「なにこれ!?ネット民的に言うならド変態(いい意味で)」ChaO 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
なにこれ!?ネット民的に言うならド変態(いい意味で)
2025年映画館鑑賞78作品目
8月23日(土)シネマリオーネ古川
通常料金1900円
監督はOVA作品『バットマン ゴッサムナイト』 #4「闇の中で」の青木康浩
脚本は『海獣の子供』『火の鳥 エデンの花』の木ノ花咲
キャクターデザインは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』で原画を担当した小島大和
時代は20××
舞台は近未来の香港
人魚と人間が共生する社会とそれ以前の過去
人魚王国の姫に告られ結婚するさえない青年の話
彼本人が忘れていた幼少期が発端になっていた
姫はしっかり覚えていたが青年は忘れていた
冒頭マスコミ関係者の青年が登場するが主人公ではない
彼はインタビュアーで妻と幼い子供2人と船上生活をしている主人公ステファンの若き日の話を聞く形となっている
独特の色使い
独特のキャラクターデザイン
いやそれは独特というより毒々しい
見た目にものすごいインパクト
昨年は『ルックバック』に衝撃を受けたが今年のこれはそれ以上の衝撃
大胆に細長くスマートな友人
大胆に丸く巨大な社長
2頭身で顔がでかい叔父叔母など
カメラマンもクセがある顔立ち
ステファンの自宅近くをオシメに上半身裸で歩く幼児など鳥山明のようにどうでもいいモブキャラにも力の入れよう
アニメとはディフォルメでありその極端な域に萌え要素は微塵もない
頭が硬いつまらない大人では到底描けるわけがない童心がたっぷり残っている自由すぎるクリエイターだからこそ生み出せるキャラクターたち
芸術の域に達している
人間に心を開くと徐々に人間の姿になる魚人
そういう設定
だが個人的には美女?の姿より魚の姿の方がいいかな
『魔神英雄伝ワタル』の渡部クラマと同様
魚だけど子ザメちゃんと違い靴を履く
鯛靴のダジャレ以来のビジュアル
マスコミたちにマイクを押し付けられるシー社長が面白かった
バナナの皮で滑りまくってエレベーターにそのまま入るシーン好き
面白いのは次の場面でそのバナナの皮が社長の額に乗っているのが笑える
大使が小指で鼻をほじりながらステファンに感謝する場面も呆れるのも通り越して逆に面白い
声当て専門じゃない芸能人が多く参加している
声優専門以外絶対に認めない連中は「客寄せパンダ」と詰るが少なくとも客寄せになってないし奴らはアニメファンでありながらその言動で日本のアニメ全体を侮辱していることに気づかない愚か者である
ステファン役の鈴鹿央士はこの作品同様見た目にインパクトがある
逆に顔が小さすぎる
山田杏奈も違和感がなかった
彼女はうまいからね
特に魚のときが
山里やくっきーもあのキャラにハマっている
実際のところ興行成績的には振るわない
しかしカリオストロの城もナウシカなど上映時は客入りが悪くてものちに高評価された名作は邦画洋画合わせると枚挙に暇がない
爆死だと煽っているネット民は可哀想な人たちである
同情はしないけど
イオンシネマは土日上映しなくなった
平日のみなら願わくば朝早くではなく割引がある夜間にしてほしいものだ
完全にずれている
なんやかんやでハッピーエンド
エンディングテーマは倖田來未
声の配役
超凡船舶会社で働くサラリーマンのステファンに鈴鹿央士
幼少期のステファンに田中あいみ
人魚王国の姫でかつてレイティン3号と呼ばれたチャオに山田杏奈
ステファンの上司のシー社長に山里亮太
ステファンの友人のマイペイにシシド・カフカ
ステファンの友人で発明家のロベルタに梅原裕一郎
人魚王国の国王でチャオの父のネプトゥーヌスに三宅健太
ステファンを取材する記者にジュノーに太田駿静
ジュノーの上司で魚人の編集長に土屋アンナ
人間と魚を繋ぐ大使のオメデ大使にくっきー!
水難事故で亡くなるステファンの父に岡野友佑
水難事故で亡くなるステファンの母に川上ひろみ
ステファンの幼少期の友人にホーミイに猪股速十
まったく仰る通りです。
これは「アート系アニメ」かつ「商業的にも認知・評価され得る」作品なんですよね。
これを理解出来ないなら、文芸、演劇、映画、等に関するリテラシー不足なだけだと思いますよ。
まぁ、映画ビジネスは「売れてナンボ」の世界だから仕方ないですけれどね。

