声の軽快さをもってしても、そもそもこの社長が人間に見えない。「アニキと呼べ!」と主人公に向かって言うんだが、呼べねえよ。いやそもそも図体でかすぎなあなたは人間なの?という疑問を抱かせたままストーリーはどんどん進む。
あまりに頭がデカいおばさん夫婦、主人公の親戚っぽいのだが、親族でそこまで頭身違うことってあるの?突然変異?的なツッコミをしている間に話は動く。
面白ゴーグルをしている超小さい上司はあの社会で普通に生きていけるのか心配になる。
そう。「人間と人魚」の話以前に「人間かどうかも疑わしい人間の数々」が出迎えてくれるんだ。
俺はSTUDIO4℃の過去作はまあまあ観ているほうなのでこのスタジオのノリも分かっているつもりだが、その俺をもってしても「このキャラデザは攻めすぎだろ」と心の中で笑うしかなかった。
主人公が家を出るたびにパンイチの赤ん坊みたいな人が普通に二足歩行で歩道を歩いていて。あいつは何なん?子供なの、大人なの、そもそも人間なの?と思っていたら。後半で主人公を追ってきたしつこい記者を人魚の贈り物の如意棒を巨大化させて記者ごと吹っ飛ばす、という見せ場があったりする。あ、普通に主人公に協力的な住人なのね、と。ちゃんと伏線回収的なことはやるのね、と。その謎のこだわりが面白いんだが、その面白さに気付く前に脱落する人は多そうだとは感じた。
例えば遊園地デートのシーンで。主人公がトイレに入り電話している中、トイレットペーパーがどんどん巻かれて紙が無駄に地面に落ちて行き、最後はカラになる。トイレットペーパーもったいねえな、という感想が先に来るこの場面も、おそらく主人公のそそっかしさや、混乱した頭の中を表現している可能性はある。でも、ノイズに感じる人もいると思う。ノイズというかなんでこんな演出があるんだ的な。
同じく遊園地デートシーンで手前を横切った子供がこける場面があるのだが、あれもおそらく後半の「主人公の子供時代に悲しいことがあった」という展開をやる為の前フリみたいな効果を狙っているような気もするのだが、そうでもないかもしれない。
こだわりのキャラデザ、描写が意味深に見えてしまうのはおそらく作り手の予想を超えていたんじゃないか。
たぶん、ストーリー自体は割と単純明快だから、演出やキャラデザインでちょっと挑戦してみたのだと思う。
人間キャラがあれだけ奇抜なデザインなのも「人間も色々な奴がいるんだから人魚とだって共存できるよね」的な意図があるような気もする。のだが、そもそも出てくる人々が人間かどうかも疑わしい見た目だから、「いやこんな奇抜過ぎる人間達ともそもそも共存できる気がしねえ!」という気分になる。「人間と人魚の共存」という作品テーマがぼやけた気がするんだよな。
おそらく作り手としては「ラブストーリーにギャグを挟んでみました」ぐらいの感覚なのかもしれないのだけど、「近未来ではハンプティダンプティ族や小人族とも共存してるのかな」みたいな意味深な描写に見えてしまう。
20XX年の上海が舞台で背景もかなり描きこんでいて執拗なこだわりを感じるのだが。この舞台設定も架空の近未来上海風都市のほうが良かったのではないかとも思う。そのほうが「架空の街だから人間もちょっと不思議な感じなのね」と受け入れやすかったかもしれない。あるいは背景はリアルに描かずもっと変な感じの方がキャラとの相性は良かったのではないか。
あるいはストーリー展開自体をもっとめちゃくちゃにしてとがらせたほうがこのキャラデザには合っていたかもしれない。
人魚の設定も、もうちょっと何とかならなかったのか。例えばチャオは魚の姿でもヒレに靴をはけば普通に地上を歩ける。あの絵面自体は面白いのだけど「この人魚は結構地上でも自由に動き回れるのな」というのが、なんというか作り手がやりたいことは分かりやすいのだが、設定としては分かりにくい。それはありなんだ、的な。
