ChaOのレビュー・感想・評価
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感性の問われる作品
スクリーンの細かいところまでしっかり観てないと重要な場面を見逃してしまう "一瞬たりとも気が抜けない" そんな映画でした。
街行く人々を含め、登場人物のサイズがバラバラ。そんな所にも作り手のメッセージが込められているのだと感じました。
主人公の成長していく様を、鈴鹿央士さんが見事に表現されてました。
また、山里さんの上手さが光ってました。
最後のセリフ、いいですね。
後半にはマニア?をニヤッとさせるシーンが連続で出てきました。
この物語には、悪人が出てこない。
生きていく上で大切なことを教えてくれる。
それでいて、え?今?とつっこむところがあったり、よく観ているとクスッと笑ったり、ほっこりするところもある。
作り手の優しさだったり、細部まで計算しつくされたこだわりや技術が施されている、レベルの高い作品でした。
さすがアヌシー国際アニメーション映画祭 準グランプリ受賞作品。圧巻でした。
この作品に携わった全てのスタッフの方々に、心より敬意を表します。
観るたびに新しい発見があり、観終わった後清々しい気持ちになりました。
この映画に出会えたことに、感謝です。
そしてChaO(+猫)がとにかく可愛い!
なんで低評価???
STUDIO 4℃が日本に必要だと改めて感じる傑作
STUDIO 4℃は本当にすごい。王道だけが文化を作るわけじゃないということを知っている。これまで湯浅政明監督を『マインド・ゲーム』で長編映画デビューさせたり、『アリーテ姫』で片渕須直監督に長編映画の道を開いたりしてきたわけだが、今作もそうした快作(怪作)として後に語られるかもしれない。
無軌道で荒唐無稽で、ダイナミックな描写の連続で見ていて気持ちいい。展開の唐突さはむしろ狙ってやっているように見える。すっきりとみやすい画面ではなく雑駁で派手でカオスな空間。こういうアニメは久しくなかった気がする。
人魚のチャオがかわいい。魚なのにでかいスニーカーを履かせているのがいい。メインストリームのキャラクターデザインでないことは確かで、だからこそこの作品には価値がある。STUDIO 4℃はそもそもメインストリームを行く会社ではないし。
これから先、何年も見続けられていってほしいし、折に触れてリバイバル上映してほしい。
いたずら心満載の異次元娯楽アニメ
爆死アニメ映画を揶揄いに行ったらチャオの可愛さに爆死した件。
何でしょうかこの危険物は。もう公開している劇場も少ないので、見に行けた人はラッキーでしたね。
予告編から地雷臭漂う人物画。本編が始まってもありきたりな舞台設定と全く魅力的に見えない主人公、不細工(途中からどんどん可愛く見える)なうえに声優の演技も浮いているヒロイン。脇役も大概ワンピースの悪役顔です。
周りの客も横になって鑑賞するくらい引き込みの下手なストーリー。
なのに二人の新婚生活が始まるころから、どんどん引き込まれてチャオの喜ぶ姿が愛おしくて堪らなくなる。
前半はあえて人間チャオの正面からのカットを絞っているため、早く見せてよーって身を乗り出してしまう。
シナリオは動物の恩返しもので、それほど珍しいものではないのかも知れないし、一応テーマはあるけどそれも重要ではないと思う。
これは自分の価値観が90分間で180°揺さぶられるエンタメなのだろう。
最初は横になって見ていた客も、皆最後はエンドロールが終わるまで立ち上がらなかった。
もちろんこの世界観と画が全く合わない人もいるだろうし、それは否定しないけどね。
プロメア以来の視聴者の感性を試される映画。
子どもも楽しめる
シンプルなラブストーリーだけどグッと入ってくる
私的今年No.1映画
ChaOの第一関門としてはキャラデザ。予告時点で酷評だったものの、好きなキャラデザだ!と思えてたのでそこのハードルは無かったです。
第二関門は声優さんが芸能人ばかりな点。
発表されたときは大丈夫か?と不安になったものの、実際は何の違和感もなくスッと馴染んでたのでこちらも問題無し。
山田杏奈さんの声可愛かった!
