「アニメーションは素晴らしいが・・・」ChaO あるとせぶんさんの映画レビュー(感想・評価)
アニメーションは素晴らしいが・・・
シネコンにて19時台を鑑賞。
観客は私も入れて3名・・・なかなか厳しい。
ストーリーは、主人公が人魚姫と出会った青年との過去をインタビューする形式で語られる。
なので、お話の中心は青年と人魚姫との出会い~結婚~別れ~再会である。
再会に至るそもそもが明らかになっていくことで話が盛り上がっていく。
一連のインタビューを終えて主人公は・・・みたいな感じ。
スタジオ4℃の作品は、クオリティは高いが観客を選ぶ傾向にあるような気がする。
(海獣の子は個人的に合わなかった)
アニメーション表現は文句なく素晴らしく、一見の価値あり。
ただ話の流れに入りにくいのが難点。
そもそもの出発点の匂わせがほぼないので、3/4くらいは何が何だか分からずモヤモヤした状態で見ることになる。
まぁ、その分ラストの盛り上がりが良いと言えばよい。
青年の主観に沿った流れと言えば、それはそれでアリなのかもしれない。
限られた時間に収めるためか、脚本や演出が十分機能できず、見る側の没入感を妨げてしまっているのかも。
キャラは相変わらず全体的に尖っているため違和感を覚える方もいるような気がする。
頭身の違うキャラには何か意味があるのか無いのかよくわからなかった。
また、式場に向かっていたようなあのウミガメは結局どうなったのか気になって仕方ないw
キャラについては、スタジオの味と言ってしまえばそれだけで、好みが分かれますとしか言いようがない。
本作の一番の引っかかりはキャストという他ない。
どんなに素晴らしいアニメーション表現であっても脚本・演出が十分でないとき、重要なのがキャストの演技だと思う。
ジブリの悪癖というのか、アニメ声優を極端に排除したのはいいが、キャストの演技力が十分でないため没入感を阻害してしまう。
制作サイドはそれなりの期待も目算もあるのだろうけど、本作については違和感が多い(制作サイドのパワーバランスとかあるのだろうか)。
個人的には非アニメ声優でも素晴らしいキャストや作品はたくさんあるので、安易な否定はしたくないのだが、それにしても本作は厳しかった。
声をキャラに乗せると言うよりも、演者が出てしまうのはどうにかして欲しいし、メインキャストの力不足も気になってしまう。
ナチュラルな演技と言ってしまえばそれまでだけど、演技ってそんなものなんでしょうか?
ウミガメ、意味深に映して何もなかったですね。
俳優が声優やってて良かったのは、若手だと吉沢亮と神木隆之介、吉岡里帆くらい。
芦田愛菜で及第点、というのが個人的な意見です。