- 人間に対して警戒している時には魚の姿になり、リラックスしている時は人魚の姿になる
- 人間と普通に会話できる
- 地上でも普通に行動できる
- 海底に人魚の王国があるっぽい(描写なし)
という今作ならではの人魚設定をもっと活かせたような気はする。というか、ここらへんの設定はもっと練れたんじゃないか。
そもそもチャオが魚と人魚で姿が違い過ぎる。俺は人魚の姿も可愛いと思ったが、それでも魚の姿とあまりに可愛さのベクトルが違う。ここはもうちょっと共通要素を持たせても良かったと思う。チャオのおやじもそうだが。例えば色味だけでもほぼ同じとか。
主人公の両親を死に至らしめたスクリュー事故。これを防ぐために主人公はスクリューではない動力で動く船をデザインして。それが人魚の世界にもやさしい!という流れは、やりたいことの意図は分かる。でもこれも、そもそも海にもぐる際はスクリューの動きを止めておくことはできないのか、と思ってしまう。
例えば。あの世界の船はどれも海に廃棄物をたくさん流すような粗悪な作りで、主人公の両親は海に落ちた際に廃棄物で窒息して死んで。主人公は海に廃棄物を流さない船を作りました!これには人魚も大喜び!みたいなほうが分かりやすく、影響力もあるんじゃないか。
というように、もっとこうだったらより多くの人に届いたんじゃないか、という要素が多い作品ではある。
のだけどね。
俺はやっぱりこういう作品もあるからこそ、日本のアニメは発展してこれたんだと思うよ。むしろ、これだけとがった作品を作れる環境があることがすごい。
コーンを飛ばしながら車を走らせるのもすごいだろ。
チャオが謎の水流攻撃でチンピラ撃退できるのも面白いだろ。
家の中で花火をやって屋根吹き飛びと焦げたちりちりパーマですむ演出をここでやる勇気よ。
ロボット作る博士が看護師の背中で設計図らしきもの描いても誰もツッコミもしねえその謎の倫理観!
この博士とその彼女の謎の決闘らしきアクションからのお出迎えの無駄に張り切った動き。
ロボットのデザインのこだわり、そしてお披露目での派手な操作不能アクション。
終盤の海でのチャオのおやじとの対話の派手さ。
絶対描くの面倒なのに家を出るたびにフライパンに頭をぶつけるアクションを入れるその謎のこだわり!
全てがよく枚数を使ってこれを描いたな!の連続なのよ。これは相当なこだわりがないとできない。
そもそもこの奇抜なキャラデザでOKが出ることがすごいから。
くしくも歴史的ヒットを飛ばしている鬼滅の刃と同時期公開というのも運命にすら感じる。きっとしばらくは「鬼滅の刃の大ヒットの影で爆死したチャオというアニメ映画があり」とバカにされるだろう。
でも『鬼滅の刃』原作の初期をリアルタイムで読んでた身から言わせてもらえば、あれもそもそも原作初期は「絵が独特」「万人受けはしないんじゃないか」みたいに言われてたのよ。
あれはアニメ化に際して「原作のキャラデザインを活かしつつ万人に受け入れられるようにうまくアレンジした」からヒットしたのよ。原作絵の独特なタッチをそのまま再現していたらあそこまでのヒットにはなっていなかったと思う。
『Chao』がすごいのは独特なままで突き進んでいるところなのよ。そういう作品があっていい。
というか、そもそも独特な、個性的な、とがった作品がなければ、ヒットも生まれない。
数年後には「こんなとがった作品が公開されていたんだな」と評価されると思う。
まあ評価されなくてもいい。でも確実に誰かの心には刺さる作品だから。
これを映画館で観れたことは良かったと思うよ。
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