ジュノーもポンコツだけど愛ある声色がよかった。(エンドロールで確認したお名前は存じ上げなかったけど太田さんって方)
私的No.1の理由は圧倒的に作画!!!
アニメ映画って最近はAIで作成された?って感じの動きやタッチだけど、ChaOは全然違った。
Studio 4℃さんの過去作品は申し訳ないことにノータッチ、ChaOで初めて見たけど言葉に表せないくらい良かった。
調べたら原画総枚数10万超えらしい。
そりゃあ………ってなりました、圧巻。
エンドロールでその原画が流れてたのがめちゃくちゃよかった、もっと細かく見たい。
物語は普通っちゃ普通だけど映像作品として最高傑作でした。
酷評吹っ飛ばして一旦皆様見てほしい
原画配ってる劇場があったらしいから行きたかったな………………
超絶癖ツヨラブストーリー!!!
なんというか……最初は戸惑いしかありませんでした。
絵柄だけでなく、ありとあらゆるものの癖が強すぎて、どう受け止めていいのか……。
ただ、頭で理解するのを諦めたあたりから、その狂気にグイグイと引き込まれて、最後の方はボロボロと涙が。これ以上ない愛おしいラブストーリーですよ。
動きまくるアニメーションの快楽もすごいですが、美術やレイアウト、普通では理解できないストーリー上の仕掛けの数々など、見どころ十分。
そうはならんだろ! 的なツッコミポイントも少なくないですが、スイッチが入ってるので全然気になりません。
Don’t think, feel! の心構えで見てください。
魚の姿のChaOが可愛い!
魚の姿をしている時のChaO、振る舞いや表情が豊かでとても可愛いです。
物語は単純そのものですが、映像が楽しく最後まで退屈する間もなく鑑賞できました。
時々、ChaOが全身明るい朱色の魚の姿から、水色の髪の青いイメージの人魚になりますが、両者のイメージが違うため、最初の内は同じキャラクターに思えなかったです。それでも、人魚のChaOもクールなイメージでカッコよかったです。
私が観た夕方の上映回は368席の大スクリーンだったため、人気作なのかと思いきや、客席には私1人しかいませんでした。上映終了後、すぐに周りを見渡しましたが、やはり客は私だけでした。(寂しい・・・)
長い間、月に5本以上のペースで色々な地域の映画館に通っていますが、平日とはいえ客席に自分1人だけというのは、初めてだったかもしれません。
楽しい映画なのに、人気がないのは勿体ないですね。
迷っている方は、是非ご鑑賞を!
幸福な多様性に溢れた世界に笑顔になる
色々な意味で惜しいとしか言い様の無い作品
毎月そこそこの数を鑑賞している口ではあるのだが、この作品を知ったのはとある掲示板の爆死映画スレッドをたまたま見たからである。そこで知る人ぞ知るスタジオ4℃制作のオリジナル作品であること、広告の類いがほぼなされず、全国200弱館の放映規模、そしてなぜか鬼滅の刃にかぶせての上映初日でめでたく?700万円とかの大爆死を喫し、歴代ワースト成績になるかもと不名誉な伝わり方をしていた。そんな作品だと終映も早かろうと考え、そこそこに近場(そんなに近くはない)の劇場が上映していると知り、慌ててフルプライス1800円で鑑賞した次第。往復3時間かけ90分の映画を観るだけでの弾丸小旅行、これで見る価値無しのZ級作品だったら返金を要求したいところだったのだが…。4℃なら問題ない、内容に関しては概ねその通りだった。星に示した通りである。だがそれ以外のところ、作品の外側の部分で(いや、これ内容にも被るか?)表題の通りとしか言えない感想に至った。以下に概要を述べたい。
