ChaOのレビュー・感想・評価
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STUDIO 4℃が日本に必要だと改めて感じる傑作
STUDIO 4℃は本当にすごい。王道だけが文化を作るわけじゃないということを知っている。これまで湯浅政明監督を『マインド・ゲーム』で長編映画デビューさせたり、『アリーテ姫』で片渕須直監督に長編映画の道を開いたりしてきたわけだが、今作もそうした快作(怪作)として後に語られるかもしれない。
無軌道で荒唐無稽で、ダイナミックな描写の連続で見ていて気持ちいい。展開の唐突さはむしろ狙ってやっているように見える。すっきりとみやすい画面ではなく雑駁で派手でカオスな空間。こういうアニメは久しくなかった気がする。
人魚のチャオがかわいい。魚なのにでかいスニーカーを履かせているのがいい。メインストリームのキャラクターデザインでないことは確かで、だからこそこの作品には価値がある。STUDIO 4℃はそもそもメインストリームを行く会社ではないし。
これから先、何年も見続けられていってほしいし、折に触れてリバイバル上映してほしい。
いたずら心満載の異次元娯楽アニメ
爆死アニメ映画を揶揄いに行ったらチャオの可愛さに爆死した件。
何でしょうかこの危険物は。もう公開している劇場も少ないので、見に行けた人はラッキーでしたね。
予告編から地雷臭漂う人物画。本編が始まってもありきたりな舞台設定と全く魅力的に見えない主人公、不細工(途中からどんどん可愛く見える)なうえに声優の演技も浮いているヒロイン。脇役も大概ワンピースの悪役顔です。
周りの客も横になって鑑賞するくらい引き込みの下手なストーリー。
なのに二人の新婚生活が始まるころから、どんどん引き込まれてチャオの喜ぶ姿が愛おしくて堪らなくなる。
前半はあえて人間チャオの正面からのカットを絞っているため、早く見せてよーって身を乗り出してしまう。
シナリオは動物の恩返しもので、それほど珍しいものではないのかも知れないし、一応テーマはあるけどそれも重要ではないと思う。
これは自分の価値観が90分間で180°揺さぶられるエンタメなのだろう。
最初は横になって見ていた客も、皆最後はエンドロールが終わるまで立ち上がらなかった。
もちろんこの世界観と画が全く合わない人もいるだろうし、それは否定しないけどね。
プロメア以来の視聴者の感性を試される映画。
子どもも楽しめる
シンプルなラブストーリーだけどグッと入ってくる
私的今年No.1映画
ChaOの第一関門としてはキャラデザ。予告時点で酷評だったものの、好きなキャラデザだ!と思えてたのでそこのハードルは無かったです。
第二関門は声優さんが芸能人ばかりな点。
発表されたときは大丈夫か?と不安になったものの、実際は何の違和感もなくスッと馴染んでたのでこちらも問題無し。
山田杏奈さんの声可愛かった!
ジュノーもポンコツだけど愛ある声色がよかった。(エンドロールで確認したお名前は存じ上げなかったけど太田さんって方)
私的No.1の理由は圧倒的に作画!!!
アニメ映画って最近はAIで作成された?って感じの動きやタッチだけど、ChaOは全然違った。
Studio 4℃さんの過去作品は申し訳ないことにノータッチ、ChaOで初めて見たけど言葉に表せないくらい良かった。
調べたら原画総枚数10万超えらしい。
そりゃあ………ってなりました、圧巻。
エンドロールでその原画が流れてたのがめちゃくちゃよかった、もっと細かく見たい。
物語は普通っちゃ普通だけど映像作品として最高傑作でした。
酷評吹っ飛ばして一旦皆様見てほしい
原画配ってる劇場があったらしいから行きたかったな………………
超絶癖ツヨラブストーリー!!!
なんというか……最初は戸惑いしかありませんでした。
絵柄だけでなく、ありとあらゆるものの癖が強すぎて、どう受け止めていいのか……。
ただ、頭で理解するのを諦めたあたりから、その狂気にグイグイと引き込まれて、最後の方はボロボロと涙が。これ以上ない愛おしいラブストーリーですよ。
動きまくるアニメーションの快楽もすごいですが、美術やレイアウト、普通では理解できないストーリー上の仕掛けの数々など、見どころ十分。
そうはならんだろ! 的なツッコミポイントも少なくないですが、スイッチが入ってるので全然気になりません。
Don’t think, feel! の心構えで見てください。
魚の姿のChaOが可愛い!
魚の姿をしている時のChaO、振る舞いや表情が豊かでとても可愛いです。
物語は単純そのものですが、映像が楽しく最後まで退屈する間もなく鑑賞できました。
時々、ChaOが全身明るい朱色の魚の姿から、水色の髪の青いイメージの人魚になりますが、両者のイメージが違うため、最初の内は同じキャラクターに思えなかったです。それでも、人魚のChaOもクールなイメージでカッコよかったです。
私が観た夕方の上映回は368席の大スクリーンだったため、人気作なのかと思いきや、客席には私1人しかいませんでした。上映終了後、すぐに周りを見渡しましたが、やはり客は私だけでした。(寂しい・・・)
長い間、月に5本以上のペースで色々な地域の映画館に通っていますが、平日とはいえ客席に自分1人だけというのは、初めてだったかもしれません。
楽しい映画なのに、人気がないのは勿体ないですね。
迷っている方は、是非ご鑑賞を!
幸福な多様性に溢れた世界に笑顔になる
今劇場で観ておけば、将来自慢できるぞ
ディ○ニーの人魚姫の10倍は良かったです
日本人には早すぎる?
闘病中につきシアターまで足を運べる機会が少ないので、なるべくアニメ以外を観たいと思っているにも関わらず、またアニメになってしまいました。
鳴り物入りの前評判作が打ち切りの危機と聞き、これは今 観ておかねば二度とシアターでは観られないかも?との思いに駆られて鑑賞。
さて、感想は「非常に満足」「大変秀逸な作品」「マイナス点と感じる箇所が一つもなかった」
と思いました。
特に好きなのは「編集の巧さ」ですね。
話のテンポが非常に良い。
それは例えば「ダンボ」辺りから始まるディズニーのお家芸でもあると思うのですが(白雪姫も悪くないけれど、まだダンボほどではない)「多くを語り過ぎず、エピソードが伝わる最小限の描写のあとはパッと場面を切り替える」
そのエピソードを伝えるための「ギリギリの削ぎ落とし」がChaOは実に上手い!と感じるのですね。
しかしながら「打ち切り」に関する世間の評価を読むに「ストーリーの描写が粗い。雑」という声が大半のようです。
それは、国語的な読解力の不足・未熟以外のナニモノでもない気が致します。
う〜む、、、。現代の日本人はアート系アニメなどの作品群を観た事がないのかなぁ???
70〜90年代ってそういう作品が世界的に色々あったし、今もあるのだろうけれど。
日本での嚆矢と言えば、1953年にカンヌ国際映画祭に出品された大藤信郎さんの「くじら」とかね。これはパブロ・ピカソにも大絶賛されました。
他にもチェコスロバキア共和国時代のイジー・トルンカさんとか、カナダのノーマン・マクラレンさん、日本では商業アニメの中に芸術性をしっかり盛り込んでくる南家こうじさんや小原秀一さん(1998年スラムダンクと資生堂のコラボCM)などなど。
また、人物の造形に関しても違和感を覚えるところは一つもなく「この作品はこういう絵柄&世界観なのだな」とすんなり入ってきました。
70年代の幼少期からSF&ファンタシーが好きだと自認しましたが、当時憧れた世界は「肌や髪や目の色が様々で、身体的特徴も様々、動物のみならず植物のDNAを発達させた知的生命体などすべてが自然に共存・共生している世界」でした。
スタートレックもコブラもワンピースもガーディアンズ・オブ・ギャラクシーもみんなそうじゃない?
なんなら、大多数が大絶賛する「千と千尋の神隠し」のキャラ造形には抵抗ないわけ?
千と千尋は受け入れられて、ChaOには否定的というのは非常に不思議ですね。
本作もね。ジブリやディズニーの制作って事で、名のある権威達が「ここが素晴らしいのですよ!」とメディアで大絶賛したならば、評価は180度変わるんじゃないでしょうか。
(そういう作品って、理解出来ていなくても、自分は面白くなかったとしても、高評価付ける層は少なくないですもん)
台詞も一切の違和感はありませんでしたね。アニメ創成期の声優さんって皆様しっかりと演技を学んだ俳優さんでしたし。舞台演劇など、様々な作品に慣れていればおそらく本作品の台詞回しに抵抗は無いだろうと思います……。
本作打ち切りの背景にあるのは
・昨今の「小学生にもよくわかる懇切丁寧なアニメ作品」に慣れきっている人が多い。
・長編文学小説作品を娯楽として愉しむ経験が乏しい。故に余白から適切にストーリーや心情描写を読み取る事が出来ない。
・アート系アニメーションに触れた経験が乏しい。
・舞台演劇等に触れた経験が乏しい。
・島国単一民族の為、真の意味で多様性の理解は困難?