なぜ惜しいのか?外面の部分(画作り)では、やはりキャラクターデザインが人を選ぶのでは?とは思う。だがそれはこの論点に於いては差程大きなウエイトを占めないと筆者は思う。言っても4℃なので癖が強いのは何時もの事で、更に言ってはなんだか皆が皆所謂インスマス面しているので、木を隠すには森理論で逆に違和感は早々に無くなる。とは言え、これは4℃をある程度知ってるひねくれ者の見方であり、日の浅いニュービーには違和感を持って有ると言っていいのだろう。他にもシナリオが某ポニョっぽいとの指摘もある。筆者は実はポニョは見ていないので判らないが、他にも似たような作品は掃いて捨てるほど有ることを考えると、メフィストフェレスではないが大体の事は先人が既にやっている事なので(パ○リの線をこえたらNGだが)許容かなとは思う。素直に驚き、笑い、悲しみ、感動したのもあるのだが。なので作品自体の評価は星の通りである。返金にならずによかったね。
しかし、マーケティングやマネジメントの話に及ぶと話は変わってくる。兎に角贅沢な作りの作品であるにも関わらず、認知が(筆者が知るだけでも)全くと言っていいほど無く、その結果恐らくは相当に掛かった制作費がペイ出来るとも知れない状態にあり、それをもって表題に掛けているものである。こんな作品が世に埋もれる、こんな事が有って良いのか?良くはないと声を出して言いたい。
この作品に掛かった作画カロリーは相当なものと推察される。音響や劇版、美術やキャスティング(例により芸人だらけだが)に至るまで相当に豪華である。その上で広告で力尽きたのか?確かに、昨今はサブスクからの収入も見込めるだろうし、何より作中の舞台が上海寄りの香港と日本のミックス染みた架空の土地なので、大陸マネーも期待したのだろうか、それにしても広告認知のマネジメントが悪すぎる様に感じた。自分がもぐりなのかと思わされるぐらいには。確かにキャラデザは一般人にアピールし辛い癖強で、マーケティング的に強気に出られなかったのか?全国200館弱規模放映ではあるが、東宝配給から外れたらそうなってしまうのだろうか?この様にかなり力の入った良作が、興行成績面で爆死の烙印を捺され、埋もれることに表題の意味を込めたつもりだ。こんな形で評価されたくなかった、観賞後の筆者の感想であり、我が事のように忸怩たる思いである。せめて五億円くらい乗せてくれたらばトントンなのかもしれないが、叶わぬ所なのかと思うと、掛けたコストに対価が見合わずお辛い気持ちになってしまう。凄い作品なのに。
売り方が不味かったのはもう取り返しが効かない。なれば終映まで(早期終映の可能性が高い)の間に何とか多くの方々に劇場に足を運んでいただきたい。自己の力が及ばずに他力本願に頼らざる得ない、不遇の今作に何とか力を貸して欲しいと言う思いは、この勿体ない作品を視聴した筆者の願いその物であり、微力ながら今作に携われたスタジオ4℃を初めとした多くの方々にせめてもの恩恵に預かっていただきたいと言う思いそのままである。
だから皆さん、鬼滅も良いけどチャオ!もね。期待を(無論良い意味で)裏切る作品ですので、是非に。
…強制するものではないですが、オススメです。
今劇場で観ておけば、将来自慢できるぞ
こんなの見たことない!作画もだが、ストーリーが凄すぎる!斬新かつ挑戦的な作品!!
まず作画に惹かれて視聴。
しかし、本当にすごいのはストーリーだった。
恋愛物と言ったら、なんといっても2人の障壁が見せ場。
2人の心は通じ合ってるのに、2人を取り巻く環境が許してくれないパターンである。
今回は人魚と人間とのこと。
あぁ、どうせ人魚と人間の恋愛なんてあり得ないって周りが言うパターンなんでしょ。
そう思ったら大間違い。
むしろ、周りは大歓迎で、どんちゃん騒ぎ。
それも、コメディとして演出。
今から見たことない物を見せるぞ、と言わんばかりの展開。
では、2人の障壁は無いのかというと、そんなことはない。
2人の障壁は、なんと2人の心そのものにあるのである!
しかも、通じ合ってないのは、生理的なところも含めてだ!
生理的に無理というやつである。
心が通じ合ってないまま進む恋愛物って、アリ?