結局「鬼滅の刃」や「アナ雪」や「ハリーポッター」程度の「子供向け映画」くらいしか理解出来ない人が多いのではなかろうか?(上記は子供向けとしては素晴らしいが、いい大人が何回も観るような作品ではないと思う)
カンヌ国際映画祭(アヌシー国際アニメーション映画祭とは、カンヌからアニメーション部門を独立させたもの)映画水準(とりわけアニメーション部門)の作品は「日本人には早すぎる」という事なのかなぁ、と感じてしまいました。
あとは純粋に総作画枚数10万枚超!の凄さは伝わりましたねぇ。
これに近い近隣作品は2010年のREDLINEを少々思い出しました。
この時も声がキムタクだとか、どうでもいいところで散々バッシングあったんだよね。金田伊功さんも知らん連中のさ。
「誰も見たことのない作品を創る」という意気込みやヨシ!
しかし、予想を大きく上回るほど心を震わせるまでの効果はなかったので星半分減点(年寄りにとっては「かつてどこかで見たことある」の域は超えていないのだわさ)
でも、この作品が2週間打ち切りってぇのは、日本人の文化度、マジに危機感を抱きます。
まぁ、いきなりシネコン扱いじゃなくてニッチな単館系オンリーの上映から始めれば評価は違っていたかもしれませんね。眼の肥えた単館系映画マニア層中心に口コミが広まれば、まるで違う展開があったのかもしれない、と夢想致しました。
とにかくチャオが可愛い。
歴史的な興行失敗と話題になってたので興味本位で見に行ってみましたが、予想以上に良くてガッツリハマり2回目も行ってしまいました。
この映画は、とにかくチャオが可愛い事に尽きると思います。天真爛漫でユーモアもあり愛情深い、こんな魅力的なヒロイン中々居ません。
クセの強いキャラデザ、書きたいシーンありきの展開など気になる点は山のようにありますが、チャオの可愛さの前には大した事のない様に思えてしまいます。声優も一部で酷評されてますが、個人的にはこの声しかないという感じでした。
またストーリーも尺が足りてないとは感じたものの、意外と?良かったです。序盤のチャオの行動には全て意味があった事が終盤で一気に明かされるのが素晴らしい。相対的にだらしなかったステファンへの好感度も上がり、最終的にはとても綺麗な終わり方だったと思います。
もう上映打ち切りになっている映画館も多く、スクリーンで見れる機会は残り僅かと思いますが時間が許すならぜひ見に行ってみてください。きっとチャオにハマるはず。
なにこれ!?ネット民的に言うならド変態(いい意味で)
2025年映画館鑑賞78作品目
8月23日(土)シネマリオーネ古川
通常料金1900円
監督はOVA作品『バットマン ゴッサムナイト』 #4「闇の中で」の青木康浩
脚本は『海獣の子供』『火の鳥 エデンの花』の木ノ花咲
キャクターデザインは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』で原画を担当した小島大和
時代は20××
舞台は近未来の香港
人魚と人間が共生する社会とそれ以前の過去
人魚王国の姫に告られ結婚するさえない青年の話
彼本人が忘れていた幼少期が発端になっていた
姫はしっかり覚えていたが青年は忘れていた
冒頭マスコミ関係者の青年が登場するが主人公ではない
彼はインタビュアーで妻と幼い子供2人と船上生活をしている主人公ステファンの若き日の話を聞く形となっている
独特の色使い
独特のキャラクターデザイン
いやそれは独特というより毒々しい
見た目にものすごいインパクト
昨年は『ルックバック』に衝撃を受けたが今年のこれはそれ以上の衝撃
大胆に細長くスマートな友人
大胆に丸く巨大な社長
2頭身で顔がでかい叔父叔母など
カメラマンもクセがある顔立ち
ステファンの自宅近くをオシメに上半身裸で歩く幼児など鳥山明のようにどうでもいいモブキャラにも力の入れよう
アニメとはディフォルメでありその極端な域に萌え要素は微塵もない
頭が硬いつまらない大人では到底描けるわけがない童心がたっぷり残っている自由すぎるクリエイターだからこそ生み出せるキャラクターたち
芸術の域に達している
人間に心を開くと徐々に人間の姿になる魚人
そういう設定
だが個人的には美女?の姿より魚の姿の方がいいかな
『魔神英雄伝ワタル』の渡部クラマと同様
魚だけど子ザメちゃんと違い靴を履く
鯛靴のダジャレ以来のビジュアル
マスコミたちにマイクを押し付けられるシー社長が面白かった
バナナの皮で滑りまくってエレベーターにそのまま入るシーン好き
面白いのは次の場面でそのバナナの皮が社長の額に乗っているのが笑える
大使が小指で鼻をほじりながらステファンに感謝する場面も呆れるのも通り越して逆に面白い
声当て専門じゃない芸能人が多く参加している
声優専門以外絶対に認めない連中は「客寄せパンダ」と詰るが少なくとも客寄せになってないし奴らはアニメファンでありながらその言動で日本のアニメ全体を侮辱していることに気づかない愚か者である
ステファン役の鈴鹿央士はこの作品同様見た目にインパクトがある
逆に顔が小さすぎる
山田杏奈も違和感がなかった
彼女はうまいからね
特に魚のときが
山里やくっきーもあのキャラにハマっている
実際のところ興行成績的には振るわない
しかしカリオストロの城もナウシカなど上映時は客入りが悪くてものちに高評価された名作は邦画洋画合わせると枚挙に暇がない
爆死だと煽っているネット民は可哀想な人たちである
同情はしないけど
イオンシネマは土日上映しなくなった
平日のみなら願わくば朝早くではなく割引がある夜間にしてほしいものだ
完全にずれている
なんやかんやでハッピーエンド
エンディングテーマは倖田來未
声の配役
超凡船舶会社で働くサラリーマンのステファンに鈴鹿央士
幼少期のステファンに田中あいみ
人魚王国の姫でかつてレイティン3号と呼ばれたチャオに山田杏奈
ステファンの上司のシー社長に山里亮太
ステファンの友人のマイペイにシシド・カフカ
ステファンの友人で発明家のロベルタに梅原裕一郎
人魚王国の国王でチャオの父のネプトゥーヌスに三宅健太
ステファンを取材する記者にジュノーに太田駿静
ジュノーの上司で魚人の編集長に土屋アンナ
人間と魚を繋ぐ大使のオメデ大使にくっきー!
水難事故で亡くなるステファンの父に岡野友佑
水難事故で亡くなるステファンの母に川上ひろみ
ステファンの幼少期の友人にホーミイに猪股速十
話は結構いいと思うがギャラデザが・・・
2025年劇場鑑賞222本目。
エンドロール後映像無し。
というかエンドロール中ずっと映像有り。
恋愛ありきで世間の理解を得る話だと思っていたのですが、世間から人魚族の王家の姫に見初められたんだから友好のために結婚しちゃいなよ的なスタンスだったのが意表を突かれました。社長役の山里亮太の演技がタッチの時の林家こぶ平(当時)くらい微妙なのが気になりましたが、山田杏奈の姫はかなりかわいい声でした。これなかったら成立してないかも。鈴鹿央士は天才なのでまぁ普通に声優でもうまいです。(まだスマホで一発変換出ない、頑張れ!(笑))人魚姫がベースとはいえ人間の姿になる条件というか、足は魚のままで
普通に陸を移動できるので声とか引き換えにすることもなく、そもそも正体を隠していないので話としては全く違うものになっていて予測はつかないです。
相当良かったのですが、ただ一つ、人間のキャラクターの鼻がなぜか全員赤鼻なのがすごく違和感がありました。後一部の人間は化け物みたいな等身をしていて、まぁこんな世界だから人魚に対する容姿の偏見がないのか?とは思いましたがそれにしても意味は分からず。
後回想シーンに出てくる子どもたちが外道すぎてここは減点ポイントではないのですが親の教育完全に失敗してると思いました。
チャオの深すぎる愛情に気付けるか
珍しく公開初日に鑑賞。
まず、この映画は少し難解です。
物語構造が若干複雑で、分かりにくいところがあります。
でも安心してください。
艶やかで斬新な演出に惑わされずにシーンの内容を逃さず読み解いていけば、物語の道筋が見えてきます。
そしてそこには、チャオの深すぎる愛情があるんです。
正直な話をします。
私はチャオに対して好意的に見ていませんでした。
どんだけ人魚の状態で美しくても、
チャーミングな動きに魅了されようとも、
「まぁこんな2次元のキャラおるよなぁ」と。
そしてそれは大きく覆ることになるのです。
こんな天真爛漫で愛が深すぎるキャラなかなかいません。
チャオの行動によく注目してください。
そして覚えておきましょう。
その行動ひとつひとつが、
主人公のステファンにとって、実は大きな意味を持つんです。
キャラデザが人を選ぶし、演出は斬新で飲み込みづらい。
ああ、これは世間的には評価されづらい作品だ、でも私は制作陣の愛情に、そしてチャオの愛情に魅せられてしまった。
それだけでこの映画を見た読後感は、とても清々しく、爽やかで、晴れやかでした。
もったいない
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