それも見終わったころには、大アリだとわかる。
従来の恋愛物なら、心が通じ合った感動シーンと障壁を乗り越えた感動シーンが、別々にやってくる。
しかし、本作はそれが怒涛の伏線回収と共に、同時にやってくるのである。
感動の力が強すぎて、涙腺をぶち壊された。
これは絶対に見て欲しい。
お勧めします。
★
★ここからはもっとネタバレ注意
★
【もっと魅力を語るべきだと思い、追記します】
※個人の考察、感想です。見当違いな点もあるかもしれません。
〇ステファンの人生ついて
この物語はラブストーリーですが、ステファンの人間ドラマとしての側面も持っています。
田舎の漁村で生まれたステファンは、船の事故で両親を失います。そして、安全な船の改良に人生を捧げます。
ここで特筆すべきは、田舎で頼れる両親もいない中で、モーターを設計できる立場まで上り詰める、という人生の壮大なストーリーはあえて語られていないとのことです。
本来そこには血のにじむような努力があったと思います。
その努力の証は本編中のところどころに、散りばめられています。
印象的なのは開発の才能にたけた博士と同居している(家を無償で貸している?)ことです。毎日モーターの開発に人生を捧げていることがうかがえます。
さらに会社の出勤シーンも特徴的です。
鍋に頭をぶつけたり、バナナで滑ったり。
出勤はいつも多難なようです。
一見すると、ただのギャグシーンです。
でも、両親を失い、いくつも困難を乗り越え、それこそ何かにぶつかり、ずっこけながらも、今の会社に入るまでのステファンの道のりが、そこから透けて見えるのです。
〇小説化不可能?言葉はいらない、アニメーションだからできること。
本作は映像で語るという点にも重きを置いています。
わかりやすいのは、ステファンが今まで溜まった不満をチャオにぶちまけるシーンでしょう。
言葉は工事の音にかき消されますが、ステファンの様子やチャオの表情、姿の変化からすべてが伝わってきます。
こういった工夫はほかのシーンにも見られます。
例えば、ステファンが2人組に絡まれたチャオを助けて、ボコボコにされた後のシーンです。チャオが人間に近い姿に変身することだけではありません。そのあと意識が飛んでいるステファンの息づかいに、合わせるようにチャオが肩をゆらして呼吸するシーンが挿入されます(会社の人は本当に魚と息が合わせられるのかよ、どこで呼吸してるんだよってバカにしてましたね)。これは映像でしか語れない感動となりました。
〇「多様性を受け入れる挑戦」「他人のために自分をどれだけ捧げられるだろうか」といったテーマ
体の形が様々な人々。
人とは違う見た目をした人魚。
そしてそれらが融合した世界。
人間の犯した罪としてのプロペラとそれによる悲惨な事故。
など物語のいろいろな要素が普遍的でありながらも、今の我々に重要な問題提起をしています。
特に人魚の代表ーチャオの父親であるネプトゥ―ヌス国王から、人間であるシー社長、そしてステファンに語られる言葉は、重要なテーマを含んでおり、考えさせるものが多いです。
★
これだけ語りつくせないですが、魅力がたくさん詰まった作品です。
本作は人魚と人間の交わる壮大な世界観で繰り広げられます。
そんな中で、ただひたすらにチャオとステファンの心にフォーカスされた作品は、無数の星の中から、一際輝く一等星を見つけるような、特別な体験を提供してくれました。
私はもう2回視聴しました。
この作品が歴史に残る名作として語り継がれることを願います。
すごく好みが分かれる作品
一言で言えば「楽しいB級映画」
もちろん上記のことは馬鹿にしてるわけではなく、話の流れや人物の描写など大衆ウケではなくコア向けな作品であると感じたからです。
某サメ映画のような一部のファンが熱くなる、みたいなイメージで考えてもらえれば良いです。
始まりは記者が子供の頃から読んでた本の作者(主人公)と出会うところから始まりますが、その前に記者が人魚用の通路を使うなど交流が進んでることが示唆されてました。
そして主人公に取材をする上で本編が始まるような流れでしたが、とにかくチャオが健気で可愛い。主人公は幼い頃に両親を亡くしてて他責思考が目立つダメダメな感じですが、物語が進む上で成長をしていきました。わかりやすいのがぶら下がってる鍋に頭をぶつけるシーンが多くありましたが、それがなくなります。
まぁ恋愛物語よろしく他責主人公はチャオの頑張りを受け止めずチャオが起こしたトラブルに対して叱責してチャオと離れ離れに......。チャオパパ激怒からの主人公がチャオの存在を思い出してチャオと和解、そして現在に戻り記者がその話を編集長にして何やかんやで終わるって感じでした。
ざっくりネタバレは以上のようですが、その世界観は統一してない人の描写や演出など真面目におふざけ要素を取り入れたようなものでした。良く言えばシュール、悪く言えばくだらない要素でしたね。
ただそこを受け入れてみればとても楽しめる内容でしたね。ツッコミ前提で見るとなかなか楽しめますね。
それにおふざけの中にもきちんと見せたいシーンは力が入れてあり緩急が良くついていたと思います。
まぁ最後に見てほしいポイントが一つ。
最初声だけの編集長、ラスト姿が出るんですけど、デカいんですよ。タッパは勿論、πがね。デカπがすごい。もうそのシーンでお釣り出ましたわ。
以上長文失礼しました。
とことんカオスなパラレルワールド
絶対に普通のアニメなんか作るもんか、との気迫を感じるカオスな作品。独特のデッサンで描かれた、街ゆくモブキャラまで寸尺バラバラ、見たことも無い映像感覚。それでも、人魚姫はちゃんと美しい。もしかしたら、水中ならば人魚になれるという早変わりマジックの魔法なのかもしれないけど。
ちゃんと伏線が張られていたっぽいけど、カオスなシーンの連発について行くのが精一杯で、押しかけ女房の人魚さんがどういうことなのか検討がつかず、このまま、あやふやな結婚生活で話が終わるのかよ、と不安で仕方が無かったのですが、ちゃんと山あり谷もあり、幼い頃の記憶に振り返ったあたりで納得。ちゃんと映画がなりたってるんだなと胸を撫で下ろしました。
カオスといっても、ちゃんと説明がついていて、冒頭で「あ、そこは人魚専用ですよ」の警告に合点がいきました。これ、物凄く上手いと思う。人間と人魚、どういう関わり合いで世界がなりたっているのか、その一言のセリフで全て説明しきっている。そのお陰で、期待して先を見ることができました。
カオスといっても、他では類を見ないほどユニークでエネルギッシュでオリジナリティー溢れるアニメーションだったと思う。エンドロールで作画工程が紹介されているのは、余程スタッフがその苦労を語りたくて仕方がなかったのか。一番好きなのは、水中にあって人魚の姿のChaOとキスをするけど、一瞬で水が途切れてお魚に戻ってしまうところとか。他にも細かく見ていくと面白いシーンも満載。いつも出勤時に瓶を手渡す細かいネタ振りとか、カップを見ずに砂糖を床に注いでしまうのはちょっとやり過ぎかなあ。ティースプーンでコーヒーを飲むのは、小さい頃に自分もやってたのを思い出しました。主人公が子供の頃を辿るシーンだから、と言うわけでも無いだろうけど。
この作品の魅力を端的に言えば、「自分のことが好きでたまらないヒロイン」という設定でしょうか。そういう設定、うる星やつらに通じるところがあるなあ。やっぱり幸せなラブストーリーは華やかでいいですね。締めくくりは幾つものカップルが生まれる末広がりエンド。めでたし、めでたし。
ディ○ニーの人魚姫の10倍は良かったです
日本人には早すぎる?
闘病中につきシアターまで足を運べる機会が少ないので、なるべくアニメ以外を観たいと思っているにも関わらず、またアニメになってしまいました。
鳴り物入りの前評判作が打ち切りの危機と聞き、これは今 観ておかねば二度とシアターでは観られないかも?との思いに駆られて鑑賞。
さて、感想は「非常に満足」「大変秀逸な作品」「マイナス点と感じる箇所が一つもなかった」
と思いました。
特に好きなのは「編集の巧さ」ですね。
話のテンポが非常に良い。
それは例えば「ダンボ」辺りから始まるディズニーのお家芸でもあると思うのですが(白雪姫も悪くないけれど、まだダンボほどではない)「多くを語り過ぎず、エピソードが伝わる最小限の描写のあとはパッと場面を切り替える」
そのエピソードを伝えるための「ギリギリの削ぎ落とし」がChaOは実に上手い!と感じるのですね。
しかしながら「打ち切り」に関する世間の評価を読むに「ストーリーの描写が粗い。雑」という声が大半のようです。
それは、国語的な読解力の不足・未熟以外のナニモノでもない気が致します。
う〜む、、、。現代の日本人はアート系アニメなどの作品群を観た事がないのかなぁ???
70〜90年代ってそういう作品が世界的に色々あったし、今もあるのだろうけれど。
日本での嚆矢と言えば、1953年にカンヌ国際映画祭に出品された大藤信郎さんの「くじら」とかね。これはパブロ・ピカソにも大絶賛されました。
他にもチェコスロバキア共和国時代のイジー・トルンカさんとか、カナダのノーマン・マクラレンさん、日本では商業アニメの中に芸術性をしっかり盛り込んでくる南家こうじさんや小原秀一さん(1998年スラムダンクと資生堂のコラボCM)などなど。
また、人物の造形に関しても違和感を覚えるところは一つもなく「この作品はこういう絵柄&世界観なのだな」とすんなり入ってきました。
70年代の幼少期からSF&ファンタシーが好きだと自認しましたが、当時憧れた世界は「肌や髪や目の色が様々で、身体的特徴も様々、動物のみならず植物のDNAを発達させた知的生命体などすべてが自然に共存・共生している世界」でした。
スタートレックもコブラもワンピースもガーディアンズ・オブ・ギャラクシーもみんなそうじゃない?
なんなら、大多数が大絶賛する「千と千尋の神隠し」のキャラ造形には抵抗ないわけ?
千と千尋は受け入れられて、ChaOには否定的というのは非常に不思議ですね。
本作もね。ジブリやディズニーの制作って事で、名のある権威達が「ここが素晴らしいのですよ!」とメディアで大絶賛したならば、評価は180度変わるんじゃないでしょうか。
(そういう作品って、理解出来ていなくても、自分は面白くなかったとしても、高評価付ける層は少なくないですもん)
台詞も一切の違和感はありませんでしたね。アニメ創成期の声優さんって皆様しっかりと演技を学んだ俳優さんでしたし。舞台演劇など、様々な作品に慣れていればおそらく本作品の台詞回しに抵抗は無いだろうと思います……。
本作打ち切りの背景にあるのは
・昨今の「小学生にもよくわかる懇切丁寧なアニメ作品」に慣れきっている人が多い。
・長編文学小説作品を娯楽として愉しむ経験が乏しい。故に余白から適切にストーリーや心情描写を読み取る事が出来ない。
・アート系アニメーションに触れた経験が乏しい。
・舞台演劇等に触れた経験が乏しい。
・島国単一民族の為、真の意味で多様性の理解は困難?
結局「鬼滅の刃」や「アナ雪」や「ハリーポッター」程度の「子供向け映画」くらいしか理解出来ない人が多いのではなかろうか?(上記は子供向けとしては素晴らしいが、いい大人が何回も観るような作品ではないと思う)
カンヌ国際映画祭(アヌシー国際アニメーション映画祭とは、カンヌからアニメーション部門を独立させたもの)映画水準(とりわけアニメーション部門)の作品は「日本人には早すぎる」という事なのかなぁ、と感じてしまいました。
あとは純粋に総作画枚数10万枚超!の凄さは伝わりましたねぇ。
これに近い近隣作品は2010年のREDLINEを少々思い出しました。
この時も声がキムタクだとか、どうでもいいところで散々バッシングあったんだよね。金田伊功さんも知らん連中のさ。
「誰も見たことのない作品を創る」という意気込みやヨシ!
しかし、予想を大きく上回るほど心を震わせるまでの効果はなかったので星半分減点(年寄りにとっては「かつてどこかで見たことある」の域は超えていないのだわさ)
でも、この作品が2週間打ち切りってぇのは、日本人の文化度、マジに危機感を抱きます。
まぁ、いきなりシネコン扱いじゃなくてニッチな単館系オンリーの上映から始めれば評価は違っていたかもしれませんね。眼の肥えた単館系映画マニア層中心に口コミが広まれば、まるで違う展開があったのかもしれない、と夢想致しました。
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